
小型株、業績回復の兆し T. Rowe Priceマネージャー
ETF Trends
公開日時: 2026/07/22 19:45
Sentiment Analysis
米国の小型株市場で、業績見通しの改善と割安感から、大型株をアウトパフォームする動きが広がるとの見方が強まっている。T. Rowe Priceのジョディ・ラブ氏は、10四半期にわたる低下傾向にあった小型株の利益見通しが、今年に入り反転したと指摘する。
ラブ氏はブルームバーグの番組「ETF IQ」で、近年の株式市場はメガキャップ(巨大企業)やAI(人工知能)関連銘柄が牽引してきたが、2026年は様相が異なるとの見解を示した。小型株の代表的な株価指数は今年に入り約20%上昇しているのに対し、大型株指数の上昇率は10%弱にとどまっている。このローテーション(資金の流れの変化)は、小型・中型株の利益見通しが10四半期連続で低下した後で起こっている。
ラブ氏によると、このトレンドは今年第1四半期に転換点を迎え、アナリストのコンセンサス(市場予測)は、2026年後半から2027年にかけて利益成長が加速することを示唆しているという。
さらに、小型・中型株は大型株指数と比較して20%から35%割安な水準で取引されており、バリュエーション(企業価値評価)の低い水準から成長する余地が大きいとラブ氏は分析する。
ラブ氏が運用する「T. Rowe Price Small-Mid Cap ETF(TMSL)」は、AI関連のメガキャップ株を追うのではなく、大手テクノロジー企業の設備投資から恩恵を受ける「つるはし」のような企業に注目している。同ファンドでは、特に産業、金融、ヘルスケアセクターをオーバーウェイト(投資比率を高めること)しており、具体的には航空宇宙・防衛、地域銀行、バイオテクノロジーなどの分野に注目している。
ラブ氏は、小型株市場に有力企業が存在しないという見方に反論。同ファンドの保有銘柄には、かつてラッセル2500指数(米小型・中型株指数)に含まれていたサンディスク(SNDK)やシエナ(CIEN)、ファブネット(FN)などが含まれることを例に挙げた。これらの銘柄は早期に特定し、ETFの償還プロセスを通じて売却し、利益を確定したという。
また、買収を通じてポートフォリオから外れる銘柄もある。ラブ氏は、数週間前にモデルナ(MRNA)に買収されたバイオテクノロジー企業を例に挙げた。この企業、クリニティクス・ファーマシューティカルズ(CRNX)は、7月6日にモデルナから100億ドルでの買収に合意した。
小型株IPO(新規株式公開)市場の回復も、有望な銘柄の発掘につながっているとラブ氏は語る。昨年は「非常に低調な時期」が続いたが、今年はほぼ毎週のように、特に産業セクターを中心に新規上場銘柄が登場している。
こうした変化は、TMSLファンドの運用成績にも表れている。同ファンドは年初来で17.8%、過去1年間で26.6%のリターンを上げている(ETF Database調べ)。今年に入ってからの新規資金流入は約12億ドルに達し、総資産は約27億ドルとなっている。
2003年6月に設定されたTMSLは、アクティブETF(指数に連動しない運用を目指すETF)として、ベンチマークであるラッセル2500指数を意識しつつも、それに固執しない運用を行っている。アクティブシェア(ポートフォリオの構成銘柄がベンチマークとどれだけ異なるかを示す指標)は約80%に達しており、これにより、大型株へと成長した銘柄を売却し、新たな投資アイデアに資金を振り向けることが可能になっている。
ラブ氏は、小型株が大型株に対してアンダーパフォーム(市場平均を下回る成績)してきた期間は20年近くに及ぶが、今年のようにトレンドが転換すると、その反転は歴史的に数年間続く傾向があると指摘。業績成長、バリュエーションの割安感、そして米国国内政策に関連する小型・中型株の増加が、その背景にあると分析している。
Source: ETF Trends
個別の投資に関する推奨やアドバイスを提供することを意図しておりません。ここで述べられている意見や見解は、あくまでも各記事の個人的見解です。