EPS(1株当たり利益)とは
EPSは、企業が普通株式1株当たりにどれだけの利益を生み出したかを示す指標です。 企業の規模ではなく1株当たりの収益力を見られ、PERの計算や利益成長の分析に使います。
EPSの計算式
EPS = 親会社株主に帰属する利益 ÷ 期中平均普通株式数
たとえば親会社株主に帰属する利益が100億円、期中平均株式数が5,000万株なら、EPSは200円です。期末時点の株式数ではなく、期中の増資や自己株式を反映した平均株式数を使います。
EPSを計算する
EPS
200円
簡易計算です。実際の開示EPSでは期中平均株式数、優先配当、希薄化要因などが考慮されます。
日本株の現在のEPS水準
株価基準日: 2026年10月20日
TTM EPS 中央値
99.66円
赤字を含む直近12か月実績
EPSがプラスの割合
88.2%
3,304銘柄が黒字
EPSがマイナス
440
直近12か月が赤字の銘柄
集計できた銘柄
3,744 / 3,958
欠損 214銘柄
TTM EPSの分布
赤字も含めた分布です。株式分割や株価水準で1株の単位が違うため、絶対額だけで優劣は決めません。
実績EPSと予想EPS
実績と会社予想の中央値を同じ母集団条件で確認します。
- 実績EPS(TTM)
- 99.66円
- n = 3,744
- 予想EPS(会社予想)
- 106.7円
- n = 3,462
中央値の差は同一銘柄の増減益率ではありません。会社予想がある銘柄数も異なります。
業種別のTTM EPS中央値
10銘柄以上の業種のみ。EPSの絶対額は1株の単位に左右されるため、黒字率と併せて参考値として確認します。
時価総額上位銘柄の例
推奨順位ではありません。実績・会社予想のEPSと、分割調整済みEPSの成長率を同じ表で確認するための例です。
- 株価
- ¥3,351-3.65%
- TTM EPS
- 237.38円
- 予想EPS
- -
- 3年成長率
- 32.9%
- 5年成長率
- 28.6%
- 株価
- ¥3,102+0.00%
- TTM EPS
- 351.38円
- 予想EPS
- 251.25円
- 3年成長率
- 18.1%
- 5年成長率
- 12.9%
- 株価
- ¥18,800+0.13%
- TTM EPS
- 411.29円
- 予想EPS
- 447円
- 3年成長率
- 27.5%
- 5年成長率
- 34.4%
- 株価
- ¥5,810+0.64%
- TTM EPS
- 176.99円
- 予想EPS
- 188.78円
- 3年成長率
- 8.9%
- 5年成長率
- 11.2%
- 株価
- ¥4,554-6.01%
- TTM EPS
- 860.66円
- 予想EPS
- -
- 3年成長率
- -
- 5年成長率
- 5.9%
- 株価
- ¥33,870-1.68%
- TTM EPS
- 633.28円
- 予想EPS
- 641.61円
- 3年成長率
- 43.5%
- 5年成長率
- 42.2%
- 株価
- ¥3,148-3.85%
- TTM EPS
- 223.07円
- 予想EPS
- 223.75円
- 3年成長率
- 27.9%
- 5年成長率
- 27%
- 株価
- ¥3,960+0.00%
- TTM EPS
- -36.03円
- 予想EPS
- -
- 3年成長率
- -
- 5年成長率
- -
基本EPS・希薄化後EPS・調整後EPSの違い
同じEPSでも、株式数の前提と分割調整の有無が違います。
- 基本EPS
- 株式数の前提
- 期中平均普通株式数
- 主な用途
- 開示利益の1株当たり換算
- 注意点
- 潜在株式による希薄化は含まない
- 希薄化後EPS
- 株式数の前提
- 新株予約権・転換証券等を反映
- 主な用途
- 潜在的な持分希薄化の確認
- 注意点
- 反希薄化となる場合は計算へ含めない
- 調整後EPS
- 株式数の前提
- 株式分割・併合を現在基準へ調整
- 主な用途
- 複数期の成長率・時系列比較
- 注意点
- 調整基準日をそろえて比較する
実績EPS・TTM EPS・予想EPSの使い分け
実績EPS
決算期ごとの確定値。年度単位の成長や会社予想との差を確認します。
TTM EPS
直近12か月の実績を合計した値。決算月が違う企業を同じ時点で比較しやすくします。
予想EPS
会社が公表した今期予想。業績修正や進捗率によって変化するため、更新日も確認します。
EPS成長率の見方
企業間ではEPSの金額より、同じ企業の推移と成長の質を重視します。
望ましい増加かを確認
- 売上と営業利益も一緒に伸びている
- 自己株式取得だけでなく純利益が増えている
- 単年だけでなく3年・5年で継続している
- 会社予想の前提と進捗に無理がない
数字が歪む場面
- 赤字から小幅黒字へ転換し成長率が極端になる
- 特別利益や税効果で純利益だけ増える
- 株式分割の調整基準がそろっていない
- 景気循環の底を起点にしている
EPSの増加は「純利益の増加」と「株式数の減少」の両方で起きます。売上・営業利益・純利益・発行株式数を分解すると、成長の源泉が分かります。
EPSとPER・株価の関係
株価 = EPS × PER
EPSが増えてもPERが低下すれば株価が上がらないことがあり、EPSが横ばいでも成長期待でPERが上がれば株価は上昇します。利益成長と市場評価を分けて考えると、株価変動の理由を整理できます。
株式分割とEPS
分割前後をそのまま比べない
1株を2株に分割すると、企業全体の利益が同じでもEPSは原則半分になります。これは収益力の悪化ではありません。Stock Clubの時系列と成長率は、株式分割・併合を現在の株数基準へ調整したEPSを優先します。
Stock ClubのEPS算出・集計方法
- 開示EPSは決算短信・有価証券報告書の公表値を取得し、基本EPSと希薄化後EPSの出所をそろえます。
- TTM EPSは直近12か月の実績を、株式分割後の現在の株数基準へ調整して集計します。
- 予想EPSは会社が公表した今期予想値を使います。
- 市場集計はアクティブな日本株EQUITYを対象とし、ETF・REITは除外します。
- EPSは赤字にも意味があるため、0以下を除外せず中央値・分布・黒字率へ反映します。
- 3年・5年成長率は分割調整済みEPSを使い、比較可能な期間がない場合は表示しません。
本ページは情報提供を目的としており、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。表示値だけで投資判断を行わず、企業開示と最新情報をご確認ください。
EPSのよくある質問
EPSは高いほど良いですか?
同じ銘柄の時系列では、継続的な増加は収益力の改善を示す材料になります。ただし企業間では株式数や株式分割の状況が違うため、EPSの絶対額だけで優劣は判断できません。
EPSがマイナスとはどういう意味ですか?
1株当たりの損失が出ている状態、つまり直近の対象期間が赤字であることを示します。赤字の原因が一時的か、事業構造によるものかを損益計算書で確認します。
EPSとPERの関係は?
PERは株価をEPSで割って求めます。式を変形すると株価=EPS×PERです。株価上昇にはEPSの成長だけでなく、市場が付けるPERの変化も影響します。
基本EPSと希薄化後EPSの違いは?
基本EPSは期中平均普通株式数を使い、希薄化後EPSは新株予約権や転換社債などが株式になった場合の希薄化を反映します。利益が出ている期では通常、希薄化後EPSは基本EPS以下です。
実績EPSと予想EPSはどちらを見るべきですか?
実績EPSは確定情報、予想EPSは将来見通しです。どちらか一方ではなく、実績の推移、会社予想、進捗率、予想修正を並べて確認します。
株式分割でEPSはどうなりますか?
1株を複数株に分けると1株当たりのEPSは機械的に小さくなります。時系列比較では、過去値を現在の株数基準に直した分割調整済みEPSを使う必要があります。