
ナレルグループ 2026年10月期 第3四半期決算ディープダイブ:稼働率改善と付加価値領域の急伸で進む中計「Change and Growth 2030」
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公開日時: 2026/09/11 10:12
Sentiment Analysis

1. 2026年10月期 第3四半期 決算概要
ナレルグループ(証券コード:9163)の2026年10月期 第3四半期累計期間における業績は、主力である建設ソリューション事業の在籍人数・稼働人数の増加および契約単価の上昇を背景に増収を確保しました。利益面では成長投資や採用先行によるコスト増があったものの、計画を上回る進捗を見せています。

業績ハイライト(累計)
- 売上収益 :19,229百万円 (前年同期比 +7.3% 、期初計画比 △4.4%)
- 営業利益 :2,203百万円 (前年同期比 △2.6% 、期初計画比 +12.5% )
- 税引前四半期利益 :2,144百万円 (前年同期比 △2.8% 、期初計画比 +12.3% )
- 親会社の所有者に帰属する四半期利益 :1,512百万円 (前年同期比 △5.4% 、期初計画比 +5.7% )
通期計画(売上収益29,250百万円、営業利益3,010百万円)に対する進捗率は、売上収益が 65.7% にとどまる一方、営業利益は 73.2% 、親会社株主に帰属する四半期利益は 72.4% と、利益面での進捗が堅調です。
四半期単位の推移を見ると、第3四半期会計期間(単四半期)の売上収益は 6,560百万円 、営業利益は 848百万円 となり、営業利益率は第2四半期の9.9%から 12.9% へと急回復を見せています。
2. 営業利益の増減要因分析
前年同期比での変動要因
前年同期比で営業利益が58百万円減少した主な要因は以下の通りです:
- 売上収益の増加(+1,302百万円) :稼働人数の増加と契約単価の上昇が寄与。
- 原価人件費の増加(△1,103百万円) :採用強化による在籍人数の増加および需給調整に伴う未稼働期間の発生。
- 販管費人件費等の増加(△194百万円) :営業力・採用力強化に向けた内勤人員の拡充、およびDX・BPO等の収益化に向けた体制整備に伴う先行投資。
計画比での上振れ要因
売上収益は計画に対して1,960百万円下回ったものの、需給バランスを踏まえた機動的な採用運営によって原価人件費を 1,275百万円抑制 したほか、採用費(+333百万円)や販管費(+268百万円)の適切なコストコントロールを実行した結果、営業利益は計画比で +246百万円(+12.5%)上振れ して着地しました。
3. セグメント別動向
① 建設ソリューション事業(ワールドコーポレーション等)
- 売上収益 :17,350百万円 (前年同期比 +8.1% )
- セグメント利益 :1,737百万円 (前年同期比 △4.4% )
- 在籍人数 :3,719名 (前年同期比 +120名 )
稼働率の最適化とDX付加価値の提供による単価向上が寄与し、堅調なトップライン成長を継続しています。
② ITソリューション事業(ATJC)
- 売上収益 :1,879百万円 (前年同期比 △0.2% )
- セグメント利益 :153百万円 (前年同期比 +37.0% 、利益率8.2%)
- 在籍人数 :389名 (前年同期比 △38名 )
在籍人数は微減となったものの、上流工程案件の獲得推進によって契約単価が上昇し、利益率は前年同期比で +2.2pt改善 しました。
4. 主要KPIの推移と状況

稼働率の動向
建設ソリューション事業における稼働率(研修中除く)は、第1四半期(91.3%)、第2四半期(91.9%)、第3四半期(91.9%)と推移しました。月次ベースでは5月の 90.4% を底として、エリア集中営業や配置最適化の取り組みにより、6月 92.4% 、7月 93.0% と足元で明確な改善トレンドを描いています。
契約単価の上昇
- 建設ソリューション :1Q 520千円 → 2Q 525千円 → 3Q 528千円 (前年同期519千円)
- ITソリューション :1Q 526千円 → 2Q 531千円 → 3Q 543千円 (前年同期531千円)
技術者のスキル向上および顧客ニーズに合わせた提案力強化により、両事業ともに 契約単価の一貫した上昇 が続いています。
採用・定着率(退職率)の課題と施策
建設ソリューションの退職率は 34.0% (前年同期は29.4%、前々期通期31.1%)と上昇傾向にあり、会社側は引き続き重要課題と位置づけています。これに対し、以下の施策を強化しています:
- 資格取得支援の拡大 :業界最高水準の手当支給や対策講座の拡充により、総資格保有者数は 573名 に拡大。
- 人事制度の改定(2026年9月〜) :中長期的なキャリア形成を促す等級区分・評価制度の見直しと昇給額の改善を実施。
5. 中期経営計画「Change and Growth 2030」の進捗と成長戦略
ナレルグループは中計初年度において、コア事業の収益基盤改善に加え、成長領域の事業基盤構築を進めています。

重点施策の進捗
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建設DX事業の収益化・付加価値モデルの拡張
- 株式会社SkymatiXとの提携関係を出資(2026年6月)により強化。空間データ統合プラットフォーム「くみき」の導入拡大とDX人材育成を連動。
- 従来の単なる派遣モデルから、「建設DX人材派遣」「請負(伴走型DX推進支援)」「受託BPO」へと領域を拡張。
- 付加価値領域の売上高 は、 前年同期比 273.9% 、前四半期比 115.6% と急成長を記録。
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職人紹介事業の面的拡大
- 一般社団法人全国建設人材協会の会員企業数が 2,100社を突破 。
- BRANU社、ダイサン社、地域金融機関(静清信用金庫、埼玉縣信用金庫等)との連携により、専門工事会社を中心とした顧客接点を急速に拡大。
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生産性向上と全社BPR
- AI Boostプロジェクト によるノーコードAIを活用した現場業務の効率化。
- 2026年6月に「コーポレートDX推進部」を新設。
- 2026年7月より 新基幹システムが稼働開始 し、マッチング機能の高度化と業務自動化を推進。
建設人材プラットフォーム構想
施工管理技術者(約3,700名超)の派遣基盤を起点に、職人マッチング、企業ネットワーク(2,100社超)、そしてテクノロジー(SkymatiX、Arent、BRANU等)を融合させ、 建設人材を「集める・育てる・つなぐ・現場で活かす」統合プラットフォーム の確立を目指しています。
6. まとめと今後の焦点
2026年10月期 第3四半期は、機動的な採用・コストコントロールにより計画以上の利益進捗を達成した四半期となりました。今後の業績動向を見極める上では、以下の点がポイントとなります:
- 足元で93.0%まで戻した稼働率のさらなる向上と水準の定着
- 新制度導入や資格取得支援を通じた退職率の抑制・定着率改善
- 前年同期比2.7倍超で伸長するDX・BPOなど付加価値領域の収益貢献の本格化
- 新基幹システム稼働に伴うマッチング効率および営業生産性の向上
個別の投資に関する推奨やアドバイスを提供することを意図しておりません。ここで述べられている意見や見解は、あくまでも各記事の個人的見解です。