
【BRANU 2026年10月期 第3四半期決算】売上高+39.8%・営業利益+60.0%の力強い高成長、通期予想を上方修正しAI戦略「BRANU AXIS」を本格始動
StockClub
公開日時: 2026/09/11 10:01
Sentiment Analysis

1. 2026年10月期 第3四半期 決算総括とエグゼクティブサマリー
建設DXプラットフォームを展開する BRANU株式会社(460A) の2026年10月期 第3四半期累計決算は、売上高・各段階利益ともに前年同期を大幅に上回り、極めて好調な業績進捗を示しました。
- 売上高 : 2,078百万円 (前年同期比 +39.8% )
- 営業利益 : 308百万円 (前年同期比 +60.0% )
- 経常利益 : 290百万円 (前年同期比 +52.9% )
- 営業人員数 : 76人 (前年同期比 +38.2% )
- ストック型サービスARR : 1,001百万円 (前年同期比 +22.4% )
- ストック型サービスライセンス契約社数 : 3,330社 (前年同期比 +21.4% )
地方拠点の積極的な開設・拡大に伴う顧客接点の増加と新規顧客獲得の加速、ならびに「CAREECON Plus」における多段階プランのアップセル戦略が奏功し、売上高は前年同期比約4割増、営業利益は6割増と大幅な増収増益を達成しました。先行的な採用・人件費の増加を力強いトップライン成長によって十分に吸収し、高い収益性を維持しています。
2. 四半期業績推移と収益性の向上要因
第3四半期(単四半期)においても売上高・経常利益ともに四半期計画を上回る推移を継続しています。以下のスライドは、四半期ごとの売上高および経常利益の推移と計画比の実績を示したものです。

スライドの背景と解説
四半期推移グラフから分かるように、2026年10月期に入り売上高は 1Qの545百万円から2Qの749百万円、3Qの783百万円 へと右肩上がりに拡大しています。経常利益に関しても、新卒・中途採用に伴う先行投資が発生した1Q(4百万円)から、2Q(148百万円)、3Q(138百万円)へと急回復し、高い水準をキープしています。
この業績拡大を牽引した主要因は以下の通りです:
- 地方拠点展開の成果 : 仙台・大阪・福岡などの主要拠点での現地採用が進み、地場に根ざした営業体制が確立。新規顧客の獲得ペースが加速しました。
- アップセルによる収益単価の引き上げ : 「CAREECON」による新規顧客獲得(フロー)を起点に、統合型ビジネスツール「CAREECON Plus」の上位プランへ移行を促すクロスセル・アップセルが着実に進捗しています。
- 高い利益率の維持 : 積極的な組織拡充による固定費増を、増収効果と業務効率化によって吸収し、計画を上回る利益水準を実現しています。
3. 売上構成と主要KPIの動向
同社の建設DXプラットフォーム事業は、マッチングメディア等を中心とする フロー型ビジネスモデル(CAREECON) と、SaaS型の業務支援ツールを中心とする ストック型ビジネスモデル(CAREECON Plus) の2軸で構成されています。
- 売上構成比 : フロー型 63.5% (1,319百万円) / ストック型 36.5% (758百万円)
フロー型で幅広い中小建設業者へリーチして顧客基盤を広げ、その顧客に対してストック型サービスを提供するという有機的な連携モデル( 6:4の売上バランス )が強固に機能しています。
主要KPIの進捗一覧
- 「CAREECON」登録ユーザー数 : 6,811ユーザー (前年同期比 +22.2% 、前期末比 +16.5% )
- ストック型サービスライセンス契約社数 : 3,330社 (前年同期比 +21.4% 、前期末比 +15.6% )
- ストック型サービスARR : 1,001百万円 (10億円を突破 、前期末比 +21.3% )
- 月次ARPU : 25,055円 (前期末23,883円から上昇基調を維持)
- 月次チャーンレート :
- 「miniプラン」: 0.33% (極めて低い水準で安定)
- 「アップセルプラン(Middle/Standard)」: 2.13% (経営管理機能などの利用率向上に伴い前期末の2.51%から低下傾向)
2026年1月に新設された「Middleプラン」が更新時のスムーズな受け皿となり、顧客の成長フェーズに応じた多段階のアップセルパスが構築されたことで、ARRの積み上げと解約率の抑制が同時に実現されています。
4. 拠点展開と人的資本への重点投資
東京一極集中からの脱却を進め、 地方拠点の開設・拡大 が業績拡大の大きなドライバーとなっています。
- 拠点人員の推移 : 2025年10月期4Qの154人から、2026年10月期3Qには東京186人、大阪24人、仙台23人、福岡5人へと拡大。今後さらに金沢支店の開設や福岡支店の移転増床を予定しています。
- 支店別売上高の推移(CAREECON) : 1Qの321百万円(東京195、大阪63、仙台31、福岡31)から、3Qには 509百万円 (東京243、大阪113、仙台67、福岡84)へと急成長を遂げています。
原価面では開発体制の強化(3Q開発原価 54百万円 )、販管費面では新卒および地方採用に伴う人件費・採用教育費(3Q 343百万円 )とインバウンド広告投資を積極的に実行し、中長期的な成長基盤を着実に固めています。
5. 通期業績予想の大幅上方修正
第3四半期までの業績が想定を上回って推移したことを受け、同社は2026年10月期の 通期業績予想を上方修正 しました。

上方修正の内容と要因分析
- 売上高 : 従来予想 2,800百万円 → 修正予想 2,955百万円 (+5.5%上方修正 、前期比 +39.2% )
- 営業利益 : 従来予想 395百万円 → 修正予想 469百万円 (+18.8%上方修正 、前期比 +41.7% 、営業利益率 15.9% )
- 経常利益 : 従来予想 378百万円 → 修正予想 452百万円 (+19.6%上方修正 、前期比 +37.7% 、経常利益率 15.3% )
- 当期純利益 : 従来予想 261百万円 → 修正予想 292百万円 (+12.0%上方修正 、前期比 +21.0% )
第4四半期(単体計画:売上高877百万円、経常利益162百万円)に向けては、支店網の拡充と営業人員の立ち上がりに加え、AIの社内活用による開発・営業活動の生産性向上、カスタマーサクセス業務の効率化を見込んでいます。過去最高の売上高・利益の更新を見込む計画となっています。
6. AI戦略「BRANU AXIS」と今後の成長ロードマップ
中長期の飛躍的成長に向け、同社は建設AX(AIトランスフォーメーション)を推進する新プロジェクト 「BRANU AXIS」 を本格始動させました。

「BRANU AXIS」の革新性と競争優位性
「BRANU AXIS」は、プラットフォーム上に蓄積された中小建設企業6,800社超のユニークデータと、独自開発の建設AIエンジン 「BRANU BRAIN」 を統合した戦略構想です。
- 進化のステップ :
- Step 1: 情報読み取り・書類作成を支援する「AI業務支援」(実装済)
- Step 2: 目的に向けて自律的に計画・実行する 「エージェンティックAI」 (現在推進中)
- Step 3: 経営意思決定を支援する「企業AI(社長の右腕)」
- Step 4: 企業間連携・リソース最適化を可能にする「共創ネットワーク」
- AI駆動型開発(AIDD)体制への移行 : 2026年4月より企画・設計・実装の全工程にAIを組み込み、Single Source of Truth(SSOT)を確立。開発スピードの大幅な向上とコスト削減、高品質化を実現しています。
- 知財ポートフォリオ(特許戦略) : 建設現場のハルシネーション(誤判定)リスクを防止し、品質・安全管理をプロセスから未然に特定・予防する独自の 「建設特化型AI制御プロセス」 に関する特許を出願。競合に対する強固な参入障壁を構築しています。
具体的なプロダクト展開
- カルチャーマッチング機能 : 商談・ミーティング動画や施工実績データから顧客カルチャーをAIが自動抽出し、オウンドメディア発信や人材マッチング(キャリコンジョブ)の精度を飛躍的に高める仕組み。
- AI工程表 : 見積書やPDF図面を取り込むだけで、AIが工事項目を読み取って標準工程表を自動生成し、現場管理者の工数を大幅に削減。
7. まとめと中長期的な展望
BRANUは、以下の3本柱を中心とした中長期成長戦略を着実に推進しています。
- 基盤拡充 : 全国主要都市への支店網拡大(金沢新設、福岡増床等)と、資材流通最大手・ 渡辺パイプ との協業強化(現在拠点カバー率約35%から全国へ拡大)。
- プロダクト強化 : 経営管理機能を中核に、施工・調達・営業・マーケティングを網羅する「All-in-One Platform」への深化とアップセル促進。
- 新領域サービスの創出 : 「BRANU BRAIN」による独自データ活用と「キャリコンジョブ」等の新サービス展開。
足元の強固な業績モメンタムと、AIを活用した生産性向上・新規サービス開発が両輪となり、中小建設業界のDX/AXを牽引するリーディングカンパニーとしての基盤を強固に築いています。
個別の投資に関する推奨やアドバイスを提供することを意図しておりません。ここで述べられている意見や見解は、あくまでも各記事の個人的見解です。