
HUMAN MADE 2027年1月期第2四半期 決算深掘りレポート:上方修正と大型旗艦店展開が牽引するグローバル成長ストーリー
StockClub
公開日時: 2026/09/11 10:00
Sentiment Analysis

1. 決算概要:過去最高水準を更新し、通期業績予想を上方修正
HUMAN MADE株式会社(証券コード: 456A) の2027年1月期第2四半期(中間期)決算は、売上高・各段階利益ともに当初想定を大きく上回る極めて力強い進捗を示しました。
第2四半期累計期間(中間期)における業績実績は、 売上高8,758百万円(前年同期比+46.3%増) 、営業利益2,456百万円(同+36.1%増) 、経常利益2,429百万円(同+37.7%増) 、中間純利益1,719百万円(同+50.4%増) となり、大幅な増収増益を達成しました。単四半期(2Q単体)で見ても売上高は4,458百万円(前年同期比+35.4%増)と四半期ベースで過去最高を更新しています。
この好調な進捗を踏まえ、同社は通期連結業績予想の上方修正を発表しました。修正後の通期計画では、 売上高19,200百万円(前期比+34.5%増、従来予想比+700百万円) 、営業利益5,300百万円(前期比+17.0%増、従来予想比+500百万円) 、当期純利益3,700百万円(前期比+25.8%増、従来予想比+400百万円) を見込んでいます。

■ 通期予想上方修正の背景と要因
上記の通り、通期業績予想が上方修正された背景には、エッセンシャル(定番)商品群の底堅い需要に加え、戦略的なIPコラボレーションの爆発的なヒットがあります。また、下期に予定されている大型旗艦店の寄与も織り込まれています。
営業利益率については、前期実績(31.7%)から一時的に27.6%へと見かけ上低下していますが、これは将来成長に向けた先行投資(国内新規出店に伴う前家賃や、米国・中国子会社の開業準備費用など計6.6億円の一過性費用)が要因です。これらの先行投資を除いた 「実力ベースの営業利益率」は31.0%(実力値営業利益5,960百万円) と、引き続き30%超の高水準な収益体質を維持しています。
2. 業績推移と収益構造の分析
四半期ごとの売上高および営業利益の推移を見ると、同社がいかに安定した成長軌道を描いているかが明確になります。

■ 四半期推移に見る成長モメンタム
上図のスライドが示すように、売上高は前四半期(1Q: 4,299百万円)からさらに拡大し、 2Q単体で4,458百万円 に到達しました。営業利益率は一過性費用の計上等により27.4%となったものの、四半期営業利益は 1,222百万円 を計上しています。
収益構造面での特筆すべき強みは以下の通りです:
- 売上総利益率の高水準維持(64.0%) :一部コラボレーションに伴うロイヤリティ支払いやサンプル費用の計上があったものの、原価率の上昇を抑制し高粗利を維持しています。
- 高いDTC比率(82%) :自社直営店舗および自社ECによる DTC比率は82% 、海外パートナー向けを含めた 自社ブランド比率は92% に達しており、中間マージンを排した高収益モデルを確立しています。
- プロパー消化率100%の維持 :設立以来、値引き販売を一切行わない「プロパー消化率100%」を継続。在庫回転月数も 2.6か月 と極めて適正にコントロールされています。
3. 重要トピックスと成長ドライバーの進捗
2027年1月期第2四半期における主要な事業ハイライトとして、以下の重要施策が挙げられます。
① グローバルIPコラボレーションの成功
全世界で絶大な人気を誇る「ポケモン」とのコラボレーション第2弾を実施。「ピカチュウ」「カモネギ」に加え、新たに「コイキング」をフィーチャーしたアパレル・グッズを展開し、新規顧客層の獲得とブランド認知拡大に大きく寄与しました。また、クリエイティブパートナーであるVERDY氏との協業アイテムも国内外で即完売するなど、ブランド価値の向上を牽引しています。
② 店舗網の拡大と販売チャネルの強化
- 心斎橋PARCO店のリニューアル :店舗面積を従来の約5倍となる 115㎡へ大幅増床 し、2026年7月にリニューアルオープン。来店客数および購買単価の増加に貢献しています。
- 韓国・ソウル3号店(JAMSIL)の出店 :人気複合施設「ロッテワールド・モール」1階に264㎡の大型パートナー店舗を2026年6月にオープン。K-POPカルチャーとの親和性も高く、アジア圏全体への波及効果を生み出しています。
4. 中長期成長戦略:国内基盤の確立と海外直営展開
同社は、2027年1月期を「2028年1月期以降の非連続な成長に向けた積極投資の準備期間」と位置づけています。

■ 初の旗艦店「HUMAN MADE TOKYO」と国内出店パイプライン
国内事業の最大のトピックは、 2026年9月26日に東京・原宿へオープンする初の旗艦店「HUMAN MADE TOKYO」 です。延べ床面積 595㎡ を誇る同店は、12か月ベースで 年商20〜30億円 を見込む巨大拠点であり、第3四半期以降の業績を力強く牽引する見通しです(3Q売上予想は50〜54億円を計画)。
さらに、2027年1月には名古屋(延床約200㎡、想定売上6〜8億円)の出店が確定しているほか、2027年春に青山みゆき通り、2027年夏には大阪・梅田への新規出店を予定しており、国内主要都市でのドミナント展開を着実に進めています。
■ 米国・中国への本格的な直営展開
海外展開においては、これまでの卸・パートナー店舗モデルから、直営子会社モデルへの転換が本格化します:
- 米国(ニューヨーク) :SOHOエリアにて標準店規模の物件を契約完了。
- 中国(上海) :高級ブランド路面店が立ち並ぶ静安区の中心地に旗艦店規模の物件を契約完了。
両国ともに現地法人の設立を完了しており、2027年2月(2028年1月期)以降の本格稼働に向けてインフラ整備と開業準備が進められています。
5. 財務基盤と株主還元方針
■ 盤石な財務体質と高効率経営
同社のバランスシートは極めて健全であり、 自己資本比率は80.0% 、現預金は 104億円 に達しています。有利子負債はわずか1.8億円と実質無借金経営を継続しており、外部資金に頼ることなく潤沢な営業キャッシュフローと手元資金で積極的な設備投資を賄える体制が整っています。
■ 中期財務方針(成長性・収益性・効率性のバランス)
同社は中期の財務ターゲットとして以下の3指標で 「30%前後」 を目安に設定しています:
- 成長性 :売上・営業利益CAGR 30%前後
- 収益性 :営業利益率 30%前後 (先行投資期でも下限25%でコントロール)
- 効率性 :ROE 30%前後
■ 株主優待制度の新設
個人投資家層の拡大と長期保有促進を目的に、 株主優待制度の導入 を発表しました。2027年1月末日時点の株主を初回基準日とし、100株以上を保有する株主に対して、保有年数に応じた「限定オリジナルグッズ」を贈呈する内容となっています。配当等の株主還元についても、資本効率と成長投資のバランスを見極めつつ適切なタイミングでの実施を検討していく方針です。
6. 総括と今後の注目ポイント
HUMAN MADEの2027年1月期第2四半期決算は、既存事業の高い収益性とブランドロイヤリティを証明しつつ、通期予想の上方修正を果たす極めてポジティブな内容となりました。
今後の注目点としては、 ① 原宿旗艦店「HUMAN MADE TOKYO」のオープン後の立ち上がり状況 、② 3Q・4Qにおける一過性費用を吸収した利益創出ペース 、③ 2028年1月期からの本格展開に向けたNY・上海直営店の準備進捗 が挙げられます。世界的なIPブランドとしての地位確立に向けたロードマップが着実に実行されています。
個別の投資に関する推奨やアドバイスを提供することを意図しておりません。ここで述べられている意見や見解は、あくまでも各記事の個人的見解です。