
ヘルスケアREIT、割高感に注意
Seeking Alpha
公開日時: 2026/09/09 11:05
Sentiment Analysis
2024年の新規株式公開(IPO)以降、株価が4.5倍に急騰したアメリカン・ヘルスケアREIT(AHR)について、一部アナリストは割高感があると指摘しています。同社は積極的な株式発行と買収を通じてポートフォリオを拡大してきましたが、特に専門的看護施設(SNF)への依存度が高く、資産の質やEBITDAR(利払い・税引き・減価償却前利益・賃貸人報酬前利益)カバレッジが競合他社に比べてやや見劣りするとの見方が出ています。
現在、2027年予想FFO(不動産投資信託の運用収益)の25.5倍というバリュエーションは割高であり、株価の上昇ペースに成長が追いついていないと分析されています。アナリストは、ジャナス(JAN)のような競合と比較して、AHRの株価は20倍程度の水準まで下落した場合に魅力的になると見ています。
アメリカン・ヘルスケアREITは、多くの大手ヘルスケアREITと同様に、専門的看護施設(SNF)、医療オフィスビル(MOB)、シニアハウジング(SH)など、多様なポートフォリオを保有しています。このうち、ポートフォリオの69%をSNFが占めています。
資産の質について、高級志向と資産の質を混同すべきではありませんが、RevPOR(客室1室あたりの収益)のような指標は保有資産の種類をある程度示唆します。アメリカン・ヘルスケアREITのシニアハウジング運営物件は、ウェルタワー(WELL)やジャナス・リビング(JAN)の物件と比較して、ややグレードが低いとされています。ただし、これは相対的な比較であり、アメリカン・ヘルスケアREITの資産は全国平均とおおむね同水準です。ジャナスの資産は、特に保証金コミュニティにおいて、非常に高級志向である点が特徴です。
同社のトリプルネットリース(テナントが固定資産税、保険料、維持管理費を負担する契約形態)ポートフォリオについては、EBITDARカバレッジに懸念があります。アメリカン・ヘルスケアREITのシニアハウジングのEBITDARカバレッジは平均1.10倍であるのに対し、ウェルタワーは1.23倍です。ジャナスはシニアハウジング専業のため比較対象となるトリプルネットの数値はありません。アメリカン・ヘルスケアREITの一部の病院やSNFでも、カバレッジが懸念されるほど低いケースが見られます。ただし、トリプルネットセグメントは収益全体に占める割合は比較的小さいです。
バランスシートに関しては、同社の負債比率は低く、金利も低いため、良好な状態を維持しています。これは、NAV(不動産鑑定価値)を大幅に上回る価格で株式を発行できる市場環境が、良好なバランスシート構築を容易にしているためと考えられます。ジャナスやウェルタワーも同様に、市場からの資金調達に恵まれています。
株価チャートを見ると、アメリカン・ヘルスケアREITは2020年のIPO以来、一貫して上昇し続けているように見えます。しかし、大規模な合併やIPOは過去の経緯を不明瞭にすることがあります。2024年以前の株価の動きは、現在のチャートからは読み取れません。ヘルスケアREIT全般、特にシニアハウジング分野は、大きな価格変動を経験してきました。例えば、ベンタス(VNT)の株価は2020年から2021年にかけて大きく下落しました。この時期、シニアハウジングの稼働率は急落し、関連REITも同様に下落しました。
したがって、IPO後の限られた期間だけを見ると、アメリカン・ヘルスケアREITは驚くほど堅調に見えますが、客観的に見れば、これはV字回復の好調な局面であったに過ぎません。まだ上場していませんでしたが、アメリカン・ヘルスケアREITはV字回復の下降局面も経験していました。同社は、グリフィン・アメリカ・ヘルスケアREIT IIIおよびIVの合併によって設立されており、これらの企業は当時、株価が大幅に下落していました。
Source: Seeking Alpha
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