
チポトレ、韓国でアジア戦略を始動
CNBC
公開日時: 2026/09/09 05:15
米国の人気メキシコ料理チェーン、チポトレ・メキシカン・グリル(CMG)が、アジア市場への本格進出に向けた第一歩を踏み出した。9月初旬、韓国のソウル・江南(カンナム)地区に同社初のアジア店舗をオープンしたところ、連日長蛇の列ができ、韓国のソーシャルメディアで大きな話題となっている。
この江南店のオープンは、チポトレにとって初めての海外展開における合弁事業(ジョイントベンチャー)という点でも注目されている。チポトレのネイサン・ロートン最高事業開発責任者は、この合弁事業を「グローバル成長戦略における重要な進化」と位置づけている。同氏は、新しい市場への参入に「万能なアプローチはない」としつつ、韓国の食品会社サンミダン・ホールディングスとの提携について、サンミダンが持つ現地の市場知識、運営インフラ、そしてアジアでのレストランブランド拡大経験が、チポトレにとって大きな強みになると説明した。サンミダンは、以前にも「シェイク・シャック」を韓国に導入した実績がある。
韓国のパートナー企業によると、合弁会社「S&Cレストランツ・ホールディングス」は、サンミダンの関連会社であるビッグ・バイト・カンパニーが51%、チポトレが残りの49%を出資している。チポトレは既にカナダや欧州で事業を展開しており、中東やメキシコでもパートナーシップを通じて拡大を進めている。
ロートン氏は、韓国での取り組みは単にレストランを開設するだけでなく、「チポトレが新しい地域に進出し、最終的に事業を拡大していくためのモデルを構築する」試みであると強調。「韓国での成功の真の尺度は、単一のレストランの業績ではなく、再現可能で拡張可能なモデルを構築できるかどうかにかかっている」と語った。
韓国の消費者の間では、メキシコ料理への関心が比較的高い。市場調査会社ミンテルの分析によると、韓国の消費者の42%が過去3ヶ月以内にメキシコ料理を食べた経験があり、さらに37%は最近食べていないものの、食べることに興味を示している。
ミンテルのヘン・ホン・タン氏は、韓国とチポトレが次に進出を予定しているシンガポールは、消費者が「海外旅行経験が豊富で、グローバルにつながっており、国際的な料理を受け入れやすい」ため、国際的なカジュアルダイニングブランドにとって有利な条件を備えていると指摘する。
ただし、チポトレが市場を独占できるわけではない。韓国には既に「クチャラ」のようなメキシコ風のカジュアルダイニングチェーンが存在し、シンガポールにも「グスマン・イ・ゴメス」や「スタッフド」といった既存の競合がいる。
アジアでの事業拡大には、現地でのインフラ構築も不可欠だ。チポトレとサンミダンは、同社の世界的な品質基準を満たすサプライチェーンを韓国で構築した。ビッグ・バイトは、既に品質と信頼性を評価済みのサプライヤーや農場を活用し、SPCグループ(サンミダンの親会社)の調達・加工インフラを利用して、現地のサプライチェーンを整備した。
チポトレは、韓国での展開と並行して、アジア展開の次の段階も準備している。合弁パートナーは、シンガポールへの進出を2027年前半に目標としていることを明らかにした。具体的な時期や場所はまだ確定していない。
ロートン氏はシンガポールについて、「チポトレにとってアジアにおける自然な次のステップ」と述べ、グローバルブランドに馴染みのある消費者が多い、非常に国際的な市場だと説明した。一方で、シンガポールのレストラン市場は、賃料、人件費、エネルギーコストの上昇といった、収益性を圧迫する課題も抱えている。
チポトレは、韓国とシンガポールに続くアジア市場についてはまだ発表しておらず、まずは現時点でコミットしている市場での実行に注力する方針だ。
タン氏は、アジアの多くの市場では、消費者が新しい味やレストランのコンセプトを試す意欲が高く、ブランドが認知度やトライアルを迅速に獲得できる機会があると分析。最終的には、「国際的な魅力を持ちつつ、現地のニーズにも応えられるブランド」が、アジアでの長期的な成長において最も有利な立場にあるだろうと付け加えた。
Source: CNBC
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