
S&P500決算、見かけより実態は弱い可能性
Seeking Alpha
公開日時: 2026/09/07 16:05
S&P500企業の第2四半期決算は表面上、非常に好調に見えますが、詳細を分析すると、一部の非経常的・非営業的な要因が利益成長を押し上げていることが明らかになりました。特にAlphabet(GOOGL)とAmazon(AMZN)のケースでは、投資評価益が報告利益を大きく膨らませており、実態の営業利益よりも大幅に高い1株当たり利益(EPS)となっています。
このような利益の歪みは、GAAP(一般に公正妥当と認められた会計原則)と非GAAP(Non-GAAP)の調整、株式報酬、関税還付、その他の特別損益など、四半期決算を実態以上に良く見せる要因として、他の企業にも見られます。これは、S&P500指数が既に長期平均を上回るバリュエーション(株価評価)で取引されている現状において、重要な意味を持ちます。もし、実態の利益が表面上の数字よりも低い場合、市場は実際よりも割高である可能性が指摘されています。
FactSetの最近のレポートによると、S&P500企業の88%が第2四半期決算を発表し、そのうち77%がアナリスト予想を上回る利益を報告しました。これは過去10年で2番目に高い割合です。また、売上高についても、67%の企業が予想を上回りました。これらの数字だけを見ると、S&P500の利益成長率は前年同期比で約10%増となり、力強い回復を示しているように見えます。
しかし、Agar Capitalは、この好調な決算数字の裏には、実態の収益力を測る上で注意が必要な要因が複数含まれていると分析しています。例えば、Alphabetは、保有するスタートアップ企業への投資評価益が約260億ドル(約3兆6000億円)計上され、これが純利益を大幅に押し上げました。Amazonも同様に、Rivian Automotiveへの投資評価益が約12億ドル(約1600億円)計上され、利益を押し上げました。これらの投資評価益は、企業の事業活動から直接生み出されたものではなく、市場の変動に左右される一時的なものです。
さらに、多くの企業で非GAAPベースの利益がGAAPベースの利益よりも大幅に高いという傾向が見られます。これは、株式報酬費用や、買収に関連する無形資産の償却費などが、非GAAP計算から除外されているためです。例えば、株式報酬は、従業員へのインセンティブとして広く用いられていますが、企業の希薄化要因となり、実質的なコストと見なすこともできます。これらの調整項目を考慮すると、企業の真の収益力は、表面上のEPSよりも低い可能性があります。
Agar Capitalは、これらの非経常的要因や会計上の調整を除いた「実態の利益」が、市場の評価においてより重要であると強調しています。現在のS&P500の株価収益率(PER)は、長期平均を上回る水準にあります。もし、実態の利益が表面上の数字よりも低いとすれば、市場はアナリストが期待するほど割安ではなく、むしろ割高である可能性も否定できません。
投資家は、決算発表の数字を鵜呑みにせず、非経常的な損益や会計上の調整項目を注意深く分析し、企業の持続的な収益力を評価することが求められています。
Source: Seeking Alpha
個別の投資に関する推奨やアドバイスを提供することを意図しておりません。ここで述べられている意見や見解は、あくまでも各記事の個人的見解です。