
伊藤園 2027年4月期 第1四半期決算:連結営業利益+22.0%の増益を達成、海外展開と事業再編が寄与
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公開日時: 2026/09/01 09:51
Sentiment Analysis

1. 2027年4月期 第1四半期 決算ハイライト
伊藤園の2027年4月期 第1四半期(2026年5月〜7月)の連結業績は、 売上高1,351億8,000万円(前年同期比3.3%増) 、営業利益102億円(同22.0%増) 、経常利益101億2,200万円(同13.4%増) 、親会社株主に帰属する四半期純利益65億5,900万円(同14.8%増) となり、増収・大幅増益を達成しました。

上記の実績比較スライドに示されている通り、連結売上総利益率は37.2%と前年同期比で0.1ポイント改善し、売上高販管費率は29.6%(同1.1ポイント低下)へと抑制された結果、連結営業利益率は6.4%から 7.5%(1.2ポイント上昇) へと収益性が向上しています。
また、伊藤園グループ全体の収益構造において、単体とグループ各社のバランスに変化が見られます。売上高構成比では伊藤園単体が55%、国内外グループ会社計が45%を占め、営業利益構成比では伊藤園単体が65%、国内外グループ会社が35%を占める構造となっています。特に国内グループ会社の売上高が前年同期比61.6%増の500億2,600万円、営業利益が同52.2%増の21億7,000万円と大幅に伸長したほか、海外グループ会社も売上高216億2,800万円(同29.3%増)、営業利益13億3,500万円(同30.7%増)と力強く成長しています。
2. 連結営業利益の増減要因分析
第1四半期の連結営業利益が前年同期の83億円から102億円へと18億4,000万円(+22.0%)拡大した背景には、伊藤園単体におけるコスト構造改革とグループ会社の収益性改善があります。

営業利益の主な増減要因の内訳は以下の通りです:
- 伊藤園(単体)の要因 :
- 自動販売機事業再編に伴う影響 : 自動販売機事業の再編および伊藤園ネオスへの卸売取引の影響で粗利ベースでは▲69億円の影響が出たものの、販管費(管理費)の削減効果が+74億円発生し、ネットで +5億円の増益要因 となりました。
- 売上・製品構成の変化 : 売上増加や容器構成・製品構成の適正化により +16億円 のプラス影響。
- 前期減損に伴う減価償却費減少 : +6億円 のコスト圧縮効果。
- 原料・資材等の高騰 : 原材料・資材価格の上昇により ▲16億円 の減益要因。
- その他管理費の増加 : ▲3億円 。
- グループ会社の要因 :
- グループ会社全体(連結修正含む)で +15億円の増益寄与 (自動販売機事業再編に伴う影響▲5億円を含む)。
- タリーズコーヒージャパン(+0.5億円)、伊藤園ネオス(+6億円)、米国事業(+2億円)など主要各社が揃って利益成長に貢献しました。
3. 国内飲料市場動向と伊藤園単体の販売状況
国内飲料市場全体は、5月こそ好天・高気温により麦茶カテゴリーを中心に好調に推移したものの、6月は降水量の多い梅雨らしい天候や低温、7月は価格改定影響や梅雨前線・台風による日照不足の影響を受け、止渇需要が低調となりました。
こうした環境下における伊藤園単体の販売状況は以下の特徴を示しています:
- 飲料総販売数量 : 5,962万ケース(前年同期比3%減)。
- カテゴリー別動向 :
- 日本茶カテゴリー : 主力の緑茶が前年同期比9%減となったものの、 むぎ茶カテゴリーが1,570万ケース(前年同期比10%増) と大幅に伸長しました。むぎ茶の構成比は前年同期の23%から26%へと拡大しています。
- コーヒー飲料 : 552万ケース(前年同期比7%増)と堅調に推移。
- 野菜飲料・その他 : 野菜飲料は534万ケース(同7%減)、ミネラルウォーターは182万ケース(同8%減)。
- 無糖飲料比率 : 伊藤園単体の 無糖飲料比率は80%以上 を維持しており、健康志向の高まりに応える商品ポートフォリオが強みとなっています。
- チャネル別・形態別動向 : チャネル別ではEC等チャネルが前年同期比+4%と伸長。また、茶葉(リーフ)関連では 茶葉計が前年同期比+18% 、うちティーバッグが+15%と高い伸びを記録しました。
4. ブランド価値向上と商品ラインアップの多様化
伊藤園は中核ブランド「お〜いお茶」の価値向上と、多様化する消費者嗜好に対応した新製品展開を推進しています。
- 「日本茶」GI(地理的表示)の活用 : 2026年7月に農林水産省より「日本茶」がナショナルGIとして登録されたことを受け、伊藤園は1976年から続く茶産地育成事業と「純国産茶葉100%」へのこだわりを強みに、「お〜いお茶」ブランドに「日本茶」GIマークを表示(受理製第1号として順次展開)。日本茶の品質基準と価値の認知拡大を図っています。
- 多様なニーズに応える茶系ラインアップ :
- 「お〜いお茶 PURE」シリーズ : 新たな味わい提案により、ドリンク製品数量ベースで 前年比+67% と急成長。9月には「YUZU GREEN 600ml」を追加投入。
- 健康ミネラルむぎ茶 : 麦茶飲料の国内販売金額シェアNo.1およびギネス世界記録認定ブランドとして、 前年比+10% と拡大を牽引。
- 黒豆茶 : 健康志向の女性層を中心に支持を集め、 前年比+52% と大幅成長。
- ヘルシールイボスティー : 美容・健康ニーズに応え、 前年比+30% の伸長。
5. 海外事業の成長動向
伊藤園グループは「世界のティーカンパニー」を目指し、海外市場での「お〜いお茶」のブランド展開を加速させています。

海外における第1四半期の「お〜いお茶」販売数量は、 飲料全体で前年同期比25%増 、ティーバッグ全体で前年同期比13%増 と極めて高い成長を記録しました。
- 地域別飲料販売数量 :
- 北米事業 : 前年同期比 +13%
- ASEAN事業 : 前年同期比 +16%
- その他地域 : 前年同期比 +45%
- 地域別ティーバッグ販売数量 :
- 北米事業 : 前年同期比 +11%
- ASEAN事業 : 前年同期比▲7%
- その他地域 : 前年同期比 +44%
北米や欧州・オセアニアを含むその他地域での販売拡大が全体を力強く牽引しており、グローバル市場における緑茶・無糖茶飲料の浸透が進んでいます。
6. 主なグループ会社の動向
- タリーズコーヒージャパン : 売上高125億6,400万円(前年同期比9.2%増)、営業利益9億9,100万円(同5.7%増)と増収増益を維持。
- 伊藤園ネオス : 自動販売機事業の再編に伴い、売上高156億6,300万円(前年同期比149.7%増)、営業利益5億9,000万円(前年同期は▲8,900万円の損失)と大幅な増収および黒字転換を達成。
- 米国事業(ITO EN (North America) INC. + ITO EN (Hawaii) LLC) : 売上高193億5,000万円(前年同期比30.0%増、ドルベースで1億2,040万ドル・同17.6%増)、営業利益9億7,000万円(同37.9%増、ドルベースで603万ドル・同24.7%増)と現地通貨ベースでも大幅な増収増益。
7. 2027年4月期 通期連結計画と進捗
通期の連結業績予想は以下の通り公表されています:
- 売上高 : 5,000億円(前期比0.4%増)
- 営業利益 : 200億円(前期比7.8%減)
- 経常利益 : 205億円(前期比11.9%減)
- 親会社株主に帰属する当期純利益 : 114億3,000万円(前期比229.7%増)
第1四半期時点での通期計画に対する進捗率は、 売上高で27.0% 、営業利益で51.0% となっており、特に利益面において順調な進捗を見せています。下期に向けては原材料・物流コストの動向や天候リスクを注視しつつ、国内外での高付加価値商品の展開およびグループシナジーの追求が継続される見通しです。
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