
金価格、インフレ懸念と地政学リスクで下落
Forbes
公開日時: 2026/08/31 15:25
金(ゴールド)の価格が、週末にかけての連邦準備制度理事会(FRB)高官の発言とイラン情勢の緊迫化を受けて、週明けの取引でさらに下落しました。金先物価格は、月曜日のニューヨーク時間午前10時過ぎに1トロイオンスあたり約4,475ドルとなり、前週末の終値から1%以上値下がりしました。早朝には一時4,445.60ドルまで下落する場面もありました。
先週金曜日には、金価格は3%以上下落し、これは11週間ぶりの大きな下げ幅となりました。8月を通して上昇基調にあった金の勢いを止める形となりました。アナリストらは、この下落の主な要因として、FRBのケビン・ウォーシュ理事によるインフレ抑制に向けたFRBの行動を促す発言を挙げています。
サクソバンクのコモディティ戦略責任者、オーレ・S・ハンセン氏は、ウォーシュ理事の「タカ派的(金融引き締め寄りの姿勢)」な発言が、中央銀行による早期の利上げ観測を高め、金属価格の下落につながったと指摘しています。アクティバトレーズのシニアアナリスト、リカルド・エバンジェリスタ氏も、ウォーシュ理事の発言が下落の一因であるとしつつ、「米・イラン間の緊張再燃がインフレ懸念を増幅させ、年末までのFRBによる利上げ期待を高めている」と付け加えています。
週末には、米国とイランの間で数週間ぶりに武力衝突が発生し、原油価格が急騰しました。一般的に、イラン情勢が緊迫すると原油価格は上昇し、金などの貴金属価格は下落する傾向があります。
銀の価格も同様に下落しており、月曜日のニューヨーク時間午前10時過ぎには1トロイオンスあたり約66ドルと、約1%下落しています。金と同様に、先週末のウォーシュ理事の発言を受けて、それまでの約71ドルから値を下げていました。
8月の金価格上昇の背景
先週の下落前、金価格は8月を通して顕著な上昇トレンドにありました。月初めには、米国財務省が長期国債の買い戻しを強化すると発表し、これが金価格を押し上げたとアナリストは見ていました。また、先週にはドル安も追い風となり、金価格は15週ぶりの高値を付けていました。
FRBの利上げ時期は?
ウォーシュ理事の発言以降、FRBが年内に利上げを実施するとの観測が高まっています。CMEグループの「FedWatch」ツールによると、9月のFOMC(連邦公開市場委員会)での利上げ確率は63.9%に上昇しました。ウォーシュ理事の発言前は、9月の利上げ確率は約36%でした。10月または12月の利上げ確率はさらに高く、それぞれ72.9%、87.7%となっています。
今後の注目材料
今週発表されるいくつかの重要な経済指標が、金および銀の価格に影響を与える可能性があります。水曜日にはADP全米雇用報告、金曜日には労働省が発表する月次雇用統計が予定されています。
過去の背景
金と銀の価格は、今年初めに記録した歴史的な高値から下落しています。これらの金属は、国際的な緊張、利下げ、ハイテク産業からの需要、そしてトランプ政権による関税などが要因となり、数ヶ月にわたるラリー(上昇相場)を記録していました。1月には、金価格は5,600ドル、銀価格は121ドルまで急騰しましたが、トランプ大統領がウォーシュ氏をFRB議長に指名したことで、アナリストが金融政策にタカ派的とみなしていたことから、1月下旬に急落しました。イラン情勢が緊迫して以降、金属価格は概して下落傾向にあります。
Source: Forbes
個別の投資に関する推奨やアドバイスを提供することを意図しておりません。ここで述べられている意見や見解は、あくまでも各記事の個人的見解です。