
テラプローブ(6627)2026年12月期 第2四半期決算ディープダイブ:データセンタ向け先端需要と台湾新工場が牽引する高成長軌道
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公開日時: 2026/08/20 09:57
Sentiment Analysis

1. 2026年12月期 第2四半期 決算概要
株式会社テラプローブ(6627)の 2026年12月期 第2四半期(2Q単体) の業績は、売上高が 145.9億円(前四半期比+15%) 、営業利益が 40.0億円(前四半期比+25%) 、経常利益が 39.2億円(前四半期比+20%) 、親会社株主に帰属する当期純利益が 15.6億円(前四半期比+34%) となり、前四半期に続き大幅な増収増益を達成しました。営業利益率は前四半期の25.2%から 27.4% へと2.2ポイント上昇しています。
また、期初公表の2Q会社予想(売上高135.8億円、営業利益33.9億円)に対しても、売上高で +7%(+10.1億円) 、営業利益で +18%(+6.1億円) 上振れて着地しました。この上振れの主因は、AI向けを中心とする データセンタ向けプロセッサーの生産数量が想定を上回ったこと および 新規顧客の量産開始 、さらに為替レートが想定より円安(実績1ドル=158.82円、想定157.80円)に推移したことが挙げられます。
2026年12月期 上半期(1H累計)の業績進捗
上半期累計(1H)の実績では、前年同期比での力強い成長がより鮮明に表れています。
- 売上高 : 273.1億円(前年同期比+44%)
- 売上総利益 : 88.8億円(前年同期比+75%、粗利率32.5%)
- 営業利益 : 72.1億円(前年同期比+94%、営業利益率26.4%)
- 経常利益 : 71.8億円(前年同期比+108%)
- 親会社株主に帰属する当期純利益 : 27.2億円(前年同期比+110%)
先端分野向けの旺盛な需要を背景に、売上規模が前年同期から大幅に拡大し、利益面では前年同期比でおよそ2倍の伸びを記録しています。
2. 収益性向上と製品・アプリケーション別動向
同社の四半期ごとの業績推移を確認すると、トップラインの成長とともに利益率の構造的な向上が確認できます。

スライド解説:営業利益率27%超への構造的シフト
上記のスライド(8ページ)は、2022年1Qから2026年2Qまでの連結売上高・営業利益・営業利益率の四半期推移を示しています。注目すべき点は以下の通りです。
- 売上高の連続拡大 : 2024年4Qの90億円を底に、92億円(25年1Q)→98億円(2Q)→108億円(3Q)→119億円(4Q)→127億円(26年1Q)→ 146億円(2Q) と四半期ベースでの最高売上を連続更新しています。
- 営業利益率の急改善 : かつて16〜21%台で推移していた営業利益率は、先端分野の売上構成比上昇に伴い、2025年4Qに24.6%、2026年1Qに25.2%、 2026年2Qには四半期最高となる27.4% に達しました。
営業利益増減要因の構造(1H累計 YoY)
上半期の営業利益増減要因(前年同期差+34.9億円)を分解すると、先端設備投資に伴う 減価償却費の増加(-26.2億円) 、人員増に伴う 人件費の増加(-9.9億円) 、台湾の夏季割増電力料金等を含む 用動力費の増加(-5.4億円) などのコスト増が発生しているものの、それを大幅に上回る 売上高増加(+82.9億円) によって吸収し、営業増益率+94%を実現しています。
アプリケーション別・製品別の需要環境
- データセンタ向け : 生成AIやクラウド需要の加速を受け、プロセッサー向けのウエハテスト受託が急拡大。売上構成比は2025年1Qの24%(22億円)から 2026年2Qには32%(47億円) へと急伸し、同社の最大の成長牽引役となっています。
- 車載向け : 顧客ごとの増減はあるものの、EV(電気自動車)向け製品の寄与などを含めて全体としては安定基調を維持。売上高は57億円、構成比は 39% を占め、収益の強固な基盤を形成しています。
- ロジック/メモリ別構成 : ロジック(SoC/MCU/CIS等)が売上全体の 84%(123億円) を占め、テスト単価・利益率の高い先端ロジック製品へのシフトが進んでいます。
3. 下期見通しと通期業績予想
同社は下期(3Q・4Q)についてもデータセンタ向けプロセッサーの旺盛な需要が継続すると見込んでおり、通期で過去最高業績を大幅に更新する計画を提示しています。

スライド解説:3Q・4Qの継続伸長と通期大幅増収増益計画
上記のスライド(14ページ)は、四半期別の実績と下期予想、および通期連結業績見通しを示しています。
- 四半期ごとの成長継続 : 3Q予想は売上高154.9億円(QoQ +6%)、営業利益42.9億円(QoQ +7%)、4Q予想は売上高163.0億円(QoQ +5%)、営業利益48.0億円(QoQ +12%)と、右肩上がりの成長が続く前提です。4Qの営業利益率は 29.4% を見込んでいます。
- 通期予想の規模感 :
- 売上高 : 591.0億円(前期比+42% / +173.5億円)
- 営業利益 : 163.0億円(前期比+83% / +74.1億円)
- 経常利益 : 161.0億円(前期比+84% / +73.5億円)
- 親会社株主に帰属する当期純利益 : 60.0億円(前期比+78% / +26.3億円)
- 前提為替レート : 8月以降の想定為替レートは1米ドル=160.00円、1台湾ドル=4.90円に設定されています。
4. 成長戦略・設備投資と事業基盤の強化
先端半導体テストの需要拡大に対応するため、同社は積極的な設備投資と生産拠点の拡充を進めています。

スライド解説:台湾子会社(TPW)における生産拠点の大幅拡張
上記のスライド(18ページ)は、受託需要の急増に応えるための台湾子会社「TeraPower Technology Inc.(TPW)」における生産拠点拡張の具体策を示しています。
- 新工場の取得 : DARWIN PRECISIONS CORPORATIONより土地(8,328㎡)および建屋(延床面積 20,221㎡ )を取得(2026年1月取得完了、投資額約86億円)。
- 生産フロアの賃借 : 親会社であるPowertech Technology Inc.(PTI)から第3工場-Bの2F生産フロア( 2,638㎡ )を賃借。
- 立地優位性 : 新竹サイエンスパークから約15分、台中サイエンスパークから約1時間という台湾半導体サプライチェーンの結節点に位置し、顧客ニーズへ迅速に対応可能な体制を整備しています。
設備投資と減価償却費の推移
- 設備投資額 : 2026年1QはTPW新工場取得(約86億円)を含め169億円、2Qは71億円を実施。下期予想は3Qに117億円、4Qに209億円と、通期で高水準の投資を継続し、装置の長いリードタイムを見越したキャパシティ確保を先行させています。
- 減価償却費 : 先端テスタ導入に伴い四半期ごとに増加(26年1Q: 43億円 → 2Q: 47億円 → 3Q予想: 49億円 → 4Q予想: 53億円)する見込みですが、高い売上成長により十分なマージンを確保しています。
5. その他の重要トピックス
① 株式分割の実施(1株につき5株)
株式の市場流動性の向上および投資家層の拡大を目的として、 2026年9月30日を基準日(効力発生日:2026年10月1日)として「1株につき5株」の株式分割 を実施することが決定されました。これにより発行済み株式総数は9,282,500株から 46,412,500株 に増加します。
② 熊本地震の影響と九州事業所の現況
九州事業所(熊本県芦北町)において地震が発生したものの、従業員の人的被害はなく、建屋およびインフラへの被害も発生しませんでした。生産設備・治工具等の一部被害に対して修理対応を進め、 7月31日より段階的に稼働を再開 しています。同事業所は新耐震基準に基づく設計、切土造成の強固な地盤、海抜45mの高台に位置しており、立地環境の安定性が操業継続を支えています。
③ 財務体質の推移
先端テスタ投資に伴い、2026年6月末時点の有形固定資産は861億円(前年末比+170億円)、有利子負債は403億円(同+104億円)と増加していますが、純資産も643億円(同+44億円)へ拡大し、自己資本を維持しながら成長投資を進めています。
個別の投資に関する推奨やアドバイスを提供することを意図しておりません。ここで述べられている意見や見解は、あくまでも各記事の個人的見解です。