
Waqoo(4937)2026年9月期 第3四半期決算ディープダイブ:事業構造転換が結実し今期2度目の上方修正、営業利益は前期比3.7倍の5.6億円へ急拡大
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公開日時: 2026/08/20 09:55
Sentiment Analysis

1. エグゼクティブ・サマリー:D2Cから再生医療メディカルサポートへの構造転換が完了
株式会社Waqoo(以下「同社」)は、2026年9月期第3四半期(2025年10月〜2026年6月)の決算を発表し、 売上高・各段階利益ともに劇的な成長と収益性の向上 を示しました。同社は2023年12月以降、従来の「D2C事業単一モデル」から、再生医療領域を中心とする「メディカルサポート事業」への事業ポートフォリオの大規模な組み替えを推進してきました。
当第3四半期においては、筆頭株主である SBCメディカルグループとの資本業務提携シナジーが本格化 したことに加え、主力サービスである血液由来加工サービス「PDF-FD」の提携医院数および稼働率が急伸しました。これにより、同社は 今期2度目となる通期業績予想の上方修正 を発表し、通期の営業利益予想を期初予想の約1.8倍となる 5億6,000万円(前期比3.7倍、営業利益率20.4%) へと大幅に引き上げました。
2. 2026年9月期 第3四半期 連結業績の実績分析
前年同期の赤字から一転、営業利益4.15億円の大幅黒字転換
当第3四半期累計の連結業績は、売上高が 20億3,900万円(前年同期比+54.9%) 、営業利益が 4億1,500万円(前年同期は3,200万円の営業損失から4億4,800万円の改善) 、経常利益が 4億900万円(前年同期は3,300万円の損失) 、親会社株主に帰属する四半期純利益が 3億9,200万円(前年同期は6,100万円の損失) と、全ての利益指標で急激な反転・増益を達成しました。

スライド解説:第3四半期単体で営業利益率30.7%を記録
スライド16に示されている通り、第3四半期(4-6月)単体の業績を見ると、売上高 9億500万円(前四半期比+24.8%) に対し、営業利益は 2億7,700万円(前四半期比+61.5%) 、四半期営業利益率は30.7% に達しています。 この高い収益性の背景には、限界利益率の高いメディカルサポート事業の売上構成比が急拡大したこと、ならびに販管費の伸びを売上総利益の拡大ペースが大きく上回る 「オペレーティング・レバレッジ」が強力に機能している 実態があります。EBITDAマージンも第3四半期単体で 34.5% を記録しており、キャッシュ創出力が飛躍的に高まっています。
3. 今期2度目の上方修正:通期営業利益は前期比3.7倍へ
同社は5月時点での業績予想修正に続き、今回さらに通期業績予想を引き上げました。事業構造の転換とSBCメディカルグループとの協業立ち上がりが期初想定を大幅に前倒しで進捗していることが要因です。

スライド解説:収益体質の劇的変化を示す上方修正の軌跡
スライド6の比較表が示すように、期初時点で売上高23億4,500万円・営業利益3億400万円(営業利益率13.0%)と見込んでいた計画は、今回の2度目の修正により、 売上高27億5,000万円・営業利益5億6,000万円(営業利益率20.4%) へと拡大しました。 前期実績(営業利益1億5,000万円)と比較すると、 営業利益は実に3.7倍の水準 となります。当期純利益も期初予想1億8,400万円から 4億1,000万円(+122.0%増) へと大幅上方修正され、修正後予想に対する第3四半期時点の純利益進捗率は 95.8% に達しています。
4. セグメント別パフォーマンスと事業モデルの変革
(1) メディカルサポート事業:売上構成比64%を占める中核ドライバー
- 売上高 : 3Q累計 13億1,200万円(前年同期比+128.5%)
- セグメント利益 : 3Q累計 3億3,000万円超 (3Q単四半期で2億4,400万円、YoY+903.7%)
主力の血液由来加工受託サービス「PDF-FD(Plasma Derived Factor-Freeze Dry:血漿由来因子治療)」が、整形外科(ひざの痛み等)や形成外科・美容領域(毛髪の悩み等)において国立病院を含む医療機関への導入を加速させています。医療機関との継続取引に基づく ストック型収益モデル が強固に確立されており、四半期を追うごとに利益率が向上する年次サイクルを形成しています。
(2) D2C事業:キャッシュ創出機能への再定義と高収益化
- 売上高 : 3Q累計 5億4,300万円(前年同期比△26.0%)
- セグメント利益 : 3Q単体 7,400万円(前年同期比ほぼ横ばいの高水準維持)
従来の拡大路線から方針を転換し、広告投資を抑制して既存顧客へのLTV最大化と業務効率化を徹底しました。これにより、トップラインは減少したものの、 安定した営業キャッシュ・フローを生み出す「収益性重視の事業運営」 が定着しています。
(3) その他・海外事業:プラットフォーム型収益モデルの拡張
- 売上高 : 3Q累計 1億8,200万円 (3Q単四半期で5,700万円・営業利益3,100万円)
提携医院のニーズに基づき、海外の先進的な医療製品・技術の紹介および導入を支援するビジネスモデルを展開しています。海外メーカーとの早期提携による先行者利益と、既存の医療機関ネットワークを活用した横展開により、高利益率な新規収益源として寄与し始めています。
5. 主要KPIの推移:ネットワーク効果と稼働率の同時上昇
メディカルサポート事業の収益基盤を支えるKPIは、 「提携医院数」と「1日あたり平均受託件数(稼働率)」の掛け算 で構成されています。

スライド解説:KPIの持続的拡大が証明するストック型成長
スライド27は、同社の事業基盤の厚みが増していることを端的に示しています。
- 提携医院数(累計) : 2026年9月期3Q末で 844院(前年同期比+135.0%) に達し、着実に全国のクリニック・病院網を拡大しています。
- 1日あたり平均加工受託件数 : 前四半期の26.7件から 29.3件(前年同期比+137.6%) へと過去最高値を連続更新しました。
新規契約から活用支援までを一貫して行う「ワンストップ型営業」の浸透により、導入後のアクティブ率と1院あたり受託数が増加しており、累計加工受託件数は 21,818件(前年同期比+163.7%) と2万件の大台を突破しました。
6. 財務健全性の急速な改善と株主還元施策
利益剰余金がプラス転換、自己資本比率は67.8%へ上昇
収益構造の転換に伴い、バランスシートも劇的に改善しています。
- 総資産 : 36億8,300万円(前期末比+4億8,400万円)
- 純資産 : 25億1,100万円(前期末比+4億2,000万円)
- 自己資本比率 : 67.8% (前期末比+2.7pt)
- 利益剰余金 : 前期末の△3億3,800万円の欠損状態から、当3Q末には +5,400万円へと黒字転換 を達成しました。
株主優待制度の初導入
SBCメディカルグループとの資本業務提携深化の一環として、 株主優待制度を初導入 しました。100株(1単元)以上を保有する株主に対し、全国146院のSBC湘南美容クリニックで利用できる「10% OFFクーポン」を贈呈します。これは株主への利益還元にとどまらず、 提携先クリニックへの送客・自社商品サービスの利用促進を通じた企業収益向上にも直結する循環型設計 となっています。
7. 中長期の成長ストーリーと展望
同社は、自家細胞を用いた現在のPDF-FD受託加工事業から、将来的には 他家細胞を用いた再生医療製品の量産化・低コスト化 を見据えています。京都大学iPS細胞研究所との共同研究による認知症や糖尿病などの難治性疾患への挑戦、川上特許の出願(出願数20件)による技術的参入障壁の構築など、学術・臨床・知財・製造を一気通貫で回す体制を整えています。
足元の強固なキャッシュ創出力を研究開発と提携ネットワークの拡充に再投資することで、 再生医療を「期待」から「産業」へと昇華させる独自のポジショニング を確立しつつあります。
個別の投資に関する推奨やアドバイスを提供することを意図しておりません。ここで述べられている意見や見解は、あくまでも各記事の個人的見解です。