
竹本容器 2026年12月期第2四半期決算ディープダイブ:サステナビリティ容器の拡大とグローバル展開が牽引する収益性向上
StockClub
公開日時: 2026/08/20 09:54
Sentiment Analysis

1. 2026年12月期 第2四半期 連結業績ハイライト
竹本容器株式会社の2026年12月期第2四半期(累計)は、売上高が 77億39百万円(前年同期比5.9%増) 、営業利益が 6億64百万円(前年同期比32.8%増) 、経常利益が 6億61百万円(前年同期比25.3%増) 、親会社株主に帰属する四半期純利益が 4億88百万円(前年同期比22.5%増) となり、増収・大幅増益を達成しました。また、収益力の指標であるEBITDAは 11億58百万円(前年同期比17.6%増) に達しています。
以下のスライドは、第2四半期における主要財務数値および当初計画に対する進捗状況をまとめたハイライトです。

計画比での進捗と収益性の改善
このハイライトデータから確認できるように、売上高は期初計画比で 2億10百万円(▲2.6%) 下回ったものの、営業利益は計画比で +64百万円(+10.7%) 、経常利益は +41百万円(+6.6%) と計画を上回る着地となりました。
売上高営業利益率は前年同期の6.8%から 8.6%へと1.7ポイント上昇 (計画比でも+1.0ポイント)しており、高付加価値製品へのシフトや生産性向上施策、価格転嫁の進展が利益率の押し上げに寄与したことが示されています。また、設備投資額は前年同期の3億99百万円から 8億04百万円 へと大幅に増加しており、将来の成長に向けた積極的な金型投資および生産ラインの増強が進められています。
2. 営業利益の変動要因分析
前年同期の営業利益5億円から6億64百万円への 1億64百万円の増益要因 について、詳細なコスト構造の変動分析が行われています。

増益を牽引した主要要因とコスト圧力
この滝グラフが示す通り、最も大きなプラス要因は 売上高増加に伴う粗利増(+4億33百万円) でした。また、製商品仕入額の圧縮( +71百万円 )や、製商品在庫の増加による棚卸評価影響( +101百万円 )も利益を押し上げました。
一方で、以下のようなコスト上昇圧力が生じています:
- 原材料価格の高騰 :▲1億10百万円
- 労務費の増加(製造原価) :▲1億27百万円
- 原材料使用量の増加 :▲33百万円
- 販管費の増加 :運搬費(▲33百万円)、人件費(▲23百万円)、システム費(▲22百万円)など
世界的なインフレや人件費上昇、システム刷新に伴う先行投資が発生しているものの、売上拡大と付加価値向上によってこれらのコスト増を十分に吸収し、大幅な増益を達成する構造が確認できます。
3. 地域別セグメント動向
日本:主力スタンダードボトルの粗利改善と新規開拓
- 売上高 :56億88百万円(前年同期比0.8%増、営業利益:5億円・同23.0%増)
- 動向 :第1四半期の減収傾向から第2四半期で増収に転換しました。主要顧客との接触頻度向上やWebマーケティングを通じた製品紹介を強化したことで、 新規案件の売上高が増加 しました。リピート案件が微減となったものの、スタンダードボトルの売上構成比向上と粗利率改善が営業利益の大幅伸長(+23.0%)につながっています。
インド:市場の活況を捉え四半期ベースの過去最高を更新
- 売上高 :5億84百万円(前年同期比46.1%増)
- 動向 :化粧品市場全体の活況に加え、竹本容器が強みとするデザイン性と品質の高さが評価され、 新規取引顧客数が大幅に拡大 しました。需要急増に対応するため、自社設備の増強投資を継続し、供給体制の拡充を進めています。
中国:売上増も原材料高騰により一時的な赤字
- 売上高 :14億83百万円(前年同期比20.3%増、現地通貨ベース+6.6%増)
- 動向 :消費者の節約志向や競合激化が続く中、化粧品向けを中心に営業活動を強化し増収を確保しました。生産現場での自動化・省力化ラインを導入し原価低減に努めたものの、 原材料価格の上昇 が響き、営業損益は7百万円の赤字(前年同期は21百万円の黒字)となりました。
4. 財務基盤と株主還元(DOE 4.0%目途の継続)
キャッシュ・フローと財務体質
- 営業キャッシュ・フロー :+4億91百万円 (前年同期比+2億43百万円の改善)。税金等調整前四半期純利益(6億69百万円)および減価償却費(4億94百万円)の計上により安定した資金を創出。
- 投資キャッシュ・フロー :▲6億68百万円 。国内外での金型・機械設備取得など固定資産投資を継続。
- 財務キャッシュ・フロー :▲4億49百万円 。長期借入金の返済(▲2億32百万円)および配当金支払い(▲2億17百万円)。
- 現預金残高 :期末残高は 37億30百万円 を維持しており、健全な財務体質を保持しています。
配当政策
株主資本配当率(DOE) 4.0%を目途 とする方針を継続しています。2026年12月期は、中間配当を1株当たり 19円00銭 (前年同期は18円)、期末配当も 19円00銭 を予定し、年間配当は 38円00銭(配当性向50.9%) を計画しています。
5. 中長期成長戦略:「資源循環型パッケージングカンパニー」への進化
同社は2030年ビジョンとして 「資源循環型パッケージングカンパニー」 を掲げ、環境配慮型容器の市場シェア拡大を最重要戦略と位置づけています。

資源循環型製品の成長軌道とKPI目標
上記のスライドは、同社の環境対応製品(バイオマス樹脂、リサイクル樹脂、軽量化・詰替え容器等)の売上高と売上占有率の推移および2028年までの中期数値目標を示しています。
- 2026年2Q実績 :資源循環型パッケージング売上高は 10億41百万円(前年同期比21.4%増) 、サステナ占有率は 13.5% へ伸長。
- 2026年年間計画 :売上高 25.0億円 、占有率 15.8% を目指す。
- 2028年長期目標 :2028年までに連結売上高の 1/4程度(占有率22.7%、売上高約40億円超) まで引き上げる計画。
ビジョン実現に向けた3つの重点テーマ
- Materials(素材・仕様の革新) :バイオマス素材、ポストインダストリアルリサイクル(PIR)素材、生分解性プラスチックの採用や、軽量化・単一素材化(モノマテリアル)の推進。
- Recycle(水平リサイクルの確立) :化粧品容器のナノバブルインク除去技術を活用した洗浄・再利用や自治体・市場からの回収スキーム構築。
- Innovation(カーボンニュートラル) :製品カーボンフットプリント(CFP)の可視化とサプライチェーン全体のCO2削減。
組織構造改革と営業・開発プロセスの高度化
環境戦略を事業成長へ直結させるため、以下の組織・機能改革を推進しています:
- 顧客セグメント別組織の構築 :大ロット、中ロット、Web/ショールーム販売向けなど、ロットサイズと特注度合いに応じた組織へ再編し対応力を強化。
- 開発代行とアカウントマネジメント :顧客の企画・デザインといった上流工程から伴走する「開発代行」モデルを確立し、深耕営業を展開。
- 知的財産の蓄積 :特許・実用新案・意匠・商標の登録件数は2019年比で 2.5倍以上 に拡大しており、独自のデザイン力と技術力で参入障壁を構築しています。
個別の投資に関する推奨やアドバイスを提供することを意図しておりません。ここで述べられている意見や見解は、あくまでも各記事の個人的見解です。