
RS Technologies 2026年12月期第2四半期決算&中計進捗ディープダイブ:再生・プライム両輪での能力拡大と高収益化ロードマップ
StockClub
公開日時: 2026/08/17 09:51
Sentiment Analysis

1. 2026年12月期 第2四半期 業績ハイライト
株式会社RS Technologiesの2026年12月期第2四半期(中間期)連結業績は、 売上高405億9,500万円(前年同期比6.8%増) 、営業利益77億3,500万円(同8.9%増) 、経常利益90億1,600万円(同26.0%増) 、親会社株主に帰属する中間純利益41億4,900万円(同9.2%増) となり、半期決算として 過去最高業績を更新 しました。
期初に掲げた上期計画(売上高400億円、営業利益75億円)に対しても超過達成を果たしており、主力であるウェーハ再生事業およびプライムウェーハ製造販売事業が業績を力強く牽引しています。

業績概況のポイントと損益構造の分析
上記の決算概況スライドが示す通り、売上高から各段階利益に至るまですべて前年同期比で増収増益を達成しました。特に営業外損益において顕著な改善が見られます。
- 営業外収益の増加 : 営業外収益は19億3,300万円(前年同期比28.7%増)を計上しました。中国子会社GRITEKへの政府補助金収入が7億3,700万円(前年同期は7億400万円)となったことに加え、 為替差益4億2,100万円 (前年同期は為替差損8億2,200万円)が発生したことが寄与しました。
- 持分法投資損失の縮小 : 中国12インチプライムウェーハ事業(SGRS)に伴う持分法投資損失は、前年同期の5億500万円から 4億1,600万円へと縮小 しました。中国顧客向け認証取得の進展による販売数量増加およびプライムウェーハ用途の拡大に伴う単価上昇が損失圧縮に貢献しています。
2. セグメント別業績動向と要因分析
① ウェーハ再生事業
- 売上高 : 142億8,400万円(前年同期比6.8%増)
- 営業利益 : 50億6,900万円(前年同期比6.9%増)
- 営業利益率 : 35.5% (前年同期と同水準)
増産設備投資による生産枚数の増加が寄与し、着実な増収増益となりました。第2四半期単体(3ヶ月)では営業利益率が32.6%(第1四半期は38.5%)へ一時的に低下しましたが、これは台南工場の増産前倒し対応や、下期本格稼働を控える三本木第7工場の立ち上げに伴う整備費用の先行発生、ゴールデンウィーク中の定期メンテナンス集中など、 一時的なコスト要因 によるものです。顧客からの需要は依然として極めて旺盛であり、下期以降の生産能力増強に伴い販売数量のさらなる拡大が見込まれています。
② プライムウェーハ製造販売事業
- 売上高 : 139億200万円(前年同期比39.0%増)
- 営業利益 : 32億4,000万円(前年同期比39.1%増)
- 営業利益率 : 23.3% (前年同期と同水準)
8インチプライムウェーハにおいて、過去最高となる 月産27万枚体制 への設備投資効果が発現し、中国市場の緩やかな需要拡大を的確に取り込みました。加えて、エッチング装置向け消耗部品である シリコン部材の需要拡大 と新規顧客開拓が進み、粗利率の高い製品構成比が上昇したことが大幅な増収増益に直結しています。
③ 半導体関連装置・部材等事業
- 売上高 : 136億4,200万円(前年同期比12.1%減)
- 営業利益 : 4億1,300万円(前年同期比54.6%減)
- 営業利益率 : 3.0%
RSPDHにおける光ピックアップモジュールの計画的減産が響き、減収減益となりました。一方、次世代エネルギー事業(VRFB用電解液販売やコンサルティング等)では10億円を超える売上高を計上し、将来成長に向けた先行費用を投じつつも営業損失は前年同期比で縮小傾向にあります。
3. 中期経営計画(2026-2028)のロードマップと成長投資
同社は2026年〜2028年の3カ年を「 成長加速に向けた集中投資フェーズ 」と位置づけ、2028年12月期に 売上高1,150億円、営業利益190億円、当期純利益130億円 を目指しています。また、資本効率の目標値として ROIC 11%以上、ROE 13%以上 を掲げています。
ウェーハ再生事業:世界3拠点体制で月産119万枚へ

このスライドは、同社の中核事業であるウェーハ再生事業のグローバル生産能力拡大計画を示しています。半導体微細化や先端パッケージングの進展に伴いテスト用ウェーハ需要が急増する中、3拠点で設備投資を実行します。
- 日本(三本木工場) : 総投資額173億円以上。第7工場の本格稼働(月産17万枚)および第8工場の拡張(月産35万枚)を進め、 2028年までに月産52万枚体制 を構築します。自動化ラインの導入により生産効率向上を図ります。
- 台湾(台南工場) : 総投資額247億円。第1工場(月産37万枚)に加え、第2工場(月産20万枚、将来的には最大30万枚へ拡張可能)を取得・増強し、 2028年までに月産57万枚体制 を確立します。
- 中国工場 : 総投資額100億円を計画。市場環境を見極めつつ 2028年までに月産10万枚体制 の構築を目指します。
これにより、2025年末の月産69万枚から 3年間で50万枚/月の増強 を行い、2028年には 月産119万枚 へと世界トップシェアの地位を強固にする方針です。
4. プライムウェーハ事業の戦略展開と垂直統合の進展

プライムウェーハ事業では、中国市場における現地化需要およびパワー半導体市場の拡大に対応するため、8インチ・12インチ双方で段階的な拡張を推進しています。
- 8インチプライムウェーハ : 2026年中に 月産30万枚体制 を確立予定。車載や産業機器向けの高電圧パワー半導体向け需要を取り込み、高稼働率を維持しています。
- 12インチプライムウェーハ(持分法適用会社SGRS) : 2025年末の月産11万枚から、2026年に15万枚、2027年に20万枚、 2028年には月産25万枚体制 へと拡大し、2029年には月産30万枚を視野に入れています。パワー半導体向けを主軸にしつつ、AI関連需要を取り込むメモリ向け製品への展開も進めています。
- 上流・下流工程への事業展開(質疑応答より) :
- 内モンゴル単結晶インゴット工場 : 2026年7月に着工し、2028年の稼働開始を予定。安価な電力コストと補助金メリットを活かし、インゴット製造拠点を集約して大幅なコスト競争力を獲得します。
- 安徽省エピタキシャル工場のM&A : 8インチエピタキシャル加工能力を内製化することで、より付加価値の高いエピウェーハをデバイスメーカーへ直販する体制を整えています。
5. キャッシュ・アロケーションと株主還元方針
中期経営計画の3年間において、営業キャッシュフロー約530億円と手元流動性を原資とし、 既存事業の成長投資に約570億円 (再生ウェーハ向け約405億円、8インチプライム向け約38億円等)、 戦略投資(M&A)に約365億円 を配分するアロケーション方針を策定しています。
同時に株主還元も強化しており、2025年度の年間配当45円(配当性向12.8%)に対し、 2026年度は一株当たり55円(前年比10円増配、総還元性向14.6%想定) を計画。成長投資と株主還元の両立を図りながら、資本コスト(WACC 9.0%、株主資本コスト10.5%)を上回る資本収益性の向上を目指しています。
個別の投資に関する推奨やアドバイスを提供することを意図しておりません。ここで述べられている意見や見解は、あくまでも各記事の個人的見解です。