
【みらいワークス 2026年9月期 第3四半期決算】主力事業の営業課題と特別損失で通期予想を下方修正、構造改革への取り組みを加速
StockClub
公開日時: 2026/08/14 12:14
Sentiment Analysis

株式会社みらいワークス(証券コード: 6563)の 2026年9月期 第3四半期決算 (2025年10月1日〜2026年6月30日)が発表されました。本レポートでは、決算説明資料から抽出した重要トピックを中心に、業績実績、通期業績予想の修正理由、主要KPIの動向、特別損失の背景、そして今後の成長施策について多角的に分析・解説します。
1. 第3四半期累計業績ハイライトと通期業績予想の下方修正
2026年9月期 第3四半期累計実績 は、売上高が 8,649百万円 (前年同期比+3.3%)、売上総利益が 2,245百万円 (同+6.5%)、営業利益が 241百万円 (同+5.8%)、親会社株主に帰属する当期純利益が 48百万円 (同+21.1%)となり、累計ベースでは 増収増益 を確保しました。
しかし、当初の通期計画に対する進捗率は、売上高 66.5% 、営業利益 40.3% 、当期純利益 13.4% と鈍化しており、同社は 通期連結業績予想の下方修正 を発表しました。

上記の通り、通期の売上高は前回予想の 13,000百万円 から 11,650百万円 (前年同期比▲10.4%)へ、営業利益および経常利益は 600百万円 から 370百万円 (同▲38.3%)へ、当期純利益は 360百万円 から 144百万円 (同▲60.0%)へと減額されています。
下方修正の主因は、全体の 80%以上 の売上高を占める主力 プロフェッショナル人材事業 において、契約数および営業人員数が計画を下回ったことです。また、子会社買収に伴う のれん減損損失 の計上も純利益を大きく押し下げる要因となりました。
2. 四半期推移(3Q単体)における収益性の変化
累計実績では前年比プラスを維持したものの、第3四半期(3Q単体: 4月〜6月)の業績推移を見ると、収益構造の変化が顕著にあらわれています。

3Q単体の売上高は 2,803百万円 (前年同期比+5.8%)と伸びたものの、前四半期(2Q: 2,982百万円)と比較すると減収に転じました。さらに販管費が 712百万円 (前四半期比+57百万円)へ膨らんだ結果、営業利益は ▲11百万円の赤字 (前四半期は135百万円の黒字)となりました。
人件費を中心とする固定的なコスト(3Q人件費: 552百万円 )が増加傾向にある中で、売上総利益( 700百万円 )が伸び悩んだことが、利益率を急低下させた直接的な要因です。
3. セグメント別の業績動向
同社の事業は プロフェッショナル人材事業 、地方創生事業 、ソリューション事業 の3セグメントで構成されています。
① プロフェッショナル人材事業
- 累計実績 : 売上高 8,033百万円 (前年同期比+4.8%)、営業利益(共通費配賦前) 1,160百万円 (同+20.5%)。
- 状況 : 同社の柱であるフリコン(フリーコンサルタント向けマッチング)などのエージェントサービスは前年同期比で拡大を維持しているものの、3Q単体では売上高 2,652百万円 (前四半期比▲86百万円)、営業利益(配賦後) 117百万円 (前四半期比▲61百万円)と失速。計画比で新規契約獲得数が伸び悩み、全社の利益下振れにつながりました。
② 地方創生事業
- 累計実績 : 売上高 390百万円 (前年同期比+41.0%)、営業利益(配賦前) ▲56百万円 (前年同期は▲105百万円)。
- 状況 : 地方自治体や地域金融機関との連携が進み、前年同期から増収・損失縮小傾向を見せていますが、足元の3Q単体営業利益は ▲51百万円 と、引き続き先行投資・赤字局面が続いています。
③ ソリューション事業
- 累計実績 : 売上高 225百万円 (前年同期比+2.8%)、営業利益(配賦前) ▲83百万円 (前年同期は▲12百万円)。
- 状況 : 受注プロジェクトの品質保持に伴う 人件費・販管費の超過 が発生したほか、サステナビリティ・ESG関連事業を展開する子会社Greenroom社の事業低迷により、損失幅が拡大しました。
4. 主要KPIの分析:営業体制の増員と生産性の課題
主力プロフェッショナル人材事業の売上総利益は「 契約数 × 1契約当たり売上総利益 」の掛け算で決定され、さらに契約数は「 直接営業人員数 × 営業1人当たり契約数 」へと分解されます。
同社では営業体制を拡大すべく中途採用を積極化し、 直接営業人員数 は3Q平均で 62.9名 (2Qの60.3名から増加)まで順調に拡大しました。また、 1契約当たり売上総利益 も248千円 と高水準を維持・獲得しています。
しかし、ボトルネックとなったのが 営業1人当たり契約数(生産性) の低下です。

上記の通り、営業1人当たり契約数は2025年9月期2Qの 16.6件 をピークに低下傾向となり、2026年9月期3Qには 13.1件 まで下落しました。
中途採用数を前年比200%超へ引き上げたものの、 離職者の発生 により純増幅が想定を下回ったこと、加えて新卒・未経験若手社員の戦力化に タイムラグ が生じたことが、営業組織全体の生産性を押し下げた要因です。
5. 特別損失(のれん減損113百万円)の計上背景
当期純利益が圧迫された大きな要因として、2026年9月期において Greenroom社に係るのれん減損損失113百万円 を特別損失として計上した点が挙げられます。
- 買収当時の前提 : 2025年3月の買収時、サステナビリティやESGへの関心の高まりを背景に、同社PR・広告メディア事業の超過収益力を評価して「のれん」を計上していました。
- 外部環境の変化 : 米国政権交代等の国際情勢や政策の変化を受け、大企業を中心とするESG訴求(広告・PR)への自粛姿勢(いわゆるグリーンワッシング批判に対する警戒や実務対応へのシフト)が強まり、PR・広告需要が減退しました。
- 減損の判断 : 今後の残存期間内で当初想定していた収益回復を図ることが困難であると判断し、 113百万円の減損処理 を実施しました。
6. 今後の重点施策と構造改革の方向性
同社は業績の回復と持続的成長に向け、最優先課題として以下の施策を掲げています。
- 営業体制の「純増」に向けた採用・定着施策の進化
- 入社後のミスマッチを防ぐ選考精度の向上と、 オンボーディングプログラムの強化 による早期離職の防止。
- 階層別育成による営業生産性の向上と組織力強化
- 成果の出る営業プロセスの 「型化」とAI活用 によるトレー ニング短縮。
- リーダー層の指導力底上げを図る階層別研修の実施。
- 大企業ターゲットアカウントの組織的開拓
- 単価・継続性の高い大手企業(売上高3,000億円以上)に対し、アカウントプランニングを強化した「チーム営業」を展開。
- その他事業の選択と集中
- 地方創生事業およびソリューション事業における一部不採算サービスの縮小・撤退を進め、 全社収益性の改善 を図る。
まとめ
2026年9月期 第3四半期の決算は、中途採用の拡大による 人件費増加 に対し、 営業生産性の低下 および Greenroom社の減損損失 が重なり、通期予想の下方修正を余儀なくされる厳しい局面となりました。
一方で、直接営業人員の規模自体は着実に拡大しており、1契約当たりの単価も安定しています。今後は 「営業人員の定着・早期戦力化」 と**「AI・型化による生産性向上」** 、ならびに 「不採算事業の選択と集中」 をいかに迅速に実行し、成長軌道へ復帰させられるかが注視されます。
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