
【深掘り決算レポート】コアコンセプト・テクノロジー(4371)2026年12月期第2四半期決算:DX支援の加速と過去最高売上達成が示す成長ストーリー
StockClub
公開日時: 2026/08/14 11:02
Sentiment Analysis

株式会社コアコンセプト・テクノロジー(以下、CCT)の 2026年12月期 第2四半期決算 は、主力事業である DX支援事業 が牽引する形で、売上高・営業利益ともに 会社計画を上回る進捗 を見せる良好な着地となりました。四半期ベースの売上高は 過去最高 を更新しており、今後の成長の先行指標となる 受注残高も前年同期比で+23.3%増 と大きく伸長しています。
本レポートでは、決算資料に記載された詳細な財務データ、セグメント別動向、主要KPI、ならびに注目のトピックを総合的に分析し、同社の事業状況と成長ストーリーを紐解きます。
1. 2026年12月期 第2四半期累計業績の概要
2026年12月期第2四半期累計(2026年1月〜6月)の連結業績は、売上高・各段階利益ともに前年同期を上回り、通期計画に対しても極めて着実な進捗を見せました。
- 売上高 : 11,343百万円 (前年同期比 +11.6% / 通期計画進捗率 49.3% )
- 売上総利益 : 3,093百万円 (前年同期比 +11.3% / 通期計画進捗率 48.8% )
- 営業利益 : 1,148百万円 (前年同期比 +7.0% / 通期計画進捗率 47.3% )
- 経常利益 : 1,171百万円 (前年同期比 +9.0% / 通期計画進捗率 47.8% )
- 四半期純利益 : 520百万円 (前年同期比 ▲31.7% / 通期計画進捗率 39.1% )
- 調整後当期純利益 : 817百万円 (前年同期比 +7.2% / 通期計画進捗率 48.5% )
四半期純利益の大幅な減益は、当期第1四半期に計上された 信託型ストックオプション関連損失(296百万円) という一時的かつ一括の会計処理要因によるものです。この特殊要因を除外した 調整後当期純利益は817百万円(前年同期比+7.2%) となっており、実質的な稼ぐ力は順調に拡大しています。
営業利益の増減要因としては、売上増加に伴う利益押し上げ( +1,175百万円 )が大きく貢献した一方で、案件獲得拡大に伴う 外注費の増加(▲735百万円) や、人員増に伴う 人件費の増加(▲172百万円) 、採用費(▲43百万円) などが吸収される構造となっています。
2. サービス区分別実績と受注残高の動向
CCTの事業は、エンドユーザーから直接案件を請け負う 「DX支援」 と、大手SIerなどのIT人材ニーズに対応する 「IT人材調達支援」 の2つの軸で構成されています。第2四半期累計の実績は以下の通りです。

スライド解説:サービス区分別実績と受注残高(P-8)
このスライドは、同社の成長エンジンがどの事業によって駆動されているか、そして今後の売上を支える「ストック」がどのように積み上がっているかを示す 極めて重要なデータ です。
- DX支援の急速な拡大 : 売上高は 5,704百万円(前年同期比+19.1%) 、売上総利益は 2,124百万円(前年同期比+13.9%) と、全体成長を強く牽引しています。売上総利益率は 37.2% と高い水準を維持しています。
- IT人材調達支援の安定性 : 売上高は 5,639百万円(前年同期比+4.8%) 、売上総利益は 968百万円(前年同期比+5.9%) となり、売上総利益率は前年同期から0.2ポイント改善して 17.2% となりました。
- 受注残高の大幅増 : 決算時点での受注残高は全社で 4,768百万円(前年同期比+23.3%) に達しました。特に DX支援の受注残高は2,696百万円(前年同期比+31.8%) と顕著に伸びており、下期以降の業績に対する強い裏付けとなっています。
3. 四半期業績推移と季節要因の分析
四半期単位の売上高の推移を見ると、成長のモメンタムがさらに鮮明になります。

スライド解説:四半期売上高の推移(P-9)
上記スライドのグラフから明確に読み取れる通り、2026年Q2の四半期売上高は 5,905百万円 に達し、 四半期ベースで過去最高を更新 しました。QoQ(前四半期比)でもDX支援( 3,011百万円 )、IT人材調達支援( 2,894百万円 )の双方が揃って大幅な増収を遂げています。
一方、四半期ごとの営業利益率の推移(資料P-10〜11)に目を向けると、Q2(4月〜6月期)は 9.3% とQ1(11.0%)に比べて低下しています。しかし、これは構造的な悪化ではなく、 明確な季節要因 によるものです。CCTでは毎年4月に多くの新卒社員が着任し、4〜6月期には 新卒研修期間に係る人件費や研修費(販管費)が集中的に計上 されます(7月以降は各現場配属に伴い原価へ振替)。さらに採用関連費用や一部不採算案件の影響も一時的に重なりましたが、これらの費用発生を含めても 計画をやや上回る進捗 でコントロールされています。
4. 成長のコアKPI:顧客基盤の拡大と人材獲得
CCTの持続的成長の背景には、「顧客の大型化」と「人材基盤の強化」という2つの大きな推進力があります。
(1) 顧客数の推移と案件の大型化
同社は既存顧客の満足度を高めることで継続取引を拡大し、案件規模を引き上げる戦略をとっています。

スライド解説:大口顧客数の増加(P-18)
このスライドは、CCTのリピート率の高さと「顧客単価の切り上がり」を視覚的に証明しています。
- 全社顧客数の拡大 : 顧客数は2024/Q2の336件、2025/Q2の437件から、2026/Q2累計では 455件 へと着実に増加しています。
- 大口予備軍(1,000万円〜1億円)の急増 : 1億円以上の超大口顧客(28件)は横ばい圏で推移しているものの、 1,000万円〜5,000万円帯の顧客が110件(前年同期96件から増加) 、5,000万円〜1億円帯が19件(同15件から増加) と、着実に大口顧客の予備軍が育っています。既存顧客からの売上高が全体の 約9割 を占めており、顧客満足度を起点としたクロスセル・アップセル構造が機能していることが窺えます。
(2) 従業員数の推移と生産性
IT業界における成長のボトルネックとなりやすい「人材確保」に関しても、同社は順調な実績を上げています。
- グループ従業員数 : 2026年Q2末時点で 連結673名(単体481名) へと拡大しました。
- 新卒採用の強化 : 2026年度新卒採用として 92名(単体74名) の入社実績を記録しました。プログラミング適性のみならず、将来のプロジェクトマネージャー(PM)を見据えた 論理的思考力・コミュニケーション能力に優れた人材 を重点採用しており、学部卒・文系・女性の比率が上昇しています(女性比率は例年の約2.7倍)。
- 生産性 : 1人あたり売上高(四半期)は、新卒の一括入社による薄まり効果がありつつも、既存社員のスキルアップや単価上昇により全社で高水準を横ばい維持・QoQで向上傾向を示しています。
5. 注目トピック:シグマクシス・ホールディングスとの協業検討状況
資本・業務面における注目の動きとして、 株式会社シグマクシス・ホールディングス による株式保有に関する同社の認識・方針が開示されています(資料P-15)。
- 株式保有の状況 : シグマクシス社は2026年7月10日時点で、CCT株式の 16.03%(議決権ベース) を保有しています。
- 同社の認識と方針 : 持分法適用水準までの株式取得についてCCTとして合意したものではないとしつつも、 「事業面においては相互補完効果が期待できることから、協業について建設的な協議を進めている」 と述べています。現時点で資本業務提携に関する合意事項はないものの、 経営の自主性・独立性を維持 しながら、双方に有益な事業協業の検討を引き続き進めていく方針です。
6. 長期戦略とソリューションの強み
同社がDX支援領域で特に強みを持つのが、製造業・建設業・物流業といった 「ものづくり・現場」を持つ産業領域 に対する一気通貫の支援体制です。
特に以下の 3つのソリューション に注力し、案件の大型化を推進しています。
- MES(製造実行システム) : 独自の
Orizuru MESを展開。製造現場の設備連携や動態監視、24時間自動化ラインの構築を支援(事例:ヨコオ社のスマートファクトリー構築等)。 - ERP(統合基幹業務システム) :
mcframeを活用した基幹システム刷新。標準機能適用と高速アジャイル開発を組み合わせた導入支援(事例:日本ブチル社等)。 - PLM(製品ライフサイクル管理) :
Aras Innovatorを活用し、設計情報(EBOM)と製造情報(MBOM)を連携させたコンカレント業務の実現(事例:コマニー社等)。
自社開発の共通技術基盤Orizuruや、ビジネスマッチング・調達プラットフォームOhgiを活用することで、開発効率の向上と大規模チーム編成を可能にしており、これが高い収益性と顧客満足度の源泉となっています。
7. 決算のまとめと今後の見通し
2026年12月期第2四半期決算を通じ、コアコンセプト・テクノロジーの 成長ストーリーは非常に順調 に推移していることが確認できます。
- 業績の堅調さ : 売上高・営業利益ともに 計画を上回る進捗 であり、調整後純利益も前年同期比増益を維持。
- 先行指標の好調 : 受注残高が前年同期比+23.3% と積み上がっており、下期の業績下支え要因が強固。
- 成長基盤の拡充 : 92名の新卒採用をはじめとする人材獲得が進み、顧客数の増加と1,000万〜1億円規模の中堅顧客のレイヤーが厚みを増している。
一時的なストックオプション費用や季節的な研修コストといった影響を適切に見極めることで、同社が有する本質的な稼ぐ力と高い市場ニーズを正確に把握することができる決算内容と言えます。
個別の投資に関する推奨やアドバイスを提供することを意図しておりません。ここで述べられている意見や見解は、あくまでも各記事の個人的見解です。