
NEXYZ.Group 2026年9月期 第3四半期決算ディープダイブレポート:主力事業の成長加速と金融連携の深化が導く業績上方修正および大幅増配
StockClub
公開日時: 2026/08/14 11:01
Sentiment Analysis

NEXYZ.Group 2026年9月期 第3四半期決算ディープダイブレポート
NEXYZ.Group(証券コード: 4346) の2026年9月期第3四半期決算は、主力の エンベデッド・ファイナンス事業 および第2の成長エンジンである メディア・プロモーション事業 が共に堅調に推移し、業績予想の上方修正および株主還元策の強化(増配)が発表される好調な内容となりました。
本レポートでは、開示された決算説明資料から重要度の高い10個のトピックを抽出し、同社の現状の業績ハイライト、成長ドライバーであるアライアンス戦略、および中長期の新規成長領域までを徹底解説します。
1. 業績サマリーおよび通期業績・配当予想の上方修正
2026年9月期第3四半期累計(2025年10月〜2026年6月)の連結業績は、売上高・営業利益・四半期純利益のすべての段階で前年同期を大きく上回る進捗を見せました。これに伴い、同社は 2026年9月期通期の業績予想および配当予想を上方修正 しています。

上記の通り、 売上高は前期比+16.1%増の33,000百万円 、営業利益は前期比+20.8%増の2,200百万円 へとそれぞれ上方修正されました。この業績好調と将来の成長手応えを背景に、期末配当予想についても従来の1株あたり20円から 10円増配となる30円 へと大幅に引き上げられています。
この上方修正スライドは、同社が 5期連続の増収増益 を着実に達成しつつあること、そして資本効率と株主還元を重視する経営姿勢を示している点で、今回の決算における最重要指標の一つです。
2. 第3四半期累計 連結業績サマリーと利益要因の解説
第3四半期累計の連結実績値は以下の通りです。
- 売上高 : 21,669百万円 (前年同期比 +8.4% )
- 営業利益 : 1,218百万円 (前年同期比 +13.3% )
- 経常利益 : 899百万円 (前年同期比 △13.9% )
- 親会社株主に帰属する四半期純利益 : 657百万円 (前年同期比 +160.3% )
経常利益と純利益の変動背景
本決算における損益構造の特徴として、 経常利益の減益 と四半期純利益の急増 が挙げられます。 経常利益が減益となった主な要因は、 持分法による投資損失(202百万円)を含む営業外費用の増加 によるものです。ただし、通期での経常利益予想(1,900百万円)は据え置かれており、一過性要素を含んだ推移として説明されています。
一方で四半期純利益が前年同期比で 2.6倍超(+160.3%) に達した背景には、資産の効率化に伴う 投資有価証券売却益2,015百万円の特別利益計上 があります。本業の稼ぐ力を示す営業利益が+13.3%増と順調に拡大していることに加え、特別利益の計上が最終利益を強力に押し上げました。
3. エンベデッド・ファイナンス事業:注力商品の成長と「エアコン2027年問題」
同社のコア事業である エンベデッド・ファイナンス事業(設備導入支援サービス「ネクシー:ズZERO」) は、売上高 17,913百万円(前年同期比+10.6%) 、セグメント利益 1,118百万円(前年同期比+8.1%) を記録し、連結業績の伸びを牽引しています。

このスライドは、ネクシー:ズZEROで取扱う主要商品の販売動向を示したものであり、同社の成長の中身を理解するうえで極めて重要です。
商品別の販売推移と拡大要因
- LED照明 : 販売額 4,895百万円 (前年同期比 +3.1% ) 成熟市場でありながら安定した更新ニーズを確実に捉え、基盤商品として堅調に推移しています。
- 空調設備 : 販売額 3,990百万円 (前年同期比 +30.9% ) 第3四半期単体で過去最高となる1,884百万円 を記録しました。背景には、2027年に向けた指定フロン規制(通称 「エアコン2027年問題」 )に伴う省エネ・環境対応型空調への更新需要の急増があります。同社が提案営業を強化したことが奏功しました。
- 工業設備 : 販売額 1,427百万円 (前年同期比 +74.2% ) キュービクル(高圧受電設備)などの大型工業設備の引き渡しが進んだことで大幅な伸びを実現しています。
このように、初期投資ゼロで最新設備を導入できる「ネクシー:ズZERO」が、法規制や環境対応に直面する事業者のニーズに強く合致していることが確認できます。
4. 金融機関ネットワークの拡大と販売経路の変化
同社が推し進めるアライアンス戦略の核となるのが、 全国の地方銀行・信用金庫とのパートナーシップ強化 です。
提携金融機関の総数は 171社(前年同期比+36社) に拡大し、取扱支店数は 11,748拠点 に達しています。特に信金中央金庫との提携を契機として信用金庫との連携が進み、信用金庫の提携数は92社(前年同期比+26社)と飛躍的に拡大しました。

上記の販売経路分析スライドは、同社のビジネスモデルが 「自社直販依存」から「金融機関アライアンス主導」へと構造変化を果たしたこと を実証しています。
金融機関経由比率の拡大が意味するもの
金融機関紹介案件の構成比は、前年同期の49.4%から 57.4%(+8.0pt増) へと大幅に上昇しました。販売経路の約6割が金融機関経由となったことで、以下のメリットが生まれています。
- 与信精度の向上と営業効率化 : 地域の金融機関から信用のある顧客企業の紹介を受けるため、成約率が高く低リスクな営業プロセスが実現。
- 顧客層の広がり(製造・建設業へのシフト) : 従来多かった飲食業(13%)や小売・サービス業(18%)に加え、 製造・建設業が22.6%(前年同期比+4.0pt) へと上昇。大型の設備導入ニーズを持つ業種へのアプローチに成功しています。
5. 事業を通じたサステナビリティ貢献(脱炭素実績)
「ネクシー:ズZERO」による省エネ設備の普及は、CO2排出削減という環境面での社会的価値にも直結しています。
- 2026年6月末時点の累積CO2削減量 : 267.5万t-CO2
- 2030年目標(400万t-CO2)に対する進捗率 : 66.8%
これは人口約40万人分の年間CO2排出削減量に相当する規模であり、同社のサービスが顧客企業のESG経営や脱炭素(GX)推進に大きく寄与していることを示しています。
6. メディア・プロモーション事業:「アクセルジャパン」の事業深化
連結の第2の柱である メディア・プロモーション事業 は、売上高 3,696百万円 、セグメント利益 823百万円(前年同期比+10.5%) を達成しました。子会社ブランジスタが運営するタレント画像シェアリングサービス 「アクセルジャパン」 が好調を維持しています。
収益構造の高度化と今後の施策
- 新高単価プランの提供開始 : 従来の提供素材から広告表現を大幅に拡張し、専属契約と同等のインパクトを持つアンバサダー活用を可能にする アップセル施策 を開始。顧客単価および高利益率の更新売上が伸長しています。
- アンバサダー陣の拡充 : 速水もこみち氏、田中律子氏、武尊氏など新たなアンバサダー3名が追加され、2026年9月より 過去最大規模となる総勢25名(23組)体制 へ移行します。これにより食品・不動産・スポーツ関連など、ターゲット業界の網羅性がさらに高まる見込みです。
7. 新規成長領域:「IP(知的財産)× 生成AI」インフラ「Kagami Gate」
同社は中長期的な成長の種として、知的財産(IP)と生成AIをつなぐインフラプラットフォーム 「Kagami Gate(カガミゲート)」 の展開を進めています。
事業のねらいと市場背景
日本の漫画・アニメ・キャラクター等のIP資産価値は世界市場で67兆円以上とされる一方、無断生成AI学習やオンライン海賊版被害額は推計10.4兆円(2025年)に上ると言われています。 「Kagami Gate」は、AIと企業による「安心なIP利用」を標準化する改札ゲートとして機能し、 リアルタイム監視・権利保護と、生成AIによる適切な収益配分 を両立する仕組みです。
すでに『キャプテン翼』を用いた合法AI動画生成の取り組みなどが 日本経済新聞等の大手メディアで報道 されており、政府の「知的財産推進計画2026」やクールジャパン戦略の追い風を受け、新たな収益基盤としての育成が期待されています。
8. 結論と今後の注目ポイント
NEXYZ.Groupの2026年9月期第3四半期決算は、主力ビジネスの堅実な拡大と構造改革の成果が明確に表れた内容となりました。
今後の注目ポイントとしては以下の点が挙げられます。
- 「エアコン2027年問題」の特需取り込み : フロン規制や省エネ法対応に伴う空調設備の更新需要を、第4四半期に向けてどこまで上積みできるか。
- 金融機関アライアンスの稼働率 : 171社に達した提携金融機関からの紹介案件数をさらに増やし、製造業・建設業等の大型案件を獲得できるか。
- アクセルジャパンの新プラン浸透 : タレントアンバサダー25名体制への移行に伴う利用企業数の拡大とARPU(顧客平均単価)の向上。
- 「Kagami Gate」のマネタイズフェーズへの移行 : 実証実験やメディア露出段階から、具体的な収益貢献事業へと成長するロードマップの進捗。
主力事業のストック性高まる収益モデルと、金融パートナーネットワークの拡大に裏打ちされた強固な事業基盤により、同社の今後の進捗が注目されます。
個別の投資に関する推奨やアドバイスを提供することを意図しておりません。ここで述べられている意見や見解は、あくまでも各記事の個人的見解です。