
【株式会社みのや 2026年6月期 決算詳細レポート】売上高は過去最高を更新、収益性改善に向けた構造改革と株主還元の拡充に注力
StockClub
公開日時: 2026/08/14 10:33
Sentiment Analysis

お菓子専門店「 おかしのまちおか 」を展開する株式会社みのや(証券コード:386A)の2026年6月期通期決算が発表されました。本レポートでは、決算資料から読み取れる業績ハイライト、収益構造の分析、今後の成長戦略、ならびに株主還元方針について詳しく解説します。
1. 2026年6月期 業績サマリーと主要トピック
2026年6月期におけるみのやの業績は、新規出店や客単価の上昇を背景に 売上高が過去最高となる256億6,600万円(前期比6.9%増) を達成しました。一方で、直近にオープンした新店の売上伸び悩みや競争激化、人件費・物件費をはじめとする各種コストの上昇が響き、利益面では計画を下回る結果となりました。
主なトピックは以下の通りです:
- 売上高 : 256億6,600万円(前期比+6.9%)で過去最高を更新。
- 営業利益 : 6億7,300万円(前期比0.8%減)。
- 経常利益 : 7億3,500万円(前期比3.8%減)。
- 当期純利益 : 2億円(前期比50.5%減)。採算性が低下した一部店舗について 減損損失2億900万円 を特別損失に計上したことが大きく影響。
- 店舗数 : 期末店舗数は 220店舗 (新店16店舗、退店4店舗で純増12店舗)。

【上記スライド(ページ7)の解説と重要性】
上記の損益計算書サマリーは、2026年6月期の実績と前期比、ならびに当初予想との差異を一覧で示しています。 このスライドから把握できる最重要ポイントは、 「増収減益」の背景にある特別損失の影響 です。売上高は前期比+6.9%と着実に成長しているものの、営業利益および経常利益は微減にとどまり、当期純利益は前期の4億400万円から2億円へと半減しています。これは一部の出店店舗で採算が低下し、 減損損失209百万円 を計上したことや法人税等の費用増加が要因です。会社側が当初見込んでいた計画(売上高26,356百万円、営業利益786百万円、純利益479百万円)に対しても未達となっており、新規出店における採算管理と既存店の収益性回復が課題であることが示されています。
2. 経常利益の増減要因分析
前期(7億6,400万円)から今期(7億3,500万円)にかけての経常利益2,900万円減少の内訳を分析すると、 売上増加に伴う限界利益の増加 があった一方で、コストの増加分がそれを上回った構図が見えてきます。

【上記スライド(ページ11)の解説と重要性】
このウォーターフォールチャートは、前期の経常利益764百万円から今期の735百万円に至るプラス・マイナスの要因を詳細に分解したものです。
主な増減要因の詳細は以下の通りです:
- プラス要因(増収効果) : 店舗数増加および売上増により +6億3,500万円 の利益押し上げ効果を発揮。
- マイナス要因(販管費・コスト増) :
- 人件費 : 店舗増に伴う人員増およびベースアップ等により -2億9,900万円 。
- 地代家賃 : 店舗増およびショッピングセンター(SC)店舗の売上増に伴う変動家賃増加で -1億1,800万円 。
- 業務委託費 : 店舗増・売上増に伴う物量増および外注費増加により -6,900万円 。
- 支払手数料 : キャッシュレス決済手数料の増加等により -9,100万円 。
- 租税公課 : 外形標準課税の概算計上等により -8,900万円 。
- 営業外費用 : 新規上場に伴う株式交付費用などの発生により -2,700万円 。
このように、店舗網の拡大に伴う 増収効果(+6.35億円) は力強いものの、人件費、家賃、決済手数料、上場関連コストなどの諸経費(合計約6.6億円超の押し下げ要因)が利益を圧迫したことが視覚的に理解できます。今後はこれらの固定費・変動費に対するコントロールと、店舗1店あたりの稼ぐ力の引き上げが収益性改善のカギとなります。
3. 月次動向と店舗展開戦略(SCシフトとドミナント推進)
月次業績の動向
2026年6月期の既存店売上高は前年比 101.2% とプラスを維持しました。内訳を見ると:
- 既存店客数 : 前年比 98.2% とやや落ち込み。
- 既存店客単価 : 前年比 103.1% と上昇し、客数減をカバー。
- 全店計 : 売上高前年比 106.9% 、客数 103.2% 、客単価 103.6% となり、新店オープンが全体規模の拡大に貢献しています。
店舗形態およびエリア別推移
出退店の動きでは、明確な戦略シフトが見られます。
- 形態別 : 路面店 は3店舗退店し80店舗へ減少した一方、 ショッピングセンター(SC)店 は16店舗出店・1店舗退店により 140店舗(純増15店舗) へ拡大しました。新規出店16店舗の 全てがSC出店 となっています。
- 1店舗当たり売上高 : 路面店が年間1.2億円、SC店が年間1.14億円と、双方とも上昇傾向にあります。
- エリア別 : 主力の関東圏(165店舗)に加え、中京圏(27店舗)、関西圏(28店舗)でのドミナント出店を推進。物流面では、既存のさいたま、横浜、鈴鹿に加え、2024年1月に 茨木物流センター(大阪府) を開設しており、関西圏での展開基盤を強化しています。
4. 2027年6月期の業績予想と改善策
2027年6月期に向けて、同社は売上高の拡大を継続しつつ、 収益性の改善を最優先 に取り組む方針を掲げています。
2027年6月期 通期計画数値
- 売上高 : 271億8,300万円(前期比 +5.9% )
- 営業利益 : 7億7,000万円(前期比 +5.1% )
- 経常利益 : 7億8,200万円(前期比 +6.4% )
- 当期純利益 : 3億4,600万円(前期比 +73.2% )
- 店舗数 : 230店舗(新店13店舗、退店3店舗、純増10店舗)
収益性改善に向けた3大施策
- 採算悪化店舗のテコ入れ : 収益改善に注力し、店舗運営コストの徹底管理を実施。
- 既存店舗の収益性強化 : 店舗のリニューアル(遮熱性向上、通路幅拡張による回遊性向上など)、月間強化販売品の設定、SNS(Instagramフォロワー約4万人、Xフォロワー約17万人)を活用した集客力アップ推進。
- 新規出店基準の見直し : 出店精度の追求と予算管理を厳格化し、出店初期からの収益化を徹底。
5. 財務基盤とキャッシュ・フロー
- 資産・資本 : 2026年6月末時点の総資産は 93億3,400万円 (前期末比8億8,800万円増)。自己資本比率は前頭の34.0%から 41.9%へと大幅改善 しました。
- キャッシュ・フロー(C/F) :
- 営業C/F : +6億1,900万円 (店舗増に伴う売上増加などで創出)
- 投資C/F : -5億4,700万円 (新規出店・内装工事および敷金・保証金の入金等)
- 財務C/F : +2億2,700万円 (新規上場に伴う株式発行収入等)
- 現金及び現金同等物期末残高 : 14億7,100万円 を確保し、成長投資に向けた流動性を維持しています。
6. 株主還元方針の拡充(増配と優待新設)
同社は、企業体質の強化および将来投資のための財源を確保しつつ、安定した配当の継続と利益還元策の強化を打ち出しています。

【上記スライド(ページ25)の解説と重要性】
本スライドは、みのやの株主還元に関する姿勢と具体的な還元策を示した極めて重要な資料です。
注目すべきポイントは以下の2点です:
- 連続増配計画 : 2025年6月期の10.0円から、2026年6月期は 24.66円 (配当性向44.0%)へと大幅増配を実施しました。さらに2027年6月期には 年間30.0円 (配当性向31.2%)への増配を計画しており、株主還元への意欲の高さが窺えます。
- 株主優待制度の新設 : 200株以上 を保有する株主を対象に、年間 2,000円相当 の「おかしのまちおか商品券」または「お米券」を進呈する優待制度が新たに導入されました(基準日:毎年6月末)。初回の2026年6月末日に限り継続保有条件は設けられておらず、幅広投資家層の獲得を目指した施策となっています。
まとめ
株式会社みのやの2026年6月期決算は、売上高256億円を超える過去最高更新の一方で、出店コスト増や採算低下店舗の減損計上により利益面で課題が残る結果となりました。しかし、2027年6月期においては 出店基準の厳格化 や既存店のリニューアル・集客強化 を通じた収益性向上を図り、純利益3.46億円への回復を目指しています。同時に、 年間配当30円への増配計画 や株主優待制度の新設 など、株主還元姿勢を明確にしており、成長と還元を両立させるフェーズへと移行しつつあります。
個別の投資に関する推奨やアドバイスを提供することを意図しておりません。ここで述べられている意見や見解は、あくまでも各記事の個人的見解です。