
【Rebase 2027年3月期 第1四半期決算】売上高は前年同期比+15%と順調に推移の一方、オフィス移転の一時費用が営業利益に影響。先行投資とKPI成長の全体像を徹底解剖
StockClub
公開日時: 2026/08/13 11:16
Sentiment Analysis

株式会社Rebase(証券コード: 5138)は、2026年8月13日に2027年3月期第1四半期(2026年4月〜6月)の決算説明資料を公表しました。レンタルスペースのマッチングプラットフォーム「 インスタベース(instabase) 」を運営する同社の当四半期業績は、売上高が 前年同期比+15% と着実な拡大を継続したものの、オフィス移転に伴う一時費用の計上により営業利益は赤字着地となりました。
本レポートでは、開示資料から読み取れる10個の重要トピックに基づき、一見複雑に見える業績の背景、主要KPI(利用数、平均単価、利用総額、掲載スペース数)の動向、ならびに今後の成長戦略について詳細に解説します。
1. 第1四半期決算のハイライト:売上拡大と一時費用の影響
2027年3月期 第1四半期における連結業績の概要は以下の通りです。
- 売上高 : 568百万円 (前年同期比 +15% )
- 営業利益 : -47百万円 (前年同期は61百万円の黒字)
- 当期純利益 : -18百万円 (前年同期は42百万円の黒字)
- 売上高進捗率 : 通期予想(2,400百万円)に対して 24% (前年同期は21%)
売上高は過去最高レベルの水準を更新し、通期業績予想に対して 前年同期(21%)を上回る24%の進捗 を見せるなど、トップラインは極めて良好なスタートを切りました。一方で利益面は営業赤字となっていますが、これは新オフィスへの移転に伴う 一回限りの一時費用が集中して発生したこと が主因です。
2. 移転費用を除いた「実質営業利益」の検証
表面上の営業利益がマイナスとなった背景を正しく理解するためには、当四半期に計上された一時費用の内訳を確認する必要があります。

上の図で示されている通り、第1四半期にはオフィス移転に伴う一時費用が 58百万円 発生しました。この一括償却費用や引っ越し関連費用などの一時的な影響を除外した場合、 実質的な営業利益は11百万円の黒字水準 が維持されています。
会社側の発表によると、オフィス移転に伴う一時費用の計上は 第1四半期期間中にすべて完了 しており、第2四半期以降に同様の巨額な一時費用が発生することはありません。したがって、この営業赤字は事前の計画通り(想定通り)の着地であり、本業における収益力の構造的な低下を示すものではないことが明確化されています。
3. 主要KPIの推移と進捗状況
インスタベースの事業基盤を示す4つの主要KPI( 利用数 、平均単価 、利用総額 、掲載スペース数 )は、いずれも前年同期比で拡大傾向を示しています。
① 利用数(予約件数)の拡大
第1四半期のスペース利用数は 453千件 (前年同期比 +11% )に達し、過去最高記録を更新しました。既存集客チャネルの最適化に加え、新規チャネルの開拓が奏功しています。通期目標1,904千件に対する進捗率は 24% です。
② 平均単価の上昇傾向
平均単価は 4.3千円 (前年同期比 +3% )となりました。ライブビューイングやパーティーなど「趣味・遊び・レジャー」用途での利用増加に伴い、長時間利用や高単価スペースの利用率が高まったことが単価向上に寄与しています。
③ 利用総額の順調な積み上げ
利用数と平均単価の乗算で算出される「利用総額」は、トップラインの伸びを直接反映する指標です。

第1四半期の利用総額は 1,954百万円 (前年同期比 +15% )を記録し、四半期推移としても前年同期(1,697百万円)から順調にスケールしています。通期目標である 81.6億円に対して24%の進捗 となっており、計画に沿った力強い走り出しとなっています。
④ 掲載スペース数の増加
プラットフォームの供給能力を示す掲載スペース数は 47.9千件 (前年同期比 +14% )まで増加しました。第1四半期の純増数は1.4千件で、通期目標(年間5.0千件増)に対する進捗率は 28% と、計画をやや上回るペースで供給体制の拡充が進んでいます。
4. 販管費の内訳分析と投資の方向性
当四半期の販管費総額は 594百万円 となり、前年同期の415百万円から 179百万円増(+43%) と大きく増加しました。その構造的内訳は以下のスライドに整理されています。

費用増加の要因は大きく「一時費用・設備投資に関連するもの」と「事業成長に向けた積極的な先行投資」の2点に大別されます。
- オフィス移転関連費用(一時費用・地代家賃)
- その他販管費 : 133百万円(前年同期比 +65百万円 / 一時費用・消耗品・一括償却等)
- 地代家賃 : 40百万円(前年同期比 +28百万円 / 新オフィス家賃計上開始による増)
- 事業成長のための先行投資
- 広告宣伝費 : 143百万円(前年同期比 +47百万円 / 新規集客チャネル開拓に向けたマーケティング強化)
- 人件費等 : 127百万円(前年同期比 +26百万円 / 前年同期比で9名の増員を実施)
- 支払手数料 : 108百万円(前年同期比 +13百万円 / 決済件数増加に伴う変数費)
なお、 売上高に対する広告宣伝費比率は25% となっており、前期第4四半期の31%と比較してマーケティング効率を高めた運用が行われていることが窺えます。
5. 成長戦略と第1四半期の主要トピックス
同社は「利用総額の最大化」に向け、 集客力の強化 、UI/UXの最適化 、平均単価の向上 、掲載スペース数の最大化 という4軸の戦略を掲げています。当四半期においては、大手外部パートナーとの積極的な連携施策が相次いで発表されました。
- Reserve with Google への対応開始 Google検索やGoogleマップ上の検索結果から、直接インスタベースの掲載スペースを予約できる仕組みを導入。検索から予約に至る摩擦を低減し、新規ユーザーの獲得とコンバージョン率の向上を図っています。
- ローソン・ユナイテッド・シネマとのサービス連携 全国38劇場・約300スクリーンをインスタベース上に掲載開始。これに伴い、「 映画館・シアター 」という新たなスペースカテゴリを創出しました。
- ビジョンセンターとの連携 東京都中心部・横浜エリアの主要駅近くにある大型貸し会議室・イベントホールを掲載し、大人数利用ニーズの取り込みを強化しました。
- THE HUBとの連携 全国の主要都市に展開するフレキシブルワークスペース「THE HUB」から228スペースを新たに誘致し、ビジネスユーザー向けの拠点を拡充しました。
6. 季節性(シーズナリティ)と通期見通しについて
インスタベースの事業には明確な季節性偏重が存在します。例年、イベントや集まりが増加する 第3四半期(10月〜12月)に需要および認知が最も高まる傾向 があります。
開示資料によれば、年間利用総額等の重要指標のバランスは、 上半期(Q1〜Q2)が約46% であるのに対し、 下半期(Q3〜Q4)が約54% と下期に偏重する構造となっています。第1四半期の段階で売上高および利用総額の通期進捗率が24%に達していることは、下期偏重の季節性を考慮すると非常に順調な進捗であると言えます。
第1四半期中にオフィス移転関連の一時費用をすべて処理し終えたことで、第2四半期以降はトップラインの成長がストレートに営業利益へ寄与しやすい損益構造にシフトすると考えられます。
7. まとめ
Rebaseの2027年3月期第1四半期決算は、 オフィス移転に伴う一時費用計上によって営業赤字 となったものの、 売上高前年比+15% 、実質営業利益11百万円の黒字確保 、主要KPIの着実な成長 など、本業のファンダメンタルズは極めて堅調であることが確認できました。
Google連携や大手施設事業者とのアライアンス拡大など、プラットフォームのネットワークエフェクトを強める施策も継続して打ち出されており、下期の需要期に向けて今後の業績推移が注目されます。
個別の投資に関する推奨やアドバイスを提供することを意図しておりません。ここで述べられている意見や見解は、あくまでも各記事の個人的見解です。