
【深層分析】fonfun 2027年3月期第1四半期決算:「プロジェクトフェニックスII」始動とDXロールアップ戦略による非連続成長の全貌
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公開日時: 2026/08/13 10:02
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株式会社fonfun(証券コード: 2323)は、2027年3月期 第1四半期の決算補足説明資料を公表しました。本レポートでは、資料に掲載された業績データ、事業の進捗、ならびに新たにスタートした第二次中期経営計画「プロジェクトフェニックスII」の内容について、多角的かつ詳細に整理・解説します。
1. 2027年3月期 第1四半期 業績ハイライトと進捗状況
当第1四半期(2026年4月〜6月)において、fonfunはM&Aの積極的な展開と既存事業のシナジー創出により、 売上高・各種利益ともに大幅な前年同期比プラス を記録しました。
まずは、当第1四半期の主要な業績トピックをまとめた以下のスライドをご覧ください。

スライド解説:第1四半期決算ハイライトの重要性
このスライドは、新中期経営計画のロケットスタートを象徴する 決算サマリー です。当第1四半期の 売上高は839百万円(前年同期比195.2%増) 、調整後営業利益(EBITDA)は156百万円(前年同期比151.4%増) と、大幅な増収増益を達成しました。事業面では、2026年5月に営業支援SaaS「セールスパフォーマー」を取得しストック収益を積み増したこと、また3月に買収したDXセグメント子会社「YNP」の新卒8名入社に伴う一時費用が発生したことが示されています。財務面でも、 自己資本比率40%以上を維持 しており、積極的なM&Aを進めながらも財務の健全性をしっかりと確保している点が読み取れます。
損益計算書(P/L)の詳細データ分析
損益計算書の各指標は以下の通りです。
- 売上高 : 839百万円 (前年同期比 195.2% / 対通期予想進捗率 23.3%)
- 調整後営業利益(EBITDA) : 156百万円 (前年同期比 151.4% / 対通期予想進捗率 21.7%)
- 営業利益 : 73百万円 (前年同期比 118.3% / 対通期予想進捗率 15.5%)
- 経常利益 : 60百万円 (前年同期比 101.8% / 対通期予想進捗率 13.5%)
- 親会社株主に帰属する四半期純利益 : 66百万円 (前年同期比 111.9% / 対通期予想進捗率 14.8%)
- 一株当たり当期純利益(EPS) : 3.15円
- 自己資本利益率(ROE) : 19.3% (年換算値)
一見すると営業利益や経常利益の通期進捗率が13%〜15%程度にとどまっているように見えますが、これは当期中に発生した一押しの費用( セールスパフォーマーの買収に伴うM&A仲介手数料等の費用約30百万円 、YNP社の新卒採用費用、M&A DX社の持分法損失約8百万円など)が直接控除されたためです。これらの 一時費用等を除いた実質的な営業利益の進捗率は22%強 となり、売上高進捗率(23.3%)と同等レベルで順調に推移しています。
2. 財務基盤と貸借対照表(B/S)の構造変化
積極的なM&A戦略(DXロールアップ)を推進していることから、総資産の拡大と負債の変動が進んでいます。
- 総資産 : 3,481百万円 (前年同期比 1,320百万円増)
- 固定資産が981百万円増加(M&A実行により、のれん・顧客関連資産が716百万円増加)。
- 現預金は785百万円を確保(前年同期比 102百万円増)。
- 負債の部 : 2,001百万円 (前年同期比 841百万円増)
- M&A資金として新たに400百万円を借り入れたこと等により、有利子負債は1,613百万円(前年同期比 691百万円増)に拡大。
- 純資産の部 : 1,479百万円 (前年同期比 479百万円増)
- 利益剰余金の積上げ(430百万円増)などが寄与。
- 1株当たり純資産(BPS) : 66.80円
- 自己資本比率 : 40.3% (前年同期の45.0%からやや縮小も、目標基準の40%以上をクリア)
借入金を活用したレバレッジ投資を行いながらも、 自己資本比率40%以上を維持 することで、安全性を崩さずに成長投資を継続する財務規律が保たれています。
3. M&A戦略「DXロールアップ」の推進状況
fonfunの非連続成長を支える最大のドライバーが、IT・DX領域およびクラウド領域の企業・事業を連続して買収・統合していく 「DXロールアップ戦略」 です。
その実績とタイムラインを示した以下のスライドを参照します。

スライド解説:M&A戦略 DXロールアップの軌跡と意義
このスライドは、同社がこれまでに実行してきたM&Aの歴史と、現在の事業ポートフォリオへの波及効果を示した 戦略ロードマップ です。fonfunは 累計11件のM&Aを実行 しており、当期(2027年3月期)においてもすでに1件(セールスパフォーマー)を完了させています。特筆すべきは、買収ターゲットを単なる拡大目的とするのではなく、 「ストック収益・リカーリング収益が確実な事業」「黒字事業」「投資回収期間5年以内」 という厳密な規律に基づき選定している点です。これにより、買収後即座に連結業績へ貢献し、のれん償却後も営業利益を生み出す構造を作り上げています。
買収トラックレコードと具体的な施策
これまでの主な買収事例としては、以下の企業・事業が挙げられます。
- i-Macss (2024年2月): SMS配信事業(事業譲受)
- ZeroOne (2024年4月): ノーコード業務SaaS(事業譲受)
- selfree (2024年7月): クラウド電話SaaS(持分100%)
- Gluecode (2024年8月): DXエンジニア派遣(株式100%)
- YNP (2026年3月): SES事業(株式100%、エンジニア141名が参画)
- セールスパフォーマー (2026年5月): 営業可視化クラウドSaaS(事業譲受、年間売上規模約2.27億円、EBITDA約1.36億円)
これらの案件積み上げにより、 DX事業(SES/受託開発)のエンジニア体勢は220名規模に拡大 し、クラウド事業のSaaSプロダクトラインナップも飛躍的に拡充されました。
4. 第二次中期経営計画「プロジェクトフェニックスII」の全体像
fonfunは、第一次中期経営計画(2024年3月期〜2026年3月期)における目標を計画通り達成し、新たな成長ステージとして 第二次中期経営計画「プロジェクトフェニックスII」(2027年3月期〜2029年3月期) を開始しました。
中期的な成長イメージを表した以下のスライドを確認します。

スライド解説:2029年3月期に向けた業績推移イメージ
このスライドは、fonfunが目指す中長期の 飛躍的な成長曲線 を描いた最も重要な数値目標資料です。2023年3月期には売上高6.38億円、EBITDA 0.83億円であった同社ですが、第一次中計を経て2026年3月期には売上高21.11億円、EBITDA 4.53億円まで急成長しました。そして、今回の「プロジェクトフェニックスII」最終年度である 2029年3月期には、売上高100億円、EBITDA 20億円、時価総額目標300億円 というメガゴールを掲げています。グラフが示す通り、オーガニックな成長に加え、M&Aによる非連続な積み上げを組み合わせることで、高角度な右肩上がりの成長計画となっています。
中期経営計画における3つの重点戦略
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事業戦略(AIドリブン経営とストック収益拡大)
- DXロールアップの継続 : SaaSやSES企業の買収を継続。
- 高収益化 : SaaSプロダクトによる 定額ARR(ストック収益) と、SES・運用保守による リカーリング収益 を最重要視し、質の高い安定収益基盤を構築。
- AIドリブン経営 : 単なる業務効率化にとどまらず、M&Aソーシング、DD(デューデリジェンス)、PMI(買収後の統合プロセス)、さらには開発現場まで あらゆる業務にAIを組み込む 「with AI」企業へ変革。
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財務・ファイナンス戦略
- 資金調達想定 : M&A買収資金として 50億円規模の調達 を想定(シニアローン等のデット調達を中心に設計)。
- 資本効率と希薄化抑制 : 既存株主の希薄化を極力抑えるため、D/Eレシオ(1.0〜1.5倍以内)を管理し、1株当たり指標( EPS・BPS )の成長を強く意識。
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IR戦略
- 個人投資家向けの情報発信に加え、 機関投資家・プロ投資家を意識した開示情報の充実 を図り、ROE・ROIC・WACCなどの資本コストを意識した経営情報を透明化。
5. 2027年3月期 通期業績予想と今後の注目ポイント
2027年3月期(通期)連結業績予想
- 売上高 : 3,599百万円 (前期比 170.4%)
- 調整後営業利益(EBITDA) : 721百万円 (前期比 159.1%)
- 営業利益 : 472百万円 (前期比 195.0%)
- 経常利益 : 447百万円 (前期比 164.9%)
- 親会社株主に帰属する当期純利益 : 446百万円 (前期比 105.1%)
- 予想EPS : 21.26円
- 予想ROE : 28.6%
なお、この通期業績予想には 今後新しく実行されるM&Aによる業績上振れ分は含まれていません 。そのため、期中に新たなM&Aが成立・開示された場合には、さらなる業績の上積みが期待される構造となっています。
今後の注目ポイントまとめ
- M&Aパイプラインの拡大 : 過去3年で1,500件超の案件精査実績を持ち、買収ターゲットの規模を売上30億円前後、投資規模〜20億円(EBITDA倍率5倍以内)まで拡大。
- 「AIドリブン」による生産性改革 : 「SaaS is dead」と称されるAI時代の環境変化に対応し、自社ノウハウの顧客向け外販やBPO効率化を実現できるか。
- 資本コスト・株主還元 : 2025年に創業以来初の配当を実施したことに続き、BPS・EPSの拡大を通じた中長期的な株主価値の向上が図られるか。
fonfunは、再生フェーズを完了し、 「AIドリブンなDXテクノロジーカンパニー」 として100億円企業を目指す新しい成長サイクルへと本格的に舵を切っています。
個別の投資に関する推奨やアドバイスを提供することを意図しておりません。ここで述べられている意見や見解は、あくまでも各記事の個人的見解です。