
キッズスター(248A)2026年12月期 第2四半期決算ディープダイブ:減収減益も計画通りの進捗、媒体価値回復と海外展開で巻き返しへ
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公開日時: 2026/08/12 09:58
Sentiment Analysis

株式会社キッズスター(証券コード:248A)の 2026年12月期 第2四半期決算 は、前年同期のスポット受託案件の反動減や、成長力・収益性の回復に向けた投資コストの増加により 前年同期比で減収減益 の着地となりました。一方で、リアルイベント事業等の開催機会が下期に集中する事業構造を反映した 通期業績予想に対する進捗率は計画通り で推移しています。
本レポートでは、公表された決算説明資料に基づき、上期業績の要因分析から主力アライアンス型子ども向け社会体験アプリ「ごっこランド」の各種KPI、リアルイベント展開、急成長をみせる海外事業「Gokko World」の動向、経営体制の強化に至るまで、 10個の重要トピック を軸に深く掘り下げて解説します。
1. 第2四半期累計業績と通期業績予想に対する進捗状況
2026年12月期 第2四半期累計期間(上期)の業績は、 売上高5億5百万円(前年同期比13.0%減) 、営業利益5,500万円(同63.4%減) 、四半期純利益3,400万円(同64.5%減) となりました。

上記の通り、上期の業績は前年同期比で減収減益となっているものの、会社側が掲げる通期業績予想( 売上高11億7,600万円 、営業利益1億1,900万円 、当期純利益7,100万円 )に対する進捗率は、 売上高で43.0% 、営業利益で46.1% 、四半期純利益で48.4% に達しています。
この進捗状況が重要視される理由は、同社のビジネスモデルにおける 季節性 にあります。特にリアルイベント事業などの開催が下期に集中する計画となっているため、上期の進捗率は事前に見込んでいた想定の範囲内であり、 「通期計画通りの順調な推移」 であると評価されています。
2. 減収および利益圧迫の要因分析
上期の売上高および利益が低下した背景には、明確な構造的・施策的要因が存在します。
- 売上高の要因 :主力である「ごっこランド」の ストック収入(月額出店料等)は安定的に推移 したものの、前期に一括計上された大規模なスポット受託案件の反動減が大きく影響しました。この受託案件の影響を除いたベースの売上高に関しては、 前年同期と概ね同水準 を維持しています。
- 利益面の要因 :将来の成長力回復と収益性改善を目的に、 人件費、減価償却費、広告宣伝費 などの投資費用を積極的に計上したことが利益を圧迫しました。具体的には、ホーム画面の改修や人気IP連携、海外体制の構築に伴うコスト増が挙げられます。
第2四半期単体(4〜6月)の業績を見ても、売上高2億5,100万円、営業利益2,500万円と、第1四半期(売上高2億5,300万円、営業利益2,900万円)と同水準の利益レベルで推移しており、底打ちから回復に向けた準備段階にあることが伺えます。
3. 国内「ごっこランド」のKPI推移:累計DL数とプレイ回数
国内における「ごっこランド」の利用指標は、成長基盤の健全性を示す重要なバロメーターです。
- 累計ダウンロード数 :2026年6月時点で 900万端末を突破 し、右肩上がりの順調な伸びを継続しています。
- プレイ回数 :一時期伸び悩みがみられたものの、 5月28日に実施したホーム画面の大幅改修 および 7月9日から開始されたグローバル人気IP「パウ・パトロール」とのコラボ施策 により、第3四半期以降での明確なプレイ回数の回復・底上げが見込まれています。
4. パビリオン数の推移とクライアント企業の動向
企業のデジタルマーケティング・CSR活動の場として提供される「パビリオン(出店企業数)」は、同社のストック収益の基盤です。

2026年6月末時点での パビリオン出店数は93店 となりました。上期において 新規出店を5店獲得 した一方で、 8店の退店が発生 したため、差し引きで 3店の純減 となりました。
この退店増加の背景には、昨今の 円安や原材料価格の高騰 に伴い、クライアント企業側で広告予算や出店方針の厳密な選別・見直しが行われたことがあります。同社はこの課題に対し、単なるアプリ内出店にとどまらない「複合的な価値提案」と「出店後の効果測定・フォロー体制の強化」を進め、 解約率の低減(継続率の向上)と新規獲得の再加速 を図っています。
5. 媒体価値向上に向けた短・中期施策
出店企業の満足度を高め、エンゲージメントを向上させるため、以下の施策が強力に推進されています。
- 短期施策(人気IPコラボ) :映画公開時期に合わせて世界的に大人気のキッズ向けIP 「パウ・パトロール」との図鑑くじコラボ を開始(7月9日〜)。過去のIPコラボ(仮面ライダーゼッツ等)ではリリース前後で 約20%のプレイ回数増加 を記録した実績があり、今期も同様のトラフィック底上げ効果が期待されています。
- 中長期施策(ホーム画面改修) :子どもたちが多様なパビリオンに出会いやすい UI/UX へ刷新(5月28日実施)。ユーザーの回遊性を高めることで、媒体価値の中核である 総プレイ回数の拡大 と出店企業の訴求力最大化 を狙っています。
6. リアルイベント事業の拡大とシナジー創出
デジタルアプリ「ごっこランド」とリアル体験を融合させるイベント事業は、新たな収益軸として成長を続けています。
- ごっこランドEXPO :アプリ出店企業を対象としたリアル体験イベント。上期は計画通り 10ヶ所で開催し、総来場者数は22,308名 を記録しました。下期はさらに規模を拡大し、 15ヶ所での開催 を予定しています。
- ごっこCOLLECTION(新ブランド) :アプリ未出店の企業をターゲットとした新イベントブランドを立ち上げ、 2026年9月に初回開催 を予定。すでに当初計画(5開催)を上回る受注枠を確保しており、新規クライアント開拓のフックとして機能しています。
- 大型ファミリーイベントへの参画 :9月には兵庫県で開催される 1万人規模の大型ファミリーイベント の運営に参画予定であり、地域パートナーとの連携を通じたリアル接点の創出を進めています。
7. 海外市場「Gokko World」の急成長と現地展開
国内の少子化や市場成熟を見据え、同社が注力しているのが東南アジアを中心とした海外展開「Gokko World」です。

海外市場における各種数値は 著しい拡大トレンド を示しています。
- ベトナム :2025年4月の子会社設立に続き、2026年5月には現地IT企業の GIANTY社とパートナーシップを締結 。さらに、5月20日から開始した 「ドラえもん」とのコラボ効果 により、5〜6月の月間プレイ回数が急激に跳ね上がりました。「キューピーベトナム」に続く現地での新たな出店企業決定も間近となっています。
- タイ :累計ダウンロード数42万 、月間プレイ回数184万回 を突破。リリース直後にAndroidゲーム教育部門で1位を獲得し、日系および現地大手企業への営業を展開中です。
- インドネシア :人口ボーナス市場の強い追い風を受け、 累計ダウンロード数83万 、月間プレイ回数236万回 と想定以上のスピードで拡大。提供価値の現地最適化を進めています。
全体の月平均プレイ回数においても、海外エリアの構成比が急速に高まっており、中長期的な マネタイズ(現地企業からの広告・パビリオン収益化) に向けた基盤が着々と構築されています。
8. ガバナンス・経営体制の強化(代表取締役2名体制)
迅速な意思決定と組織のスケールに対応するため、 2026年8月1日付で代表取締役2名体制へ移行 しました。
- 平田 全広 氏(代表取締役) :開発部門および営業部門を担当し、既存プロダクトの価値向上と国内営業に注力。
- 松本 健太郎 氏(新任代表取締役) :経営戦略、国内新規事業、海外事業、コーポレート部門を担当。KIDS STAR Vietnamの社長も兼任。
明確な役割分担を行うことで、急速に拡大する海外事業や新規事業の意思決定スピードを向上させ、経営基盤の安定化を図ります。
9. 収益性・継続率改善に向けた中長期取り組み
クライアント企業の販促予算厳格化に対応するため、同社は 2026〜2027年に向けた重点施策 を整理しています。
- ユーザー接点の強化 :ホーム画面改修や人気IP連携によるプレイ回数・エンゲージメントの維持。
- クライアント支援の多角化 :店頭端末や大型タブレットでの「ごっこランド」コンテンツ活用、リアルイベント連動型販促の提供。
- 継続率(LTV)の改善 :業種・目的に応じた個別提案、アップセル・クロスセルの推進、出店後の定期フォローと振り返り提案の徹底。
10. 総合まとめと今後の着眼点
2026年12月期 第2四半期のキッズスターの決算は、一見すると減収減益という厳しい数値に見えますが、その背景には 「前期スポット案件の反動」「先行投資によるコスト増加」「下期偏重の事業計画」 という明確な理由が存在します。
事業の根幹である「ごっこランド」の累計DL数は900万を突破して成長を維持しており、IPコラボやUI改修によるメディア価値の復調、リアルイベント事業の順調な拡大、そして ベトナム・タイ・インドネシアでの「Gokko World」の急成長 など、成長ドライバーは着実に種まきされています。
今後は、下期に向けたリアルイベントの収益寄与、IPコラボ施策による国内プレイ回数の回復度合い、そして海外市場でのマネタイズ事例の確立が、同社の業績軌道を見極める上で重要なポイントとなります。
個別の投資に関する推奨やアドバイスを提供することを意図しておりません。ここで述べられている意見や見解は、あくまでも各記事の個人的見解です。