
【深掘り決算レポート】リグア(7090)2027年3月期第1四半期決算と中期経営計画の全貌
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公開日時: 2026/08/06 11:05
Sentiment Analysis

株式会社リグア(証券コード: 7090)の2027年3月期第1四半期決算資料および中期経営計画に基づき、業績の現状、セグメント別動向、主要KPIの推移、そして中長期の成長ストーリーを総合的に分析・解説します。
1. 2027年3月期 第1四半期 決算ハイライト:営業黒字の定着と損益の劇的改善
リグアの2027年3月期第1四半期(1Q)実績は、 売上高6億3,800万円(前年同期比4.3%減) 、営業利益3,100万円(前年同期は1,000万円の赤字) 、経常利益2,300万円(前年同期は2,600万円の赤字) 、親会社株主に帰属する四半期純損失900万円(前年同期は6,500万円の赤字) となりました。
売上高は前年同期比で微減となったものの、損益面では 2四半期連続で営業黒字を達成 し、前年同期の赤字から大幅なV字回復を果たしています。

スライド解説:決算ハイライトの重要性と背景データ
上記スライド(ページ2)は、今期の業績スタートダッシュがどのような着地を見せたかを示す最も重要なシートです。
特に注目すべきは、 通期営業利益予想(7,100万円)に対する1Q進捗率が43.7% 、通期経常利益予想(4,000万円)に対する進捗率が57.5% に達している点です。売上高の通期進捗率は24.5%と標準的な巡航速度であるのに対し、利益面の進捗が突出して高い背景には、前期に実施した ファイナンシャル事業の再編 および 全社的な販管費・固定費の抜本的圧縮 の効果が収益構造へ着実に寄与し始めたことが挙げられます。特別損失の計上により純損益はわずかにマイナスを残したものの、本業の稼ぐ力は明白に反転しています。
2. コスト構造改革の成果とセグメント別分析
連結損益計算書を細分化すると、 売上原価が2億7,100万円(前年同期比10.6%増) へ上昇した一方で、 販管費が3億3,600万円(前年同期比22.1%減、金額ベースで9,500万円の削減) と大幅に減少しています。これが営業利益率 4.9%(前年同期比+6.4ポイント) への浮上を支えた主要因です。
セグメント別の状況は以下の通りです。
- ウェルネス事業
- 売上高 : 4億9,000万円(前年同期比6.1%減)
- 営業利益 : 2,800万円(前年同期比54.3%減)
- 解説 : 前年同期に大きかったコンサルティング(M&A手数料)の反動減があったものの、基幹プロダクトである IFMC.(イフミック)関連製品 や機材・消耗品などの売上は着実に推移しました。M&A手数料減に伴う荒利益率低下の影響を受けつつも、しっかりと営業黒字を維持しています。
- ファイナンシャル事業
- 売上高 : 1億4,800万円(前年同期比2.2%増)
- 営業利益 : 200万円(前年同期は7,100万円の赤字)
- 解説 : 前期に金融商品仲介業(IFA)等の事業再編を実施し、事業領域を 保険代理店事業 へ集約・特化した結果、固定費が劇的に減少しました。実質的な売上伸び率をキープしながら、前年同期の巨額赤字から脱却して営業黒字化を達成しました。
3. 事業基盤を支える主要KPIと現場支援施策
同社が中長期的なストック収益基盤として最重要視しているのが、接骨院を中心とする顧客ネットワークと機能性素材「IFMC.」の導入基盤です。

スライド解説:KPI推移が示すストック基盤の拡大
上記スライド(ページ10)は、同社の長期的成長力を測るための3大指標を示しています。
- 取引実績のある接骨院数 : 2023年3月期の4,536院から右肩上がりで増加し、 2027年3月期1Qには5,622院 へ到達。
- IFMC.導入院数 : 2023年3月期の1,163院から順調に積み上がり、 2027年3月期1Qには2,094院 (接骨院全体の約37%に浸透)を突破。
- 保険KPI : 新規契約者数は446件、新規ANPは2億1,400万円となり、再編後も安定した新規獲得力を維持。
これらのデータは、同社が接骨院業界において圧倒的な顧客基盤を確立していること、さらにそのネットワークを通じて高付加価値なIFMC.商材を水平展開するプラットフォーム構造が完成しつつあることを実証しています。
また、今期注力している 「IFMC.現場支援プロジェクト」 では、同社社員が直接接骨院の現場に赴き、血流スコープ等を用いた患者体験の可視化や院内スタッフの提案スキル向上を直接サポートしています。これにより物販成約率が約30%に達するなど現場での評判が高まり、 「Dr.Supporter」などのリピート注文・EC経由の自動再購入(ストック収益化) へとつながる好循環が生まれています。
4. 2027年3月期 通期業績予想と黒字転換の展望
2027年3月期の通期連結業績予想は以下の通り据え置かれています。
- 売上高 : 26億8,000万円(前期比8.0%増)
- 営業利益 : 7,100万円(前期は1億2,300万円の赤字)
- 経常利益 : 4,000万円(前期は1億6,000万円の赤字)
- 親会社株主に帰属する当期純利益 : 1,200万円(前期は2億4,100万円の赤字)
前期末で完了した事業構造改革により固定費負担が軽くなったことに加え、ウェルネス事業におけるIFMC.関連売上の挽回と保険代理店事業の安定成長により、 全社での営業黒字化および純損益の黒字転換 を見込んでいます。
5. 新中期経営計画(2027年3月期〜2029年3月期)の成長ストーリー
同社は、2027年3月期からの3ヵ年を対象とする新たな 中期経営計画 を公表しています。テーマは 「再建」「深耕」「拡張」 の3段階プロセスです。

スライド解説:中期経営計画における営業利益積み上げロードマップ
上記スライド(ページ17)は、同社がどのような軌跡で利益を再拡大させるかを示す定量的ロードマップです。
過去の業績推移を見ると、同社は2021年3月期に過去最高の営業利益2億4,700万円を記録した後、事業再編や先行投資の影響で2024年3月期〜2026年3月期にかけて赤字が続く「事業再編期」を経験しました。
本中期経営計画では、このトンネルを抜け出し、 「再成長期」 へと入ることが宣言されています。
- 2027年3月期(再建) : 営業利益 7,100万円 (原点回帰と黒字化)
- 2028年3月期(深耕) : 営業利益 1億3,000万円 (既存顧客の深耕・D2C強化)
- 2029年3月期(拡張) : 営業利益 2億9,000万円 (予防分野への拡張、過去最高益の更新)
売上高計画も2027年3月期の26億8,000万円から、2028年3月期に27億6,000万円、2029年3月期には 31億6,000万円 へと拡大し、 最終年度の営業利益率は9.2% を目指す計画となっています。
6. IFMC.テクノロジーの独自性と多角化戦略(D2C・海外・他社コラボ)
成長の原動力となる IFMC.(イフミック: 集積機能性ミネラル結晶体) は、テイコク製薬社との共同研究開発等により、 血中一酸化窒素(NO)量の増加、血管拡張、バランス能力向上 に関する特許(特許第6557442号)を取得している独自性の高い機能性素材です。
同社はこれまで接骨院向けBtoB(「Dr.Supporter」等)を中心に展開してきましたが、中計期間中には以下の多角化戦略を推進します。
- 接骨院向けEC・D2C分野の開拓 接骨院の施術で効果を体感した患者が、自宅ケアのために専用ECサイトから継続購入する 「BtoBtoCストックモデル」 を確立。
- 他社ブランド・異業種コラボ(アパレル・ヘルスケア) 「WWS Health+」やアパレルブランド(doublet、O0u等)とのコラボレーションを通じて、加工素材としてのライセンス・製品供給を行い、認知拡大と新たな収益源を創出。
- グローバル展開(ベトナム市場への本格進出) 株式会社TBMおよびベトナムの流通大手「GREEN HOLDING SPORT」との3社アライアンスを締結。現地におけるスポーツサポーターやヘルスケア製品の販売体制を構築し、東南アジア市場の需要を捕獲。
7. 総括
リグアの2027年3月期第1四半期決算は、前期までの構造改革の成果が明確な数値となって表れ、 営業黒字化への定着を印象づける良好なスタート となりました。
接骨院顧客ネットワーク(5,622院)と特許素材IFMC.(導入2,094院)という強固な事業基盤をテコに、現場支援によるストック収益化、他社コラボ、海外展開を推し進めることで、中期経営計画の最終年度である2029年3月期に向けた 「再成長ストーリー」 が本格的に始動したと言えます。
個別の投資に関する推奨やアドバイスを提供することを意図しておりません。ここで述べられている意見や見解は、あくまでも各記事の個人的見解です。