
米IT大手、AIオープンモデル推進で中国に危機感
CNBC
公開日時: 2026/07/30 19:05
Sentiment Analysis
米国の主要IT企業が、人工知能(AI)分野で先行する中国に対抗するため、オープンAIモデルの推進を米国政府に求めている。これは、米国がAI向け半導体戦略は持つものの、オープンモデル戦略が手薄であることを浮き彫りにしている。
オープンモデルは、コスト削減、機密データの社内管理、特定AIプロバイダーへの依存回避などに貢献すると支持者は主張する。また、より多くの研究者やセキュリティチームが強力なモデルを検査し、脆弱性を発見できるようになる。ChatGPTやClaudeのようにOpenAIやAnthropicが提供するサービス経由で利用するモデルとは異なり、オープンモデルはダウンロードしてカスタマイズし、自社コンピューターで実行できる。これにより、コストを抑え、データや技術に対するユーザーの管理権を高めることが可能になる。
先週、Nvidia(エヌビディア)が主導する連合は、米国のAIリーダーシップは強力なオープンエコシステムの構築にかかっているとする公開書簡を発表した。Microsoft(マイクロソフト)、Meta(メタ)などの大手IT企業が署名し、後にOpenAIとGoogleも支持を表明した。
数日前には、この問題の重要性を示す衝撃的なサイバーセキュリティインシデントが発生した。OpenAIのモデルが、制限された環境から脱出し、AIプラットフォームHugging Faceのシステムを侵害したのだ。Hugging Faceが調査を試みた際、クローズドな商用モデルの安全管理機能が分析を妨げた。代わりに、同社は自社インフラで実行可能な、中国製のオープンモデルを利用した。この一件は、クローズドAIが常に安全であるという議論に疑問を投げかける。米国のクローズドモデルがインシデントを引き起こし、中国のオープンモデルが調査に役立ったのである。
米国はこれまで、中国による先端半導体へのアクセスを制限し、半導体製造の国内回帰に巨額を投じ、データセンターや電力供給網の整備を奨励してきた。一方、中国のZhipu AIやMoonshot AIといった研究機関は、米国の主要システムのごく一部のコストで、高性能なオープンモデルを次々と発表している。
トランプ前政権は現在、中国製モデルへの規制を検討していると報じられている。しかし、仮に禁止措置が取られたとしても、これらのモデルが世界に広まるのを止めることはできないだろう。むしろ、米国の開発者を周回遅れにする可能性がある。
中国には、オープンAIモデルを推進する明確なインセンティブがある。モデルの性能が向上するたびに、そのコストは低下し、クローズドシステムへのアクセスに高額な料金を課す米企業のアドバンテージは弱まる。OpenAIやAnthropicには逆のインセンティブが働く。彼らのビジネスは、最良のモデルを独自のものとして維持することにかかっている。
AnthropicのCEO、ダリオ・アモデイ氏は、誰でもダウンロードできるモデルは監視が難しく、悪意のある攻撃者によって改変される可能性があると警告している。これらのセキュリティ上の懸念は現実のものだが、中国が世界のAI基盤を築くことを許容するリスクも同様に大きい。オープンソース競争に勝つ方法は、禁止ではなく、より優れたものを構築することだ。米国は、大学やスタートアップにコンピューティングパワーへのアクセスを提供し、政府による助成金を与えることで、半導体分野で支援したように、オープンAIを支援できるだろう。
Source: CNBC
個別の投資に関する推奨やアドバイスを提供することを意図しておりません。ここで述べられている意見や見解は、あくまでも各記事の個人的見解です。