
マイクロン株、AIブームの持続性に懸念で急落
Finbold
公開日時: 2026/07/26 02:15 JST
Sentiment Analysis
半導体大手のマイクロン・テクノロジー(MU)の株価が、過去1ヶ月で約25%下落しました。2026年6月末に付けた過去最高値付近から大幅に値を下げており、AI(人工知能)ブームによるメモリ需要の持続性に対する投資家の懸念が背景にあると考えられます。
同社は記録的な売上高、利益、利益率を達成したにもかかわらず株価が下落したことは、多くの投資家を驚かせました。しかし、この下落は、将来のメモリチップ供給量の増加、バリュエーション(企業価値評価)のリスク、急騰後の利益確定売り、そして半導体セクター全体の広範な弱さが反映されたものと見られています。
株価の下落は、マイクロンが2026年度第3四半期の好決算を発表した直後に始まりました。同社は四半期売上高が前年同期比346%増の414億6000万ドル、調整後1株当たり利益は25.11ドルと、ウォール街の予想を大きく上回る記録的な業績を報告しました。粗利益率は約85%に達し、経営陣は第4四半期の売上高を約500億ドルと予測していました。
株価急落の要因
好決算にもかかわらず株価が大きく値を下げた一因は、AI向けメモリ需要の急増を受けて過去1年間で700%以上も上昇した株価に対する利益確定売りが加速したことです。決算発表後の急騰を受けて、多くの投資家が利益を確定する動きに出ました。
また、メモリ業界特有の「サイクリック(循環的)」な性質も懸念材料です。マイクロンはAIインフラに不可欠なHBM(ハイバンド幅メモリ)、DRAM、NANDフラッシュメモリの供給不足から恩恵を受け、価格と利益率が過去最高水準に達しました。しかし、投資家は業界がサイクルのピークに近づいているのではないかと懸念しています。歴史的に、高い収益性は新たな設備投資を呼び込み、最終的には供給過剰、価格低下、利益率の悪化につながる傾向があります。そのため、現在のマイクロン社の収益力が長期的に持続可能かどうかが市場で問われています。
さらに、サムスン電子やSKハイニックスといった競合他社がメモリ生産能力拡大に向けた投資を加速させていることも、将来の供給懸念を強めています。これらの積極的な設備投資計画は、現在の供給不足が数年以内に緩和されるとの見方を強めています。加えて、中国のメモリメーカーCXMTが競争相手として台頭しており、一部の顧客が代替サプライヤーの検討を始めているとの報道もあり、マイクロン社の将来的な価格決定力への懸念も浮上しています。
今回の株価下落は、半導体関連やAI関連株全般の弱さと重なっています。投資家はAIインフラへの支出をますます精査しており、ハイパースケーラー(巨大クラウドサービスプロバイダー)がデータセンターへの巨額投資から十分なリターンを生み出せるのか疑問視しています。AI関連支出の伸び鈍化や、大手テクノロジー企業によるカスタムチップ開発への懸念も、AIハードウェア関連株へのセンチメント(市場心理)をさらに圧迫しています。
株価は調整局面に入りましたが、投資家は循環的な性質を持つ利益に対して割高なバリュエーションを付けることに依然として慎重です。過去1年間で700%以上も上昇した後では、将来の収益性に関するわずかな懸念でも、株価の急激な再評価を引き起こす可能性があります。
今後の見通し
一方で、マイクロン社の短期的な見通しは依然として堅調です。同社は、顧客からの数十億ドル規模のコミットメントに裏打ちされた長期供給契約を確保しており、先進的なメモリ技術や米国内の新規製造施設の開発にも投資を続けています。経営陣は、メモリ市場の状況が少なくとも2027年まで逼迫した状態が続き、その後は緩やかな供給改善にとどまると予想しています。
Source: Finbold
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