
モバイルファクトリー (3912) 2026年12月期 第2四半期(中間期)決算ディープダイブレポート
StockClub
公開日時: 2026/07/24 09:51
Sentiment Analysis

モバイルファクトリー (3912) 2026年12月期 第2四半期(中間期)決算ディープダイブレポート
株式会社モバイルファクトリーは、2026年12月期 第2四半期(中間期)の決算説明資料を公開しました。本レポートでは、同社の最新の業績、事業状況、そして今後の成長戦略について、資料に基づき詳細に分析します。
1. 2Q累計期間の業績ハイライトと過去最高達成
2026年12月期第2四半期累計期間(1月~6月)において、モバイルファクトリーは 過去最高の売上高と営業利益を達成 しました。売上高は前年同期比1.8%増の1,686百万円、EBITDAは同2.5%増の561百万円、営業利益も同2.5%増の561百万円となりました。これは、新機能「おでかけパス」の導入や各種施策が寄与したことに加え、アプリ外課金の利用率伸長に伴うプラットフォーム手数料の減少が主な要因として挙げられます。
一方で、第2四半期会計期間(4月~6月)単独では、売上高が前年同期比2.5%減の937百万円、EBITDAおよび営業利益がそれぞれ同4.5%減の352百万円となりました。これは主に、主力の位置情報ゲーム「駅メモ!」におけるバトルイベントの開催時期変更や、一部既存商材の下振れによる影響が背景にあります。
以下のスライドは、今回の決算における主要な財務ハイライトを簡潔にまとめており、特に2Q累計期間での過去最高達成という重要な事実を視覚的に示しています。

このスライドは、 2Q累計期間の堅調な成長と、四半期単独での一時的な変動要因 を明確に示しています。累計期間での売上高と利益の増加は、同社の事業が着実に拡大していることを示唆しており、特にEBITDAと営業利益の伸びが売上高の伸びを上回っている点は、収益性の改善を示唆しています。一方で、四半期単独での減益は、イベント開催時期の調整といった一時的な要因によるものであり、事業の構造的な問題ではないことが説明されています。
2. 通期業績予想に対する進捗状況
2026年12月期の通期業績予想(売上高3,500百万円、EBITDA 1,170百万円、営業利益1,170百万円)に対し、第2四半期累計期間の進捗率は売上高で48.2%、EBITDAおよび営業利益で48.0%と、 概ね順調に進捗 しています。親会社株主に帰属する当期純利益も819百万円の予想に対し、387百万円(進捗率47.3%)と、ほぼ計画通りに推移しています。
3. 営業利益増減の要因分析
前年同期比で営業利益が14百万円増加した主な要因は、売上高の増加(+29百万円)と、アプリ外課金の利用率伸長に伴う変動費の減少(+50百万円)が挙げられます。一方で、広告宣伝費への積極的な投資(△30百万円)や諸謝金の増加(△27百万円)が減益要因となりました。これは、 成長のための先行投資を継続しつつ、収益構造の効率化も進めている 状況を示しています。
4. 累計期間の売上高・営業利益の推移と収益性
過去の累計期間の業績推移を見ると、売上高と営業利益は継続的に成長しており、特に2026年2Q累計では、売上高1,686百万円、営業利益561百万円と、 過去最高の水準を更新 しています。売上高営業利益率は33.3%と高い水準を維持しており、売上高広告宣伝費率は9.0%と、効率的なマーケティング投資が行われていることが示唆されます。
以下のスライドは、累計期間における売上高と営業利益の推移を視覚的に捉える上で非常に重要です。

このグラフは、 モバイルファクトリーが過去数年にわたり、着実に売上高と営業利益を伸ばしてきた実績 を明確に示しています。特に、営業利益率が30%を超える高い水準で安定していることは、同社のビジネスモデルの堅牢性と収益性の高さを裏付けています。また、売上高広告宣伝費率が比較的低い水準で推移していることは、既存ユーザーのエンゲージメント維持と新規ユーザー獲得のバランスが取れていることを示唆しており、持続的な成長の基盤となっていると考えられます。
5. 四半期ごとの業績推移と「駅メモ!」イベントの影響
四半期単独の業績推移では、FY2026 2Qの売上高は937百万円、営業利益は352百万円でした。前述の通り、これは「駅メモ!」のバトルイベント開催時期の変更が主な要因であり、FY2025 2Qの売上高961百万円、営業利益368百万円と比較すると減少しています。しかし、FY2026 1Qの売上高749百万円、営業利益209百万円からは大きく回復しており、 イベント開催時期の調整による一時的な変動 であることが確認できます。
6. セグメント別(モバイルゲーム・コンテンツ)の営業損益状況
事業セグメント別に見ると、 モバイルゲーム事業 は「駅メモ!」バトルイベントの開催時期変更や一部既存商材の下振れにより、営業利益が減少傾向にあります。FY2026 2Qのモバイルゲーム事業の売上高は309百万円でした。一方、 コンテンツ事業 は売上高こそ減少傾向にあるものの、効率的な運営により営業利益は安定して確保されています。FY2026 2Qのコンテンツ事業の売上高は43百万円でした。この状況は、モバイルゲーム事業におけるイベント戦略の重要性と、コンテンツ事業の安定した収益貢献を示しています。
7. 「駅メモ!」シリーズのコラボレーション戦略
主力の「駅メモ!」シリーズでは、ユーザーエンゲージメントの強化と新規ユーザー獲得のため、 積極的なコラボレーション戦略 を展開しています。伊豆大島とのデジタルスタンプラリー、JR東日本との「環ぐる旅」キャンペーン、大洗鹿島線とのコラボなど、地域や交通機関との連携を強化しています。さらに、「リリスパ」や「ようこそ実力至上主義の教室へ」といった人気IPとのコラボも決定しており、 多様なパートナーシップを通じてブランド価値向上とユーザー層拡大 を目指しています。これらのコラボレーションは、ゲーム内イベントだけでなく、リアルイベントやグッズ展開にも繋がり、多角的な収益機会を創出しています。
8. 新機能「おでかけパス」のリリースと自治体・公共weekへの出展
ユーザー体験の向上と位置情報ゲームとしての魅力を高めるため、新機能「 おでかけパス 」をリリースしました。これは、移動と収集を組み合わせた「おでかけの楽しさ」を最大化する機能です。また、地域創生への貢献を目指し、「自治体・公共Week 2026」に出展し、全国47都道府県への地域協業事業の展開を推進しています。これらの取り組みは、 「駅メモ!」のゲーム性を深めるとともに、社会貢献を通じた企業価値向上 を目指すものです。
9. 「駅メモ!」成長戦略の短期方針
今後の成長戦略として、「駅メモ!」の短期方針は以下の4つの柱で構成されています。
- 位置情報ゲーム体験の最大化 : 「移動 x 収集 x 育成」という「駅メモ!」ならではの面白さを徹底的に磨き上げ、「おでかけパス」や大規模イベント、新規商材リリース、高IPコラボの継続を通じてユーザー体験を向上させます。
- ライフログとしての進化 : 「おでかけの楽しさ」をその場限りの体験から「価値ある記録」へと変え、過去の思い出も未来の計画も楽しめるサービスへと進化させます。「おでかけカメラ」機能や「でんこの部屋(仮)」機能拡充が予定されています。
- 地域創生企業としての地位確立 : 実績を活かし、地域協業事業を全国47都道府県へ展開し、認知度を高めながら持続的な成長基盤を構築します。
- 事業基盤の安定と強化 : 広告投資を強化し、ユーザー獲得を最大化します。また、アプリ外課金や広告宣伝費への積極投資、デザインガイドラインの整備、技術的負債や開発基盤の課題解決、品質管理体制の強化を通じて、安定した開発環境と品質向上を図ります。
これらの戦略は、以下のロードマップで具体的に示されています。

このロードマップは、 「駅メモ!」の今後の成長を支える具体的な施策と、その実施時期を明確に示している ため、非常に重要です。上期にリリースされた「おでかけパス」やチュートリアル改善に加え、下期には大規模イベントの実装や新規商材リリース、そして「でんこの部屋(仮)」といった新機能の拡充が計画されています。また、事業基盤の強化に向けた取り組みも通年で進められており、 短期的な施策と中長期的な基盤強化の両面から、持続的な成長を目指す 同社の姿勢が読み取れます。
10. AI活用による生産性向上と将来の展望
モバイルファクトリーは、AI共生時代の到来を見据え、 全社的にAI活用を推進 しています。人材像の再定義を行い、採用・育成・評価のコアとなる人材定義のアップデートを準備中です。事業面では、エンジニアリング領域において、新規施策の技術的調査・設計・実装などのフローでAIを活用し、一部業務では 2倍の生産性向上 を実現しています。非エンジニア領域でも、施策設計・分析・コンテンツ企画/制作工程でAIを活用し、工数削減に加えクオリティの向上も図っています。これらのAI活用を通じて、さらなる生産性向上、サービスの安定化、より多くの施策展開、そして新規サービス開発への挑戦を目指しています。
まとめ
モバイルファクトリーの2026年12月期第2四半期決算は、累計期間で過去最高の売上高と営業利益を達成し、通期業績予想に対しても順調な進捗を示しました。主力の「駅メモ!」事業では、新機能「おでかけパス」のリリースや多様なコラボレーション、地域創生への取り組みを通じて、ユーザー体験の深化と事業領域の拡大を図っています。また、AI技術の積極的な活用により、生産性向上と将来のサービス開発基盤強化を進める方針です。これらの取り組みは、同社の持続的な成長と企業価値向上に向けた明確な戦略を示していると言えます。
個別の投資に関する推奨やアドバイスを提供することを意図しておりません。ここで述べられている意見や見解は、あくまでも各記事の個人的見解です。