
ライアンエア、燃料費高騰と運賃下落で大幅減益
MarketBeat
公開日時: 2026/07/20 06:45
欧州格安航空会社(LCC)大手のライアンエア・ホールディングス(RYAAY)は20日、2027年3月期第1四半期(4~6月期)の決算を発表し、純利益が前年同期比34%減の5億3800万ユーロとなったことを明らかにした。平均運賃の下落と、ヘッジ(価格変動リスク回避のための保険)されていなかった燃料費の高騰が、旅客数の増加を上回った形だ。
同社のマイケル・オレアリー最高経営責任者(CEO)は、純利益の減少は主に2つの要因によるものだと説明した。一つは、燃料費の約20%に相当する部分がヘッジされていなかったため、四半期中に価格が倍増したこと。もう一つは、平均運賃が6%下落したことだ。運賃下落の背景には、「中東紛争の影響」や、イースター(復活祭)の時期が前年同期にずれ込んだことなどが影響したと指摘した。また、欧州でのジェット燃料不足への懸念、経済の不確実性、予約時期の遅延なども需要と価格設定に影響を与えていると述べた。
旅客数は前年同期比6%増の6130万人と堅調だった。しかし、運賃の下落により、航空券収入は1%減の29億1000万ユーロとなった。一方、付帯サービス収入は5%増の14億7000万ユーロとなり、総収入は1%増の43億8000万ユーロを確保した。しかし、コストは収入を上回るペースで増加した。単位あたりのコストは5%増、総コストは11%増の38億1000万ユーロに達した。特に、ヘッジされていなかった燃料費の高騰が響き、1バレル150ドル超となったことが主な要因だ。
ライアンエアは、燃料価格の変動に対するリスク管理として、積極的なヘッジ戦略を強調した。オレアリーCEOは、2027年度(2026年4月~2027年3月)のジェット燃料の80%を1バレル67ドルでヘッジしていると説明。これにより、足元の原油価格の急騰から収益を守っていると述べた。さらに、2028年度の燃料についてもヘッジを開始しており、一部は1バレル85ドルでヘッジ済みだという。
財務面では、5月に12億ユーロの社債を完済したことで、「実質的に無借金」になったと強調した。同社のニール・ソラハン最高財務責任者(CFO)は、バランスシートを「要塞」と表現し、保有するボーイング737型機620機は全て担保に入っていないと説明。6月末時点での総現金は28億ユーロ超に達した。これは、13億ユーロの債務返済と5億ユーロの設備投資の後であるという。また、11億ユーロのコミットメントライン(融資枠)も、ほとんどが未利用の状態だとしている。
同社は、格付け会社フィッチとS&Pからともに「BBB+」の格付けを取得している。ソラハンCFOは、他社が高コストの借入やリースに依存する中、ライアンエアの財務基盤の強さが競争優位性につながるとの見方を示した。
さらに、7億5000万ユーロ規模の自社株買いプログラムは、9月の株主総会頃に完了する見込みだという。これまでに2500万株超を平均26.35ユーロで買い戻し、取り消した。また、1株あたり0.195ユーロの期末配当も、株主総会の承認を経て9月に支払われる予定だ。
長期的成長の鍵となるボーイング社の新型機「MAX 10」については、同社が2026年の認証取得を見込んでいることを確認したと述べた。ライアンエア向けの最初の15機は、2027年春に予定通り納入される見通しだという。
Source: MarketBeat
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