
日本プロセス (9651) 2026年5月期決算 ディープダイブレポート:記録的な業績と中期経営計画の前倒し達成
StockClub
公開日時: 2026/07/17 09:59
Sentiment Analysis

日本プロセス(証券コード: 9651)は、2026年5月期の連結決算において、 売上高、営業利益ともに過去最高を更新 し、 5期連続の増収増益 を達成しました。また、自己資本利益率(ROE)も10.0%に到達し、中期経営計画の主要目標を前倒しで達成するなど、堅調な業績推移を示しています。
2026年5月期 連結業績ハイライトと主要指標
2026年5月期の連結業績は、 売上高が121億19百万円(前年同期比+15.7%) 、営業利益が15億9百万円(前年同期比+31.8%) となりました。経常利益は15億25百万円(同+19.0%)を計上しています。当期純利益は11億38百万円となりましたが、これは前期に計上された投資有価証券売却益(8億41百万円)の剥落によるものであり、特別利益を除けば実質的に増加しています。期首計画に対しても、売上高は105.4%、営業利益は119.8%、当期純利益は120.5%と、 全ての主要項目で計画を上回る進捗 を見せました。
経営効率を示すROEは 10.0% を達成し、特別利益を除外した場合でも前年比1.8pt向上しています。株主還元においては、 7期連続となる増配 を実施し、年間配当金は1株あたり76円(前年比14円増)となりました。また、社員への還元も重視されており、全社員を対象に平均3.7%の賃上げを4期連続で実施し、業績連動賞与総額も9期連続で過去最高を更新、2025年の平均年収は885万円と9年連続で増加しています。社会貢献活動として、CSRの一環で3団体に合計1,090万円を寄付しました。
これらの主要なハイライトは、以下のスライドに集約されています。
このスライドは、2026年5月期の決算が、単に財務数値が好調であっただけでなく、 株主、社員、そして社会全体への還元という多角的な視点から成功を収めた ことを端的に示しています。特に、5期連続の増収増益、ROE10.0%達成、7期連続増配といった具体的な数値は、企業の持続的な成長と経営の安定性を示す重要な指標です。
営業利益増加の要因分析
営業利益が前年同期比で3億64百万円(+31.8%)増加した主な要因は、 増収に伴う営業利益の増加が7億16百万円 と大きく貢献したことです。一方で、 戦略的な人材投資として3億66百万円の費用が増加 しましたが、生産性の向上と販管費の抑制により、この投資を吸収し、最終的な増益を達成しました。これは、将来の成長に向けた積極的な投資を行いながらも、効率的な経営によって利益を確保するバランスの取れた戦略が奏功したことを示唆しています。
四半期業績の推移
四半期ごとの売上高は、期首から期末にかけて順調に増加傾向を示しました。営業利益および経常利益も売上高の拡大に伴い増加しましたが、第4四半期には人事採用費の増加が一時的に重荷となりました。当期純利益は、前期の投資有価証券売却益の剥落を除けば、着実に増加しています。
セグメント別業績概況
全てのセグメントで増収を達成しました。
- 制御システム: 売上高19億45百万円(+14.0%)、利益4億87百万円(+20.9%)。電力グリッドや鉄道ATOS関連の大型開発案件が順調に推移しました。
- 自動車システム: 売上高26億32百万円(+9.3%)、利益6億49百万円(+7.8%)。CASE AD/ADASや車載情報関連が好調でしたが、EV開発中止の影響で下期は伸び悩みました。
- 特定情報システム: 売上高20億13百万円(+12.3%)、利益5億23百万円(+5.6%)。危機管理関連の開発量増加や航空宇宙分野での新規案件獲得が貢献しました。
- 組込システム: 売上高18億38百万円(+24.6%)、利益3億71百万円(+38.9%)。 全セグメント中で最も高い成長率 を記録しました。半導体市場の回復を背景に体制を拡大し、IoT建設機械関連も好調でした。
- 産業・ICTソリューション: 売上高36億89百万円(+19.4%)、利益7億64百万円(+28.2%)。 売上高・利益ともに最大のセグメント であり、クラウドのガバメント向け開発や社会インフラの駅務機器開発などが牽引しました。
連結財務状況と経営効率
総資産は145億円(前年同期比+1.2億円)となり、自己資本比率は 79.7% と非常に高い水準を維持しており、 強固な財務基盤 を示しています。この健全な財務状況は、今後の事業展開や投資余力に繋がるものと考えられます。
経営効率の重要な指標である自己資本利益率(ROE)の推移は、以下のスライドで詳細に示されています。
このスライドは、ROEが2023年5月期の6.9%から2026年5月期には 10.0%へと着実に向上している ことを示しています。特に2025年5月期に特別利益(投資有価証券売却益)があった影響を排除したベースでも、ROEは8.2%から10.0%へと改善しており、 本業での収益性が高まっている ことが読み取れます。これは、資本を効率的に活用して利益を生み出す企業の能力が強化されていることを意味し、投資家にとって重要な判断材料となります。
長期的な成長トレンド
過去数期の連結売上高と営業利益の推移を見ると、2022年5月期から2026年5月期にかけて、売上高は79億47百万円から121億19百万円へ、営業利益は7億75百万円から15億9百万円へと 一貫して成長を続けています 。特に2026年5月期の売上高成長率は15.7%、営業利益成長率は31.8%と、前中期経営計画の年平均成長率を大きく上回り、 成長が加速している 状況が確認できます。
第7次中期経営計画の進捗と目標達成
2025年5月期から2027年5月期を対象とする第7次中期経営計画では、2027年5月期に連結売上高120億円以上、連結営業利益12億円以上、ROE8%以上を目標としていました。しかし、2026年5月期の実績において、 連結売上高121.1億円、連結営業利益15.0億円、ROE10.0%を達成 し、 中期経営目標を2年前倒しで達成 するという顕著な成果を上げました。
この驚異的な進捗状況は、以下のスライドで明確に示されています。
このスライドは、日本プロセスが設定した中期経営目標に対して、2026年5月期の実績がすでに目標値を大きく上回っていることを示しており、 経営陣の目標達成能力と事業戦略の有効性 を強く裏付けています。特に、連結売上高、連結営業利益、ROEの全てにおいて目標を前倒しでクリアしたことは、企業の成長モメンタムが非常に強いことを示唆しており、今後のさらなる成長への期待を高める重要な情報です。
成長戦略と注力分野
中期経営計画における成長戦略の柱は、 人材育成と技術者確保 です。T-SES(技術者スキル評価システム)レベルの向上、新規設計ができる人材の増強、AI駆動開発(GitHub Copilotなど)のノウハウ共有を通じて生産性を高め、大規模案件や新規設計案件の受注を増やしています。2026年5月期には、中途で12名、新卒で65名の技術者を採用し、離職率も3%程度で推移しており、人材戦略は順調に進んでいます。
注力事業・注力分野としては、 社会インフラのDX を掲げ、IoTやクラウド、AIなどの最新技術を用いた新たなシステム開発に注力しています。具体的には、自動車システムのAD/ADAS、ガバメントクラウドなどのクラウドシステム、特定情報システムの航空宇宙・危機管理分野での規模拡大を目指しています。
2027年5月期 業績見通しと株主還元
2027年5月期の連結業績予想は、 売上高133億80百万円(前年同期比+10.4%) 、営業利益16億65百万円(同+10.3%) と、引き続き増収増益を見込んでいます。各セグメントでは、制御システムにおける電力グリッドや鉄道関連、自動車システムのAD/ADAS、特定情報システムの航空宇宙・危機管理、組込システムの半導体市場回復とストレージ開発、産業・ICTソリューションの社会インフラDXや官公庁向け開発などが成長を牽引すると見られています。
株主還元については、2026年7月には 自己株式の取得 (88.3万株)を実施しました。2027年5月期の年間配当金は、1株あたり92円(中間配当42円、期末配当42円、特別配当8円)を予想しており、 8期連続の増配 となる見込みです。これは、安定的な配当の継続と連結配当性向66%を目標とする累進配当政策に基づいています。
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