
ラストワンマイル (9252) 2026年8月期第3四半期決算 ディープダイブレポート:成長戦略とKPIの進捗
StockClub
公開日時: 2026/07/16 11:16
Sentiment Analysis

株式会社ラストワンマイル(証券コード: 9252)は、2026年8月期第3四半期決算において、 売上収益、営業利益ともに大幅な成長 を達成しました。同社は、多角的な事業展開とM&A戦略を通じて、持続的な成長基盤の構築を進めています。本レポートでは、同社の決算ハイライト、事業戦略、主要KPIの進捗、および今後の見通しについて詳細に分析します。
1. 業績ハイライトと主要要因分析
2026年8月期第3四半期(累計期間)の連結業績は、 売上収益が前年同期比29.7%増 、営業利益が同68.4%増 と、顕著な成長を示しました。特に、 EPS(1株当たり四半期純利益)は同70.4%増 となり、収益性の改善が明確に表れています。

このスライドは、 2026年8月期第3四半期累計期間における主要な財務指標の前年同期比成長率 を簡潔に示しています。売上収益、営業利益、ストック型売上、EPSの全てにおいて高い成長率を達成しており、特に営業利益とEPSの伸びが売上収益の伸びを大きく上回っていることから、 収益性の改善と効率的な経営 が進んでいることが示唆されます。ストック型売上の着実な増加は、後述する安定的な収益基盤構築への貢献を示しています。
詳細な連結累計期間実績を見ると、売上収益は14,911百万円(前年同期比29.7%増)、営業利益は1,681百万円(同68.4%増)となりました。この増収増益の主な要因は、 主力のアライアンス事業における手数料単価向上、リード数増加に伴う販売件数の増加 、および M&Aによる新規会社の順調な推移 が挙げられます。売上原価は売上収益の伸びに比べて増加が限定的であり、売上総利益率の改善に寄与しています。販売費及び一般管理費は、アライアンス事業におけるリード数増加に伴う支払い手数料の増加により前年同期比33.2%増となりましたが、営業利益の伸びがこれを吸収し、高い増益率を維持しています。
四半期ごとの売上収益と営業利益の推移を見ると、2026年8月期は各四半期で着実に成長を続けていることがわかります。特に、 営業利益は2025年8月期から大幅な改善 を見せており、2026年8月期3Q単独では506百万円の営業利益を計上しています。これは、売上収益の増加に加え、原価・販管費いずれも計画通り順調に推移したことによるものです。

このスライドは、 過去3期にわたる売上収益と営業利益の四半期ごとの推移 を視覚的に示しています。左側の売上収益のグラフからは、2024年8月期から2026年8月期にかけて、 M&A戦略と主力事業の拡大により売上収益が着実に増加 していることが明確に読み取れます。特に2026年8月期は、各四半期で前年同期を上回る売上を計上し、成長の勢いを維持していることがわかります。右側の営業利益のグラフでは、2025年8月期に一時的な落ち込みがあったものの、 2026年8月期には大幅な回復と成長 を遂げていることが示されています。これは、売上増加に加え、コスト管理の改善や事業効率化が寄与している可能性を示唆しており、 収益性の向上トレンド を裏付ける重要なデータです。
2. ビジネスモデルとKPIの進捗
ラストワンマイルグループは、 ストック型とフロー型の両ビジネスモデル を組み合わせることで、安定的な事業基盤と成長機会の最大化を目指しています。 ストック型収益 は、顧客が継続的にサービスを利用することで得られる収益であり、クロスセルや顧客育成による単価アップも見込めるため、外部要因に左右されにくい安定した経営を可能にします。一方、 フロー型収益 は、販売を行った時点で一括で売上を得るもので、ストック型よりもイニシャルインパクトが大きい場合に選択されます。同社は、 安定的な利益基盤となるストック型商品の販売を原則 としつつ、長期的な利益を比較してフロー型の方が大きい場合はフロー型も販売する方針です。
主要KPIの進捗を見ると、ホテル事業を除くストック型売上は、2026年8月期3Q時点で5,625百万円となり、 前年同期比11.5%増 と着実に増加しています。特にインターネット回線(集合住宅向け無料インターネット事業を含む)や電気、ガス、ウォーターサーバー等の事業が伸長し、M&Aによるグループ会社の収益化も寄与しています。フロー型売上は、2026年8月期3Q時点で14,319百万円となり、 前年同期比56.1%増 と大幅に増加しました。これは、アライアンス事業におけるリード数増加に加え、電気・インターネットに関して燃料代高騰等の不確定要素が少ないこと、他社サービス取次において潤沢な販売手数料を得られることから、フロー型事業を積極的に獲得した結果です。

このスライドは、 ホテル事業を除く主要KPIであるストック型売上とフロー型売上の年間推移 を詳細に示しています。左側のストック型売上のグラフからは、 インターネット回線事業が安定的な基盤 となりつつ、電気・ガス・ウォーターサーバーなどの その他サービスも着実に成長 していることがわかります。ストック型売上の増加は、同社の 収益安定性と将来の予測可能性を高める 上で極めて重要です。右側のフロー型売上のグラフでは、 電気・ガス・インターネットといったサービスが大きく寄与 し、特に2026年8月期3Q時点での大幅な伸びは、 アライアンス事業における積極的なリード獲得と販売戦略の成功 を明確に示しています。この両輪での成長が、同社の全体的な売上拡大を牽引していることが理解できます。
同社の主力事業は、アライアンス事業、集合住宅向け無料インターネット事業、コンタクトセンター事業、ホテル事業、リスティング・メディア事業、その他事業の6つに分類されます。営業利益約1億円以上の事業を主力事業とし、長期的な営業利益を獲得できると判断した事業に経営資源を集中する方針です。
3. M&A戦略と組織再編の影響
ラストワンマイルグループは、 積極的なM&A戦略 を成長の重要な柱としています。2026年8月期においては、既存会社に加え、ベンダー、HS、SHCが既存会社となり、テルベルが新規会社として業績に貢献しています。M&Aは、事業規模の拡大だけでなく、グループ全体のシナジー創出にも寄与しており、売上収益の増加に大きく貢献しています。
中期経営方針においても、M&Aは過去実績を鑑み、同社が定める判断基準で積極的に行うことが明記されており、今後も成長戦略の重要な要素となる見込みです。
4. 中長期経営方針と成長戦略
同社の長期経営方針は、 長期的な営業利益の獲得、1株当たりの利益の最大化、株主への還元 を掲げています。中期経営方針(2025.8~2027.8期)では、以下の4つの柱を定めています。
- グループ間の業務を整理・連携を強化 し、主として主力事業の拡大に経営資源を投下することで事業の盤石化を図る。
- グループ各社が有する営業ノウハウを共有 することで平準化し、グループ営業力の強化を図る。
- M&Aは過去実績を鑑み、同社が定める判断基準で積極的に行う。
- 株主還元については、これまでの投資実績、財政状態、経営成績及びキャッシュフローの状況等を総合的に勘案し行う。
中期売上・営業利益計画では、2027年8月期に 売上収益22,000百万円 、営業利益2,208百万円 を目指しています。特にアライアンス事業と集合住宅向け無料インターネット事業が売上収益の主要な牽引役となる計画です。ストック型売上に注力し、売上収益の成長率は鈍化するものの、営業利益はグループ会社間の業務整理・システム統一等により間接業務工数を削減し、販管費の増加を抑制することで、 高い利益成長 を見込んでいます。
成長戦略のサマリーとしては、 既存の主力事業の拡大 とM&Aによる規模拡大 を「主力事業」の成長戦略として掲げています。さらに、将来的に営業利益約1億円以上を見込める事業を「新規事業」と定義し、 M&Aによる新規領域への進出 も積極的に推進する方針です。
5. 株主還元策
同社は、成長戦略の一環として、 自己株式の取得 を決定しました。取得対象株式の種類は普通株式で、上限56,000株(発行済株式総数に対する割合2.05%)、取得価額の総額は上限200,000,000円です。取得期間は2026年7月16日から2026年12月15日までで、市場買付により実施されます。この自己株式の取得は、 今後のM&A戦略や資本業務提携等の実施に備える とともに、 株主還元の一環 として位置づけられています。
EPSの推移を見ると、M&Aによる発行済み株式数の増加があったものの、 着実な利益成長によりEPSも大きく伸長 しており、株主価値向上への意識がうかがえます。
結論
ラストワンマイルは、2026年8月期第3四半期において、 主力事業の伸長と積極的なM&A戦略 により、売上収益、営業利益ともに高い成長を達成しました。特に、 ストック型ビジネスモデルの強化 と効率的なコスト管理 が収益性の向上に寄与しています。中長期経営方針に基づき、今後もM&Aを通じた事業拡大とグループシナジーの創出、そして株主還元を重視する姿勢が示されており、 持続的な企業価値向上 を目指す戦略が明確に打ち出されています。
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