
オンデック(7360)2026年11月期 第2四半期決算 ディープダイブレポート:成長市場での「クオリティ」追求と中期成長戦略
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公開日時: 2026/07/16 11:06
Sentiment Analysis

株式会社オンデック(証券コード: 7360)は、国内の中小企業を対象としたM&Aアドバイザリー事業を主軸に、投資事業、コンサルティング事業と有機的に連携し、付加価値の高いディール創出を目指すアドバイザリーファームです。2026年11月期第2四半期(2025年12月1日~2026年5月31日)の決算は、売上高が前年同期比で増加し、経常利益も改善傾向を示す結果となりました。通期の業績予想は据え置かれています。
2026年11月期 第2四半期 業績ハイライト
2026年11月期第2四半期累計期間の業績は、 売上高が416百万円 となり、前年同期比で 16.6%の増加 を達成しました。経常利益は ▲104百万円 の赤字となりましたが、前年同期の▲124百万円から赤字幅が縮小し、改善傾向が見られます。特に第2四半期単独では、売上高311百万円、経常利益12百万円と黒字転換を果たしました。
成約件数は、第2四半期単独で8件、累計で10件となりました。新規受託件数は、第2四半期単独で17件、累計で40件です。これらの数値は、事業活動の活発さを示す重要な指標となります。

このスライドは、当期の業績実績を明確に示しており、特に 売上高の前年同期比+16.6%増 という成長と、 経常利益の赤字幅縮小 という改善傾向を把握する上で極めて重要です。また、成約件数と新規受託件数も示されており、事業活動の活発さを測る指標となります。特に、第2四半期単独で経常利益が黒字転換した点は、直近の事業環境におけるポジティブな変化を示唆しています。
業績の要因分析と四半期推移
第1四半期は低調に推移したものの、第2四半期において売上高が回復し、経常利益も黒字転換しました。これは、エグゼキューションフェーズ以降の進行に課題があった前期の反省から、リアルタイムでのモニタリングを強化した社内コミュニケーションツールの活用などにより、案件管理が強化されたことが寄与しています。売上高は高単価案件の構成比に左右されやすく、パイプラインの状況が今後の業績に大きく影響する傾向が続いています。

このグラフは、オンデックの 四半期ごとの売上高と成約件数、そして経常利益の推移 を視覚的に示しており、事業の季節性や案件の大型化による業績変動の特性を理解する上で不可欠です。特に、2026年11月期第2四半期における売上高の回復と経常利益の黒字転換は、直近の事業活動が好転していることを示唆しています。一方で、過去の経常利益が赤字で推移している期間があることから、収益安定化に向けた課題も読み取れます。売上高と成約件数の連動性も見て取れ、案件の進捗が業績に直結するビジネスモデルの特性が表れています。
新規受託とパイプラインの状況
第2四半期の新規受託件数は17件、累計で40件となりました。特筆すべきは、 平均見込手数料単価が119百万円 と過去最高水準に達したことです。これにより、新規受託案件からの 見込手数料合計は2,023百万円 と、こちらも過去最高水準を記録しました。これは、大型案件を複数受託できたことが主な要因です。
案件のフェーズ別状況を見ると、5月末時点で案件化フェーズに22件、マッチングフェーズに44件、エグゼキューションフェーズに16件の案件が存在します。エグゼキューションフェーズにある案件は高い確率で成約が見込まれており、マッチングフェーズにある案件の一部も今期成約が期待されています。大型案件が複数含まれる健全なパイプラインは、通期計画達成に向けた重要な基盤となります。
コスト構造の分析
売上原価は255百万円(前年同期比+17.2%)となりました。主な増加要因は、コンサルタント数の増加に伴う 人件費の増加(+19百万円) と、成約案件の増加に伴う 案件紹介料の増加(+18百万円) です。販売費及び一般管理費は266百万円(前年同期比+0.8%)とほぼ横ばいでした。内訳では、人件費が分類変更により▲5百万円減少した一方で、オフィス賃料の値上げにより地代家賃が+4百万円増加しています。
人材戦略と組織強化
2026年11月期第2四半期累計期間において、コンサルタント数は計画に対し+2名の増加に留まりましたが、東京コンサルタントは+5名増の22名となりました。オンデックは、関連業務経験のある優秀な人材を多数獲得することを目標としており、採用KPIや採用基準の見直し、リファラル採用の強化など、 採用リードは増加傾向 にあります。積極的な採用活動を継続し、計画達成を目指す方針です。
国内中小企業M&A市場の成長機会
国内の中小企業M&A市場は、事業オーナーの高齢化と後継者不在問題が深刻化していることを背景に、潜在的な需要が大きく拡大しています。2025年には 後継者不在率が50.1% に達しており、M&Aによる事業承継のニーズは高まる一方です。また、若手起業家のイグジット手段としてもM&Aの活用が広がりつつあり、日本においてもベンチャー企業のM&Aによるイグジットが増加傾向にあります。このような市場環境は、オンデックの事業成長にとって大きな追い風となっています。
中期5カ年成長目標と主要KPI
オンデックは、M&Aアドバイザリー、投資、コンサルティングの3事業の有機的連携により、独自の事業モデルを構築し、 売上高CAGR 30%成長 と企業価値の持続的向上を目指す中期5カ年成長目標を掲げています。この目標達成に向け、以下の主要KPIを重視しています。
- 成約件数 :案件の増加と高付加価値ディールの創出
- 1人当たり成約件数 :コンサルタントの生産性向上
- 平均報酬単価 :大型案件の獲得と提案力の強化
- コンサルタント数 :優秀な人材の確保と育成

このスライドは、オンデックの 中期的な成長ビジョンとそれを実現するための具体的な財務指標およびKPI を提示しており、将来の企業価値向上への道筋を理解する上で非常に重要です。特に、 売上高CAGR 30% という高い成長目標は、同社の積極的な事業展開を示唆しています。また、この目標達成に向けた 成約件数、1人当たり成約件数、平均報酬単価、コンサルタント数 といった主要KPIの連動性が示されており、これらの指標の進捗が今後の業績を測る上で鍵となります。各KPIの向上を通じて、売上高の拡大と企業価値の向上を図る戦略が明確に示されています。
「コンサルティング・クオリティ」を追求する好循環成長モデル
オンデックは、「ONDECK WAY」に基づき、 「コンサルティング・クオリティ」の徹底追求 を成長の源泉としています。このクオリティ追求が、提携先からの高評価や元顧客からの紹介による 紹介件数の増加 に繋がり、それが堅調な案件獲得と売上高の獲得による 利益の増加 を生み出します。さらに、利益の増加が独自の選考プロセスと高い人材定着率を通じた 優秀な人材の増加 を可能にし、再びクオリティの向上へと繋がる 好循環成長モデル を構築しています。
このモデルを支えるため、育成カリキュラムの抜本的見直しやITツールを活用した案件管理体制の強化による「コンサルティング・クオリティ」のさらなる強化、そしてアライアンス強化、AIマッチング、事業領域拡大などの施策による「情報開発力(ソーシング・マッチング)」の強化を進めています。特に、 約80%の案件が紹介による受託 であることは、同社のクオリティと信頼性が高いことを示しています。
事業領域の拡大と有機的連携による提案力強化
オンデックは、M&Aアドバイザリー事業を核としつつ、 投資事業 とコンサルティング事業 との有機的連携を強化することで、顧客への提案力を高めています。投資事業では、自ら事業投資を行いハンズオン支援を通じて企業の成長を支援し、コンサルティング事業では、事業承継・IPO・成長支援など周辺領域へ支援範囲を拡大し、より高度な専門サービスを提供しています。
多様な提携先(公的機関、金融機関、証券会社、会計士・税理士、コンサル、経営者、投資会社、信用調査会社など)との双方向連携を深めることで、顧客の経営課題に対しM&Aに留まらない多角的なソリューションを提供し、情報開発力も強化しています。これにより、M&A支援だけでなく、資産運用、資金調達、IPO、戦略構築、人材採用・育成、労務、マーケティングなど、幅広い経営課題へのソリューション提供が可能となり、顧客企業との関係性を深化させています。
まとめ
オンデックは、国内中小企業M&A市場の拡大という追い風を受け、「コンサルティング・クオリティ」を核とした独自の好循環成長モデルを推進しています。2026年11月期第2四半期は、売上高の増加と経常利益の赤字幅縮小という業績改善が見られ、特に第2四半期単独では黒字転換を果たしました。過去最高水準の平均見込手数料単価と新規受託案件からの見込手数料合計は、今後の収益成長への期待を高めます。中期的な売上高CAGR 30%という高い成長目標達成に向け、主要KPIの進捗と、M&Aアドバイザリー、投資、コンサルティングの3事業の有機的連携を通じた提案力強化、そして人材戦略の実行が今後の注目点となります。
個別の投資に関する推奨やアドバイスを提供することを意図しておりません。ここで述べられている意見や見解は、あくまでも各記事の個人的見解です。