
マーキュリー (5025) 2027年2月期 第1四半期決算ディープダイブレポート
StockClub
公開日時: 2026/07/16 10:43
Sentiment Analysis

株式会社マーキュリーは、2027年2月期第1四半期(2026年3月1日~2026年5月31日)の決算を発表しました。本四半期は、2026年4月に実施されたSaaSサービスの新料金体系への移行が順調に寄与し、売上高は前年同期比で増加、各利益項目も大幅な増益を達成しました。特に、デジタルマーケティング事業が大きく成長を牽引しています。
2027年2月期 第1四半期 業績ハイライト
2027年2月期第1四半期の業績は、通期予想に対して概ね計画通りに推移しました。売上高は 4億2,100万円 (前年同期比6%増)、営業利益は 2,800万円 (同21%増)、経常利益は 3,000万円 (同19%増)、当期純利益は 2,000万円 (同22%増)となりました。売上総利益は1億8,000万円(同14%増)を達成しています。
通期予算に対する進捗率は、売上高が25%、営業利益が24%、経常利益が24%、当期純利益が26%となっています。販売管理費は、本社移転関連費用が当初計画を上回ったことにより、前年同期比12%増の1億5,200万円となり、進捗率は28%とやや先行する形となりました。
これらの業績の概況は以下の表に示されています。
この表は、前年同期と比較して売上高、売上総利益、営業利益、経常利益、当期純利益の全てが増加していることを明確に示しています。特に、利益の伸び率が売上高の伸び率を上回っており、 収益性の改善 がうかがえます。販売管理費の増加は一時的な要因によるものであり、全体としては堅調なスタートを切ったと言えるでしょう。
セグメント別業績分析
事業は主に「プラットフォーム事業」と「デジタルマーケティング事業」に分かれています。
プラットフォーム事業
プラットフォーム事業の売上高は 2億6,700万円 (前年同期比3%増)となりました。この事業は、新築マンション領域と中古マンション領域に細分化されます。
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新築マンション領域: 売上高は前年同期比7%増の 2億4,600万円 と堅調に増加しました。この成長は、2026年4月に実施されたSaaSサービスの新料金体系への移行が寄与し、 平均顧客単価(ARPU)が前年同期比9.6%増の27.4万円に大幅に上昇 したことが主な要因です。新築マンション領域では既に高いシェアを占めているため、顧客数に大きな変動はありませんでしたが、ARPUの向上が収益を押し上げました。 月次経常収益(MRR)も前年同期比7.6%増の 2億2,600万円 と安定成長を継続しています。解約率を示すレベニューチャーンレートは前年同期比で0.11pt減少し、 0.04% と非常に低い水準を維持しており、安定した顧客基盤が構築されていることが示唆されます。
新築マンション領域におけるSaaSプロダクトの平均顧客単価(ARPU)の推移は以下のグラフで確認できます。
このグラフは、顧客数がほぼ横ばいで推移する中で、平均顧客単価が着実に上昇していることを示しており、 新料金体系への移行が成功裏に進んでいる ことを裏付けています。ARPUの向上は、既存顧客からの収益最大化戦略が機能している証拠と言えるでしょう。 -
中古マンション領域: 売上高は 2,100万円 (前年同期比30%減)となりましたが、前四半期(Q4)からは回復傾向にあります。平均顧客数は 3,989社 と前年同期比14.3%増で拡大しており、事業基盤は着実に拡大しています。売上高の減少は一時的な要因と考えられ、顧客数の増加は今後の成長に繋がる可能性があります。
デジタルマーケティング事業
デジタルマーケティング事業は、売上高 1億4,000万円 (前年同期比17%増)と大幅な増収を達成し、業績を大きく牽引しました。 主力のリスティング広告運用が好調に推移し、売上高は前年同期比12%増の1億1,700万円となりました。また、サイト制作の需要が前年同期比113%増の1,300万円と大きく増収に貢献しました。CGM広告運用も前年同期比16%増の800万円となっています。
その他事業
その他事業は、タウンマンションプラス(DM)およびシステム開発受託の受注減により、全体で前年同期比18%減の 1,300万円 となりました。
バランスシートの状況
2027年2月期第1四半期末のバランスシートでは、営業収入による現金及び預金の伸長により流動資産が 11億7,100万円 (前期末比3%増)に増加しました。ソフトウェア償却の進行や本社移転に伴う敷金の償却により固定資産は 2億200万円 (同8%減)に減少しています。 負債面では、買掛金および法人税の支払いにより流動負債が 2億3,400万円 (同2%減)に減少しました。結果として、自己資本比率は 78.9% と高い水準を維持しており、 財務の安定性 が示されています。
今後の成長戦略と見通し
マーキュリーは、SaaS事業基盤の強化、賃貸データの収益化、Web広告継続成長の3つの柱で今後の成長を目指しています。
SaaS事業基盤の強化
新価格体系への移行によりARPUを向上させ、MRRを最大化することで、収益基盤をより強固なものとします。従来の課金コンテンツを標準パッケージにインクルードすることで、ユーザーが「いつでも、何度でも」使える環境を提供し、プロダクトの利用価値を最大化する方針です。これにより、リテンション率の高いサービスへと進化させ、事業成長の好循環を生み出すことを目指します。
賃貸データの収益化
従来の「新築マンション領域」と「中古マンション領域」に加え、新たに「賃貸領域(賃貸管理会社・仲介会社)」へターゲットを拡張します。2026年3月にリリースされた新サービス 「賃料査定DX」 の推進がその中心です。このサービスは、GA technologiesグループのITANDIが運営するDXサービスとの連携も計画されており、賃貸管理・賃貸仲介業務の効率化を支援することで、新たな収益源の確立を目指します。
賃貸データ収益化におけるターゲット拡張のイメージは以下の通りです。
この図は、マーキュリーがこれまで培ってきた不動産ビッグデータを活用し、新築・中古マンション市場に加え、 賃貸市場という新たな領域に事業を拡大する戦略 を示しています。「賃料査定DX」は、その戦略の中核をなすサービスであり、ITANDIとの連携を通じて、 成長ポテンシャルの高い市場への参入 を図る意図が読み取れます。
Web広告継続成長
デジタルマーケティング事業においては、組織体制を見直し、営業力を強化します。特に、専属のプランニングチームを新たに発足させ、最新の知見とデータを反映した高品質な提案を平準化することで、提案の質を高め、案件獲得率を向上させることを目指します。これにより、デジタルマーケティング事業の増収増益を継続的に図る計画です。
結論
マーキュリーの2027年2月期第1四半期は、SaaS新料金体系への移行が奏功し、プラットフォーム事業のARPU向上とMRRの安定成長に貢献しました。また、デジタルマーケティング事業が大幅な増収を達成し、全体の業績を牽引しています。今後は、既存事業の収益基盤強化に加え、 「賃料査定DX」による賃貸領域への事業拡大 や、 デジタルマーケティング事業の組織力強化 を通じて、持続的な成長を目指す方針が示されています。これらの戦略が着実に実行されることで、今後の業績への寄与が期待されます。
個別の投資に関する推奨やアドバイスを提供することを意図しておりません。ここで述べられている意見や見解は、あくまでも各記事の個人的見解です。