
テラスカイ (3915) 2027年2月期 第1四半期決算 ディープダイブレポート
StockClub
公開日時: 2026/07/16 10:30
Sentiment Analysis

株式会社テラスカイ(証券コード: 3915)は、2027年2月期第1四半期(2026年3月1日~2026年5月31日)において、 売上高・利益ともに過去最高を更新 し、好調なスタートを切りました。連結売上高は前年同期比20.3%増の79.4億円、連結営業利益は同79.0%増の5.6億円を達成しています。
1. 連結業績ハイライトと通期見通し
第1四半期の連結業績は、テラスカイ及びBeeXの業績好調、子会社の大幅な成長を背景に、売上高は 前年同期比20.3%増の79.4億円 となりました。営業利益は、外注費削減や製品事業の黒字化、テラスカイのプロパー主体への切り替えによる大幅な収益性改善が寄与し、 前年同期比79.0%増の5.6億円 と大幅な増益を記録しました。経常利益も同74.2%増の6.1億円、四半期純利益も同64.5%増の3.5億円となり、EPSは27.16円と大きく伸長しています。
通期見通しに対しては、売上高で23.1%、営業利益で22.3%の進捗率であり、順調な滑り出しと言えます。会社は、下期案件の積み上げとさらなる事業拡大を目指し、 NTTデータ及びみずほ銀行との協業加速 、AI駆動開発「BLADE」及びBPaaS事業等の新規取り組み開始 、そして前年度から取り組む グループ再編による経営効率化とコストコントロールの継続 を重点施策として掲げています。
以下のスライドは、今期の連結決算概要を一覧で示しており、売上高、各利益、EPSの具体的な数値と前年同期比、通期計画に対する進捗率が明確に示されています。特に、売上高と営業利益が1Qとして過去最高を更新している点が注目されます。

2. 利益率の改善とその要因
第1四半期における 利益率の改善は顕著 です。四半期単体の粗利率は前年同期から1.0ポイント改善し、営業利益率は2.3ポイント上昇しました。この改善は、主に以下の要因によるものです。
- グループ間の不採算事業再編 :収益性の低い事業の見直しが進められました。
- テラスカイのプロパー主体への切り替え :外注費の抑制に繋がり、コスト構造が改善しました。
- 製品事業の黒字化 :後述する製品事業の好調が全体の利益率を押し上げました。
- タイ子会社及びQuemixの増収効果 :これらの事業の成長も利益に貢献しています。
これらの取り組みにより、販管費率も抑制され、全体の収益性が向上しました。特に、営業利益率が前年同期の4.8%から7.1%へと大きく改善している点は、 経営効率化の成果 を示唆しています。
以下のスライドは、過去の四半期ごとの利益率の推移を示しており、粗利率、販管費率、営業利益率のトレンドを視覚的に把握できます。特に、FY2027 1Qにおいて営業利益率が大きく改善していることが明確に示されており、前述の改善要因が実際に効果を発揮していることが裏付けられます。

3. セグメント別業績:ソリューション事業
ソリューション事業 は、第1四半期のセグメント売上高が 前年同期比20.0%増の73.5億円 、セグメント利益が 同24.2%増の9.2億円 となり、売上・利益ともに過去最高を更新しました。テラスカイ本体に加え、BeeXをはじめとするほぼ全ての子会社が前年同期比2桁以上の増収を達成しています。
この好調は、 大型案件の積み上げ による利益率拡大と、 外注費削減効果 が主な要因です。また、タイ子会社及びQuemixの増収も寄与しました。四半期ベースで見ても、売上高は前期比2.3%増と堅調に推移しており、利益も高水準を維持しています。
4. セグメント別業績:製品事業
製品事業 は、第1四半期のセグメント売上高が 前年同期比24.1%増の6.5億円 、セグメント利益が 4.7千万円の黒字転換 となりました(前年同期は2.8千万円の損失)。これは、 mitocoERP及びAI関連のmitoco製品の需要増加 と、 サブスク売上高の伸長 が牽引しています。
製品需要の増加に伴う利益率の高い導入売上高の増加に加え、前年度1Qに開催されたイベントが今期2Q開催となったことで、イベントコストが軽減されたことも黒字化に貢献しました。四半期ベースでも売上高は前期比7.5%増と成長を続け、利益も黒字を維持しています。
特に、製品事業における サブスクリプション売上高は、全製品で前年同期比17.0%増加 しました。主要製品別では、mitoco Xが11.2%増、mitocoが28.6%増、CLOUDSIGNが60.0%増と高い成長率を示しています。製品事業全体の売上高に占めるサブスクリプション比率は86.7%と高く、 安定的な収益基盤 を構築していることがうかがえます。
以下のスライドは、製品事業におけるサブスクリプション売上高の構成比と、主要製品ごとの前年同期比成長率を示しています。mitoco Xとmitocoが大きな割合を占め、CLOUDSIGNが高い成長率を記録していることが分かります。このデータは、製品事業の 収益の質と成長ドライバー を理解する上で非常に重要です。

5. AI駆動開発「BLADE」の運用開始と先行導入事例
テラスカイは、 AI駆動開発モデル「BLADE」 の運用を開始しました。これは、AI導入企業、データ企業、プラットフォーム企業への支援を通じて、次世代モデルへの進化を牽引する「3+1戦略」の一環です。BLADEは、AIとCRM導入、データ統合・設計、自社プロダクト・アセット提供を組み合わせ、テラスカイ式のAI駆動開発を推進します。
先行導入事例として、 三菱電機における国際輸送運賃入札システムの改修 が挙げられます。このプロジェクトでは、要件定義からテスト設計までの期間が 4ヶ月から2ヶ月に短縮 され、潜在的なビジネス要件の的確な構造化を実現しました。開発の初期段階での「正解」の可視化により、手戻りリスクの最小化とROI(投資対効果)の最大化という 大きなビジネスインパクト をもたらしています。これは、AI技術が開発プロセスにもたらす具体的な価値を示すものです。
6. ブリッジインターナショナルグループとのBPaaS業務提携
テラスカイは、ブリッジインターナショナルグループと セールスエンゲージメントBPaaS(Business Process as a Service)の共同展開 に関する業務提携を開始しました。この提携は、テラスカイのSalesforceビジネスの豊富な顧客基盤と、ブリッジインターナショナルグループのインサイドセールスアウトソーシングのノウハウ・実績を融合させるものです。
共同展開のフェーズは3段階で、3年後の事業規模10億円を目指しています。具体的には、Salesforce基盤構築、運用・インサイドセールス支援、データ活用・RevOps支援、機能拡張・追加開発を連携して提供します。この提携は、 顧客の営業活動全体の効率化と成果向上 を支援し、新たな収益源となることが期待されます。
7. グループ人員数の推移と人材戦略
第1四半期末のグループ人員数は、前期末から131人増加し 1,745人 となりました。2026年4月の新卒採用数はグループ合計で104人であり、FY2027のグループ従業員数は 1,871人 を計画しています。エンジニア比率は76.2%と高い水準を維持しており、 技術力の強化 に注力していることがうかがえます。
人材戦略としては、「 発掘×育成×定着・活躍 」サイクルによるタレントエコシステムの構築を推進しています。具体的には、地方チャネルの拡大、教育支援を通じた認知形成、現場直結のスキルを磨く実践型教育基盤の構築、早期戦力化、そして働きがいのある職場づくりによるエンゲージメント向上を目指しています。特に、 「働きがいのある職場優良法人」として3年連続で認定 されるなど、従業員の定着と活躍を重視する姿勢が示されています。
8. Quemixの共同研究開発実績
量子コンピュータ関連技術を手掛ける子会社Quemixは、 6社との共同研究開発実績 を発表しました。本田技術研究所との密度汎関数計算、三井金属との材料シミュレーション、SCSKとの測定回数削減技術、日産自動車との空力シミュレーション、トヨタ自動車との量子化学計算、デンソーとの量子計算と統合に関する概念実証など、 多岐にわたる分野で量子コンピュータ技術の実用化 に向けた取り組みを進めています。これは、 将来の成長ドライバー となり得る先端技術への投資と実績を示しています。
9. 株主還元
株主還元については、1株当たり17円(基準日2027年2月28日)の配当を予定しており、 安定的な株主還元 を継続する方針です。
まとめ
テラスカイの2027年2月期第1四半期決算は、 過去最高の売上高と利益を達成 し、非常に好調な滑り出しとなりました。ソリューション事業の堅調な成長に加え、製品事業の黒字転換が全体の収益性を大きく改善させています。AI駆動開発「BLADE」やブリッジインターナショナルグループとのBPaaS提携といった 新たな成長戦略も具体的に進展 しており、将来の事業拡大に向けた基盤を着実に強化していることがうかがえます。人材戦略においても、エンジニアの確保と育成、働きがいのある職場環境の整備に注力し、持続的な成長を支える体制を構築しています。これらの取り組みは、今後の業績に ポジティブな影響 をもたらす可能性を秘めていると考えられます。
個別の投資に関する推奨やアドバイスを提供することを意図しておりません。ここで述べられている意見や見解は、あくまでも各記事の個人的見解です。