
【gumi 2027年4月期 Q1決算】ゲーム新作先行投資と暗号資産市況の下落に伴う評価損計上で経常赤字に直面、事業構造改革とパイプライン展開の現状を詳細解説
StockClub
Published: Sep 11, 2026, 09:54 AM
Sentiment Analysis

1. 2027年4月期 第1四半期 決算サマリー
株式会社gumiの2027年4月期第1四半期(Q1)の連結業績は、 売上高1,628百万円(前年同期比+20.2%、前四半期比△30.8%) 、営業利益△186百万円(前年同期は72百万円の黒字、前四半期は△47百万円) 、経常利益△2,018百万円(前年同期は1,234百万円の黒字) 、親会社株主に帰属する四半期純利益△1,868百万円(前年同期は1,247百万円の黒字) となりました。

当四半期の損益動向を整理すると、以下の3つの主要要因が業績を大きく左右しています。
- 主力モバイルゲームの反動減と先行投資 :主力タイトル『ジョジョの奇妙な冒険 オラオラオーバードライブ(以下、オラドラ)』が前期第4四半期に実施したハーフアニバーサリー施策の反動等により減収となったこと、および新作タイトルの開発先行投資が継続したことで営業損失が拡大しました。
- 暗号資産市況下落に伴う営業外評価損の計上 :保有する暗号資産の価格下落により、 約15億円規模の暗号資産評価損を営業外費用に計上 したことが、経常利益・四半期純利益の大幅な赤字転落の主因となりました。
- 海外売上高比率の推移 :海外売上高比率は 31.5% となり、グローバル展開を推進する体制が維持されています。
2. セグメント別業績の状況と要因分析
同社は現在、「ネオメディアエンタメ事業」と「ネオクリプト事業」の2つの事業区分で構造改革を進めています。
① ネオメディアエンタメ事業(営業損益:△501百万円)
- 既存タイトルの動向 :『オラドラ』のハーフアニバーサリー反動減等により売上が減少しました。
- 開発・受託案件の影響 :複数パイプラインへの先行投資が重なったほか、受託案件において検収時期の期ズレが発生したことで一時的に営業損失が拡大しました。
② ネオクリプト事業(営業損益:315百万円の黒字)
- 営業段階の収益性 :ファンド運営開始など事業基盤の構築に伴い各種運用・事業費用が発生したものの、 営業黒字(315百万円) を確保しました。
- 営業外損益への影響 :営業利益は確保したものの、保有暗号資産(FCT等)の価格下落に伴う評価損、Hinode Technologies領域における暗号資産売却損、運営ファンド(gCC 2号)からの持分法投資損失などが営業外費用として計上され、事業全体としての経常収益を圧迫しました。
3. 保有暗号資産のポートフォリオと重要リスク事項
同社グループの財務・業績に直結する暗号資産の保有状況および重要事項は、投資家にとって注視すべきポイントです。

保有暗号資産の内訳(ファンド除く、2026年7月末時点)
- 貸借対照表価額合計 :13,300百万円(約133億円)
- FCT :7,986百万円( 構成比 60.0% )
- OSHI :2,655百万円( 構成比 20.0% )
- BTC :1,113百万円( 構成比 8.4% )
- TRX :500百万円( 構成比 3.8% )
- XRP :333百万円( 構成比 2.5% )
- USDT :299百万円( 構成比 2.3% )
- SOL :290百万円( 構成比 2.2% )
- BNB / その他 :121百万円( 構成比 0.9% )
重要事項:一部暗号資産の上場廃止・廃止予定への対応
保有比率の8割を占める FCTおよびOSHI について、一部取引所での上場廃止および廃止予定が発生しています。
- FCT :MEXC(8/14)での上場廃止を受け、活発な市場の有無や評価方法(評価損等)を検討中。
- OSHI :MEXC(9/12見込)、Gate.io(9/16予定)、BITPOINT(10/28予定)での上場廃止等を受け、同様に評価方法を検討中。
- 今後の影響 :他取引所での取扱いは継続しているものの、今後の市場環境や評価基準の検討結果によっては、 翌四半期以降の業績・財務状態に重要な影響を及ぼす可能性 があることが開示されています。
4. 各事業の成長戦略と進捗状況
(1)ネオメディアエンタメ事業の展開
従来のゲーム配信・ガチャ売上のみに依存するモデルから、 「川上(IP獲得)から川下(周辺エンタメ)まで面で収益を獲得するモデル」 への転換を進めています。

- ゲーム開発とパイプライン :
- 『僕のヒーローアカデミア UNITED SURVIVAL(ヒロサバ)』 :2026年8月6日にグローバル配信を開始。全世界100万ダウンロードを突破し、第2四半期以降の本格的な収益貢献を見込んでいます。
- 『オラドラ』 :第2四半期に1周年記念施策を投入し、収益回復を図る計画です。
- パイプライン :外部大型IPを用いたタイトルが 開発中3本、企画中1本 控えており、2028年4月期から2029年4月期にかけて順次リリースが予定されています。
- IP獲得 :有力アニメ製作委員会への出資を決定。ゲーム化権の獲得に加え、映画・グッズ展開等のマルチユースによる分配金収益の還元を目指します。
- 周辺エンタメ :グノシーとの協業によるポイ活サービス『ヨソクヒロバ』の連携(8月20日開始)や、株式会社STONE.BとのK-POP関連共同事業、公式二次創作プラットフォーム展開などを推進しています。
(2)ネオクリプト事業の事業方針と進捗
従来のステーキング中心モデルから、 「XRPへの集中とオプション取引等による積極的運用」 および 「BtoBシステム・アセマネ拡大」 へのシフトを掲げています。
- 暗号資産の保有運用 :AIを活用した暗号資産運用を開始し、パフォーマンス向上とノウハウ蓄積を進めています。市場環境や流動性を踏まえ、本体保有資産の XRPを中心としたポートフォリオへの移行 を検討しています。
- Hinode Technologies :機関投資家・上場企業向け暗号資産会計管理システムの提供を開始。厳格な会計・監査基準に対応したデータ取得基盤を構築し、ストック収益の積み上げを図ります。
- ファンド事業 :SBIグループと共同で暗号資産運用ファンド 「SBI Crypto Fund I」 を8月1日に運用開始(大和証券グループ本社等が出資)。既存のVCファンド「gumi Cryptos Fund I」(投資倍率5.9倍)の実績を基盤に、アセットマネジメント事業の拡大を推進しています。
5. 財務健全性とコスト構造の推移
- 現預金および財務バランス :2027年4月期Q1末時点の 現金及び預金は3,057百万円(前四半期末比△336百万円) となりました。営業赤字の計上や事業投資が要因ですが、 純資産比率は76.4%(純資産20,329百万円) と依然として高い財務健全性を維持しています。
- 研究開発費および広告宣伝費 :
- 開発費 :8.6億円(前四半期比△0.1%) と高水準の開発投資を維持。
- 広告宣伝費 :1.5億円(前四半期比△23.3%、対売上高比率9.3%) に抑制。
- 人員体制 :連結人員数は 324人(国内291人、海外33人) と前四半期(337人)から適正化が進んでおり、固定費のコントロールを継続しています。
6. 今後の注目ポイントと総括
当第1四半期は、新作ゲームの配信前谷間と暗号資産評価損が重なり、大幅な最終損失を計上する厳しい立ち上がりとなりました。 今後の業績動向を見極める上では、以下の点が重要となります。
- 『ヒロサバ』の収益寄与度 および『オラドラ』1周年施策によるゲーム事業の黒字化ペース
- FCT・OSHIの上場廃止に伴う評価損リスクの確定 と、XRPを中心とする運用ポートフォリオ再編の進捗
- SBIグループとの中期経営計画策定 および「SBI Crypto Fund I」を契機としたアセットマネジメント事業のスケール化
IP創出から暗号資産運用基盤まで、新方針に基づく収益構造の転換が早期に実を結ぶかが今後の焦点となります。
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