
日工 2027年3月期第1四半期決算:BP事業主導で大幅増収・営業黒字転換、受注残高は過去最高水準の356億円へ
StockClub
Published: Sep 09, 2026, 09:52 AM
Sentiment Analysis

1. 2027年3月期 第1四半期 決算概要
日工株式会社の2027年3月期第1四半期(2026年4月〜6月)の連結業績は、 売上高118億2,200万円(前年同期比42.5%増) 、営業利益2億7,400万円(前年同期は5,400万円の営業損失から黒字転換) 、経常利益4億5,900万円(前年同期比575.0%増) 、親会社株主に帰属する四半期純利益2億300万円(前年同期は6,100万円の純損失から黒字転換) となり、大幅な増収・増益を達成しました。

上記の業績一覧から明らかなように、第1四半期としては極めて力強い進捗を示しています。特に 受注高は140億500万円(前年同期比34.6%増) 、受注残高は356億900万円(前年同期比41.6%増、104億5,900万円増) に達し、過去最高水準の豊富なバックログを積み上げています。
前期からの期ずれ案件の売上計上に加え、主力の生コンクリートプラント(BP)関連事業において設備投資・メンテナンス需要が堅調に推移したこと、さらに原材料高騰に対する価格転嫁の進展が全体の業績を大きく牽引しました。
2. 利益増減要因の分析
第1四半期の経常利益は前年同期の6,800万円から4億5,900万円へと 3億9,100万円の大幅増益 となりました。その主因は以下の通りです。
- 売上高増・原価率要因(+6億8,600万円) :大幅な増収効果(+35億2,800万円)に加え、価格改定の効果が寄与しました。なお、一部資材価格上昇前の旧価格受注案件の消化や原価率の変動(労務費除く原価率52.53%→60.89%)を伴いつつも、全体として大きなプラス寄与となりました。
- 人件費の増加(▲1億9,500万円) :ベースアップおよび賞与水準の向上による人件費増加。
- 運賃の増加(▲1億1,700万円) :売上増や出荷台数増加に伴う物流費の増加。
- その他費用等の変動 :システム関連投資に伴う減価償却費・事務費の増加があったものの、前期発生した買収関連費用の剥落(+3,200万円)や受取配当金の増加(+2,800万円)が寄与しました。
人件費や運賃などのコストアップ圧力を、圧倒的な売上ボリュームの増加と適切な価格転嫁によって十分に吸収する構造となっています。
3. セグメント別動向と事業環境
① BP(コンクリートプラント)関連事業:業績を牽引する最大のドライバー

BP関連事業は、当第1四半期において最も顕著な成長を示しました。
- 売上高:48億7,900万円(前年同期比101.2%増)
- 営業利益:6億7,600万円(前年同期比144.0%増)
- 営業利益率:13.9%(前年同期比2.5ポイント改善)
- 受注高:48億600万円(前年同期比75.7%増)
- 受注残高:113億6,100万円(前年同期比15.5%増)
生コン業界において原材料高騰分の製品価格転嫁が進んだことを背景に、顧客の設備更新投資やメンテナンス需要が極めて旺盛です。プラント製品売上が前年同期比219.2%増、メンテナンス売上が14.8%増と両輪で伸長し、期ずれ製品の確実な納入と価格転嫁浸透が大幅な増益をもたらしました。通期営業利益予想23億円に対する 第1四半期進捗率は29.4% に達しています。
② AP(アスファルトプラント)関連事業:売上拡大も採算改善は下期以降へ
- 売上高:41億3,000万円(前年同期比33.8%増)
- 営業利益:▲1億7,900万円(前年同期は▲1億2,300万円)
- 受注高:56億1,200万円(前年同期比27.6%増)
- 受注残高:187億400万円(前年同期比81.3%増)
国内では脱炭素・省エネ化に向けた国の補助金を活用した設備更新需要が旺盛で、国内売上高は前年同期比58.1%増となりました。一方で、資材価格上昇前に受注した「旧価格案件」の納入が第1四半期に集中したことや、海外(タイ・輸出向け)での新設案件減少による減収が響き、営業損失が拡大しました。ただし、旧価格案件は第2四半期でほぼ完了する見込みであり、 第3四半期以降は適正価格案件への入れ替わりによる採算急回復 が見込まれています。
③ 環境及び搬送関連事業
- 売上高:6億9,900万円(前年同期比11.9%減)
- 営業利益:2億800万円(前年同期比1.4%減、利益率29.8%)
- 受注高:8億7,900万円(前年同期比18.0%減)
前年同期に計上された鉄道向け大型案件の反動で減収となったものの、利益率は 29.8%と極めて高水準を維持 しています。環境・リサイクル関連投資を背景に引き合いは堅調であり、第2四半期以降に段階的な売上積み上げが計画されています。
④ 破砕機・製造請負・その他事業
- 破砕機関連事業 :売上高3億5,200万円(前年同期比25.7%増)、営業利益▲2,300万円(赤字幅大幅縮小)。定置式破砕機の中型機販売や部品需要が堅調に推移。
- 製造請負関連事業 :売上高5億100万円(前年同期比26.1%減)、営業利益8,600万円(利益率17.2%)。一部案件の進捗遅れで売上計上が第2四半期へ期ずれしたものの、受注高は9億6,800万円(前年同期比24.7%増)と拡大。
- その他事業 :売上高12億5,900万円(前年同期比22.5%増)、営業利益9,400万円(前年同期比88.0%増)。自社オリジナルアルミ仮設機材やレンタル需要の拡大が寄与。
4. 株主還元方針の新設と株主優待制度の変更
日工は、資本効率の向上と株主への安定的な利益還元を目的に、重要な株主還元方針の改定および新設を発表しました。

配当方針の新設(下限配当の設定)
中長期的な配当の予見可能性向上を図るため、 「1株当たり年間配当金の下限を42円に設定」 する方針が決議されました。対象期間は2027年3月期および2028年3月期の2事業年度です。業績が一時的に下振れた局面においても年間42円を下回らない方針とし、中期経営計画における2027年3月期目標(40円)を上回る水準を担保しています。なお、2028年3月期は目標である年間50円の達成を目指す方針です。
株主優待制度の再設計
優待制度については、対象を従来の「100株以上」から 「500株以上」 へと変更し、保有株式数に応じた区分を3段階から7段階へ細分化、さらに長期保有優遇を全区分に拡充するなど、中長期的な株式保有を促進する設計へと見直されました(2027年3月31日基準より適用)。
5. 通期見通しと総括
2027年3月期の通期連結業績予想は、 売上高550億円(前期比11.4%増) 、営業利益38億円(前期比22.6%増) 、経常利益38億3,000万円(前期比11.8%増) 、親会社株主に帰属する当期純利益26億5,000万円(前期比4.5%増) と、過去最高業績の更新を見込んでいます。
第1四半期末時点の受注残高が 356億900万円(前年同期比41.6%増) と潤沢に積み上がっていることに加え、採算悪化要因となっていたAP事業の旧価格案件が上期中に一巡し、下期にかけて収益性が改善に向かう見通しです。BP事業の好調な需要環境と高水準のバックログを背景に、通期計画達成に向けた事業基盤が整っています。
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