
RS Technologies 2026年12月期 第2四半期決算&中期経営計画(2026-2028)ディープダイブレポート
StockClub
Published: Aug 13, 2026, 10:21 AM
Sentiment Analysis

エグゼクティブ・サマリー
株式会社RS Technologies(証券コード: 3445) は、半導体製造工程で不可欠な ウェーハ再生事業 および プライムウェーハ製造販売事業 を主軸としてグローバルに展開するリーディングカンパニーです。同社が発表した 2026年12月期 第2四半期決算 では、売上高・営業利益・経常利益・中間純利益の 全ての利益段階において前年同期比で増収増益を達成し、半期決算として過去最高業績を更新 しました。
あわせて発表された 2026年から2028年を対象とする新中期経営計画 では、主力のウェーハ再生事業への集中資本投下と新規M&Aを通じた拡大戦略が提示され、2028年には 売上高1,150億円、営業利益190億円 を目指す野心的なビジョンが示されています。本レポートでは、決算数値の詳細、セグメント別動向、中期経営計画、資本アロケーション、設備投資戦略の全貌を包括的に解説します。
1. 2026年12月期 第2四半期 決算概要および要因分析
2026年12月期 第2四半期の連結業績は、売上高が 前年同期比6.8%増の405億9,500万円 、営業利益が 同8.9%増の77億3,500万円 となりました。主力のウェーハ関連事業の需要が堅調に推移したことが、全体の業績を強力に牽引しています。

上のスライド(決算概況)に示す通り、売上高および営業利益が上期計画を達成したことに加え、営業外損益でのポジティブな要因が経常利益以下の数値を大きく押し上げています。具体的には以下の要因が挙げられます。
- 営業外収益の拡大 : 中国子会社GRITEKへの政府補助金収入 7億3,700万円 (前年同期は7億400万円)の計上に加え、前年同期に発生した為替差損(8億2,200万円)から一転して 4億2,100万円の為替差益 が計上されました。
- 持分法投資損失の縮小 : 中国12インチ事業を担うSGRSに係る持分法投資損失が 4億1,600万円 (前年同期は5億500万円の損失)へと減少しました。12インチウェーハの顧客認証取得の進展に伴い販売数量が増加したことや、プライムウェーハ用途の単価上昇が損失縮小に寄与しています。
これらの結果、経常利益は 前年同期比26.0%増の90億1,600万円 、親会社株主に帰属する中間純利益は 同9.2%増の41億4,900万円 となり、収益性の高さを示す良好な上期決算となりました。
2. セグメント別動向:事業ごとの明暗と成長ドライバー
セグメント別の状況を見ると、主力のウェーハ2事業が業績を牽引する一方で、部材事業では一時的な調整が見られます。
(1) ウェーハ再生事業
- 売上高 : 142億8,400万円(前年同期比 +6.8%)
- 営業利益 : 50億6,900万円(前年同期比 +6.9%)
- 営業利益率 : 35.5%
過年度からの積極的な増産設備投資により生産・販売数量が増加しました。特定顧客向け単価改定や生産前倒し効果が寄与した一方、三本木工場の定期メンテナンスおよび下期から稼働予定の第7工場の整備に伴う一時的費用(約2.39億円)が発生したものの、 35.5%という極めて高い営業利益率 を維持しています。
(2) プライムウェーハ事業
- 売上高 : 139億2,000万円(前年同期比 +39.0%)
- 営業利益 : 32億4,000万円(前年同期比 +39.1%)
- 営業利益率 : 23.3%
中国拠点における8インチプライムウェーハは設備投資効果で過去最高の 月産27万枚 を記録しました。エッチング装置消耗部品用シリコン部材も需要拡大と新規顧客開拓により好調に推移し、大幅な 増収増益(売上・利益ともに約39%増) を達成しました。
(3) 半導体関連装置・部材等事業
- 売上高 : 136億4,200万円(前年同期比 △12.1%)
- 営業利益 : 4億1,300万円(前年同期比 △54.6%)
子会社RSPDHにおける同社計画に基づく減産が影響し、減収減益となりました。なお、エネルギー事業ではVRFB(バナジウムレドックスフロー電池)用電解液販売の寄与等により営業損失が縮小傾向にあります。
3. 新中期経営計画(2026年〜2028年)の全体像
RS Technologiesは、2026年から2028年の3カ年を 「成長加速に向けた集中投資フェーズ」 と位置づけ、高収益事業であるウェーハ再生事業への大規模な資本投下を実施する計画を発表しました。

上記の中期経営計画数値スライドの通り、最終年度である2028年には 売上高1,150億円(2025年実績比約50%増)、営業利益190億円(同約33%増) の達成を目指します。
資本効率目標と資本コスト
同社は単なる規模拡大だけでなく、 資本効率の最適化 を重視しています。
- ROIC目標 : 11%以上 (2025年実績10.8%から向上)
- ROE目標 : 13%以上 (2025年実績12.5%から向上)
- 資本コスト認識 : WACC 9.0% 、株主資本コスト 10.5%
資本コストを明確に上回るROIC・ROEターゲットを設定することで、企業価値の持続的な向上を図る姿勢を明確にしています。
4. 成長を支える設備投資戦略と生産能力拡大方針
成長目標を裏付ける最大の根幹が、主力のウェーハ再生事業における 大規模なグローバル生産能力増強計画 です。

上記スライドに示す通り、日本・台湾・中国の3拠点における増設・新工場取得を通じて、再生ウェーハの総生産能力を現在の月産69万枚から 3年間で50万枚増加させ、2028年には月産約120万枚(119万枚/月) の量産体制を確立する方針です。
拠点別の投資および増強計画
- 日本(三本木工場) : 総投資額 173億円以上
- 2028年までに第7工場(月産17万枚)および第8工場(月産35万枚)を整備し、 合計月産52万枚 体制を構築。
- 台湾(台南工場) : 総投資額 247億円
- 第1工場(月産37万枚)に加え、台南第2工場(月産20万枚)を取得・増設し、 合計月産57万枚 体制へ拡大。
- 中国(中国工場) : 総投資額 100億円
- 2028年までに 月産10万枚 体制を整備。
世界各地で進む12インチ半導体工場の新設ラッシュに伴う再生ウェーハ需要の爆発的拡大を確実に捉え、 グローバル市場シェア(現在約31%で世界No.1)のさらなる引き上げ を目指します。
また、プライムウェーハ事業においても、中国での8インチ月産30万枚体制の確立や、持分法適用会社SGRSを通じた12インチプライムウェーハの月産25万枚に向けた段階的増強が計画されています。
5. キャッシュ・アロケーションと株主還元方針
キャッシュ・アロケーション(2026年〜2028年累計)
同社は、3年間で創出される 営業キャッシュフロー約530億円 と、既存のネットキャッシュ 約733億円 、株式売却等の資金を原資として、以下のような戦略的配置を行います。
- 既存事業への成長投資 : 約570億円 (再生ウェーハ設備投資405億円、R&D 27億円など)
- 戦略投資・M&A : 約365億円 (半導体関連や海外新マーケット開拓)
- 株主還元 : 約75億円
株主還元の強化
業績拡大とともに株主還元も積極的に強化される計画です。
- 2025年度配当予想 : 1株当たり45円 (前期比10円増配、配当性向12.8%)
- 2026年度配当想定 : 1株当たり55円 (さらに10円増配、総還元性向14.6%想定)
毎期の増配を継続し、株主還元の積極化を通じて総還元性向を引き上げる方針が示されています。
6. 総括と今後の注目点
RS Technologiesの2026年12月期第2四半期決算は、 主力のウェーハ事業の好調に支えられた過去最高の業績 となり、同社の高い市場競争力と技術的優位性が改めて実証されました。
また、新中期経営計画(2026-2028)では、明確な数値目標とともに 月産119万枚に向けた再生ウェーハへの集中資本投下戦略 が明確化されました。世界的な半導体ファブの増設トレンドを追い風に、高いROIC/ROEを維持しながら規模拡大を果たすシナリオが描かれています。今後の注目点としては、三本木・台南・中国における工場建設および稼働の進捗状況、12インチプライムウェーハ事業の収益化ペース、さらには約365億円が割り当てられた戦略的M&Aの具体化などが挙げられます。
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