
コンフィデンス・インターワークス 2027年3月期 第1四半期決算詳細レポート
StockClub
Published: Aug 12, 2026, 10:54 AM
Sentiment Analysis

株式会社コンフィデンス・インターワークス(証券コード: 7374)の2027年3月期 第1四半期(1Q)決算について、業績結果、営業利益の増減要因、セグメント別の詳細、成長に向けた施策、財務状況、株主還元、そして中長期の成長戦略までを総合的に解説します。
1. 2027年3月期 第1四半期 決算概要(全体像)
当第1四半期における連結業績は、 売上高2,532百万円(前年同期比+18.1%) 、営業利益201百万円(前年同期比▲36.0%) 、経常利益205百万円(前年同期比▲30.4%) 、親会社株主に帰属する当期純利益91百万円(前年同期比▲49.7%) となりました。
売上高に関しては、前期2Q以降に連結子会社化した BRAISEおよびジーズ・コーポレーション の業績を期初から取り込んだことが主因となり、創業以来続く 二桁増収(+18.1%)を継続 しました。一方で利益面については、既存主力事業における売上総利益の減少や、本社統合に伴う地代家賃・人件費・戦略投資等の販管費増加が重なり、 減益での着地 となりました。
通期業績予想(売上高11,500百万円、営業利益1,460百万円)に対する1Q進捗率は、 売上高22.0% 、営業利益13.8% となっており、2Q以降における主力事業の収益力回復と成長領域へのリソース再配分が最優先課題とされています。
2. 営業利益の増減要因分析
当1Qにおける営業利益(201百万円)の前年同期(314百万円)からの変動要因(▲113百万円)は、 「主力事業の軟調」と「新規子会社の貢献および先行投資」 に大別されます。

上記のウォーターフォール図が示す通り、営業利益の主な減少要因は既存の主力事業(コンフィデンス・インターワークス単体)にあります。
- 主力事業の売上総利益減少(計▲110百万円) : 派遣事業で稼働人員減・利益率低下により ▲38百万円 、紹介・採用支援事業で前期下半期の受注減等の響きから ▲51百万円 、メディア&ソリューション(MS)事業で主要顧客の広告予算減から ▲21百万円 のマイナスとなりました。
- 本社統合・販管費の影響 : 新宿本社統合による地代家賃の増加分 ▲8百万円 やその他既存販管費 ▲26百万円 が含まれます。
- 新規連結子会社の寄与とコスト(+36百万円) : M&Aによりグループインした成長領域(子会社)は、売上総利益で +132百万円 を創出しました。ここから子会社の人件費( ▲60百万円 )、のれん償却費( ▲8百万円 )、戦略投資としての広告宣伝費やその他販管費( ▲33百万円 )を差し引いた純利益寄与はプラスを維持しています。
主力事業の落込みを新規子会社の利益増でカバーしきれなかった構造であり、会社側は2Q以降の主力事業立て直しを急ピッチで進めています。
3. セグメント別業績と組織再編(セグメント変更)
当1Qより、2026年10月に予定されている グループ分社化・組織再編 に先立ち、開示セグメントの一部変更が実施されました。従来「メディア&ソリューション事業」に含まれていた「採用支援事業」が、「HRソリューション事業(人材紹介)」へ移管されています。

セグメント別の実績と概況は以下の通りです。
① HRソリューション事業(派遣・受託)
- 売上高 : 1,881百万円(前年同期比+35.4%) (通期予想進捗率 23.4%)
- セグメント利益 : 275百万円(前年同期比▲6.5%)
- 概況 : 新規子会社(BRAISE、ジーズ・コーポレーション等)の合算により大幅な増収となりました。ストック型収益の指標となる稼働人員数は前年同期比+205名増の 1,098名 と拡大しています。一方で、ゲーム・エンタメ業界向け既存派遣の稼働減や利益率低下、のれん償却費等の影響でセグメント利益率は14.6%(前年同期21.2%)に低下しました。
② HRソリューション事業(人材紹介・採用支援)
- 売上高 : 369百万円(前年同期比▲16.9%) (通期予想進捗率 18.5%)
- セグメント利益 : 99百万円(前年同期比▲31.6%)
- 概況 : 前期下半期における求職者獲得・受注の伸び悩みやコンサルタント数の減少(前年平均68名→58名)が響き減収減益となりました。しかし、生産性重視の施策によりコンサルタント1人当たり成約額は前年平均比 +10.4%と改善 しており、成約単価も高水準を維持しています。
③ メディア&ソリューション事業
- 売上高 : 289百万円(前年同期比▲7.0%) (通期予想進捗率 20.0%)
- セグメント利益 : 87百万円(前年同期比▲24.3%)
- 概況 : 製造業・工場特化型求人メディア「工場ワークス」を中心に展開。得意先である大手派遣会社の新卒採用好調に伴う求人広告予算の削減や、中東情勢を受けた需要一時減が影響しました。ただし、取引顧客数は960社(前四半期比増)と盤石であり、高利益率(セグメント利益率30.3%)を維持しています。
4. 収益力回復に向けた2Q以降の重点施策
主力事業の減益を打開し成長回帰を果たすため、以下の 4つの具体的施策 が推進されています。
- 経営資源の再配分と生産性向上 : グループ横断でリソースを一元管理し、生産性向上で創出した人員や予算を成長領域へ機動的にシフト。販管費総額を抑えつつ売上総利益を積み上げます。
- AIを活用した専門メディア×人材紹介(プロタゴニストモデル)の強化 : 領域特化型Webサイトを立ち上げ、外部求人媒体への依存度を低減。自社集客力を強化し営業利益率を構造的に回復させます。
- コアクライアントへのグループアセット最大活用 : 「採用メディア」「RPO(採用代行)」「人材紹介」等の複数アセットを掛け合わせたソリューション営業を展開し、顧客1社当たりの取引額(ウォレットシェア)を最大化します。
- テクノロジー活用による業務効率化 : グループ内のノウハウを相互活用し、コンサルタントの属人化解消と生産性向上を両立させます。
5. 財務基盤とキャッシュ・フローの状況
当1Q末における財務状態は非常に健全であり、事業推進およびM&A戦略を支える強い基盤を有しています。
- 総資産 : 7,411百万円
- 純資産 : 6,151百万円( 自己資本比率 82.4% )
- ネットキャッシュ : 41.7億円 (現預金4,177百万円、有利子負債ゼロ)
- のれん対自己資本倍率 : 0.25倍 (のれん残高1,532百万円)
前期中に子会社の外部借入金を全額返済したことで 完全無借金経営 を維持しており、のれんリスクも極めて低い水準にコントロールされています。当1Qの営業キャッシュ・フローは +75百万円のプラス を確保しています。
6. 株主還元方針(連続増配と高い利回り)
同社は将来の事業拡大に必要な内部留保留分を確保しつつ、 「継続的かつ安定的な配当」 を基本方針として掲げています。
- 2027年3月期 配当予想 : 年間85円 (中間40円・期末45円)
- 前期(75円)から 10円の増配 を予定しており、上場以来の連続増配を継続する計画です。
- 配当利回り : 5.6% (算定株価1,522円ベース)
- 配当性向 : 56.8%
- 中長期目標指標 : ROE 30%超 × 配当性向 30%超 = DOE(株主資本配当率)10%超
株主還元意欲は非常に高く、高水準な配当利回りとDOE向上を目指した還元姿勢が明示されています。
7. 中長期成長戦略と2030年3月期定量目標
同社は、既存事業のオーガニック成長とM&A戦略を組み合わせ、領域特化型事業の集合体を形成する成長ストーリーを描いています。

将来の定量目標として、 2030年3月期に売上高200億円、営業利益30億円 の達成を掲げています。この目標に向けた事業ポートフォリオ構成は以下の通り設計されています。
- 領域特化型 派遣・受託事業 : 110億円 (ゲーム・エンタメ 80億円、IT・Web 30億円)
- 人材紹介事業 : 30億円
- メディア・広告事業 : 30億円
- M&S(新規領域等)事業 : 30億円
これらの目標を達成するため、2026年10月には「株式会社アイ・クラッチ(人材紹介・採用支援)」および「株式会社インターワークス(メディア&ソリューション)」への分社化を行い、事業ごとの意思決定スピード向上と自律的な経営体制を確立する計画です。
まとめ
2027年3月期1Qは、M&A効果による二桁増収を達成した一方で、既存主力事業の課題や本社統合コストが重なり一時的な減益着地となりました。しかし、82.4%の自己資本比率と41.7億円のネットキャッシュという強固な財務盤石のもと、2Q以降の主力事業改善施策、組織再編、AI活用、そして2030年売上高200億円に向けた成長戦略を着実に進めている点が注視されます。
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