
ハリマ化成グループ 2027年3月期 第1四半期決算ディープダイブレポート
StockClub
Published: Jul 31, 2026, 10:09 AM
Sentiment Analysis

ハリマ化成グループ株式会社の 2027年3月期 第1四半期決算 は、売上高・各種利益ともに前年同期を大きく上回り、 大幅な増収増益 を達成する極めて堅調なスタートとなりました。本レポートでは、決算補足説明資料に基づき、主要な財務指標、営業利益の増減要因、各事業セグメントの動向、エリア別売上構造、ならびに通期計画に対する進捗状況を多角的に解説します。
1. 決算ハイライトと過去5年間の業績推移
当第1四半期の連結業績は、売上高が 286億82百万円 (前年同期比 +11.5% )、営業利益が 13億7百万円 (前年同期比 +71.8% )、経常利益が 14億62百万円 (前年同期比 +117.1% )、親会社株主に帰属する四半期純利益が 9億96百万円 (前年同期比 +153.4% )となりました。
以下のグラフは、過去5年間の第1四半期における売上高および各種利益の推移、ならびに当期の営業利益増減要因を示したものです。

【スライド解説:なぜこのデータが重要か】 上記のスライドは、同社の業績が劇的な V字回復軌道 に乗っていることを視覚的に証明する最も重要な資料です。24年3月期第1四半期には原料高や需要低迷により各利益が赤字転落(営業利益▲3億72百万円)を余儀なくされましたが、そこから構造改革と価格転嫁、 demand 回復が進み、当期は営業利益13億7百万円と過去5年で最高水準へ躍進しました。また、下段の水増分析グラフは、この利益増幅の 原動力が「販売数量等の増加(+27億88百万円)」 にあることを明確に示しており、単なる値上げだけでなく実質的な需要回復と市場シェア獲得が進んでいることが読み取れます。
2. 営業利益増減要因の深掘り分析
当第1四半期の営業利益は、前年同期の7億60百万円から 5億46百万円の増加 となりました。その詳細な内訳は以下の通りです。
- 販売数量等(プラス要因:+2,788百万円) : 全セグメントでの販売数量の増加や製品ミックスの改善が利益を大幅に押し上げました。
- 製造経費等(マイナス要因:▲2,018百万円) : 原材料価格の高止まりやエネルギーコスト、製造コストの上昇が圧迫要因となりました。
- 販売管理費(プラス要因:+186百万円) : 販管費の効率的運用やコスト抑制策が寄与しました。
- 為替影響等(マイナス要因:▲409百万円) : 為替変動に伴う外貨建て拠点の換算影響や取引影響がマイナスに作用しました。
- 差引合計 : 製造経費や為替の逆風を、圧倒的な販売数量の拡大によって吸収し、結果として +71.8%の営業増益 を実現しています。
3. セグメント別業績の状況と事業戦略
同社の事業は「樹脂・化成品」「製紙用薬品」「電子材料」「ローター(Lawter)」「その他」の5分野で構成されています。当第1四半期におけるセグメント別の業績概要は以下の通りです。

【スライド解説:なぜこのデータが重要か】 本スライドは、同社の多様な事業ポートフォリオにおける 各セグメントの損益インパクト を一目で理解するための核心的なデータです。前年同期に営業赤字(▲20百万円)であった 電子材料事業が黒字化(55百万円) を果たしたこと、主力の 製紙用薬品(7億65百万円、+60.2%) や樹脂・化成品(6億17百万円、+72.4%) が高水準の増益を達成したことが示されており、グループ全体の収益基盤がバランス良く強化されていることが確認できます。
セグメント別の詳細分析(内訳および製品動向):
- 樹脂・化成品事業
- 売上高: 61億51百万円 (前年同期比+9.6%)/営業利益: 6億17百万円 (前年同期比 +72.4% )
- 塗料用樹脂が伸長 し増収に貢献した一方、印刷インキ用樹脂および合成ゴム用乳化剤は需要の伸び悩みから減収となりましたが、全体としては収益性が大きく改善しました。
- 製紙用薬品事業
- 売上高: 70億86百万円 (前年同期比+5.2%)/営業利益: 7億65百万円 (前年同期比 +60.2% )
- 主力製品である 紙力増強剤 が国内・中国ともに好調に推移し増収を牽引。サイズ剤は国内で伸長したものの米国での苦戦により相殺されましたが、セグメント全体で高利益率を維持しました。
- 電子材料事業
- 売上高: 43億57百万円 (前年同期比 +38.8% )/営業利益: 55百万円 (前年同期▲20百万円から 黒字転換 )
- 半導体・電子部品市場の復調を背景に、 はんだ付け材料 、熱交換器用ろう付け材料 、半導体レジスト用樹脂 の主要3カテゴリー全てが増収となり、セグメント損益の劇的な好転に貢献しました。
- ローター(Lawter)事業
- 売上高: 99億80百万円 (前年同期比+9.3%)/営業利益: 1億43百万円 (前年同期比▲13.8%)
- 粘接着剤用樹脂および印刷インキ用樹脂の売上が拡大し増収となったものの、海外拠点における製造経費の負担増などが響き、営業利益は小幅な減益となりました。
4. エリア別売上構造とグローバル展開
同社はグローバル市場での展開を積極的に推進しており、海外売上高比率は極めて高水準を維持しています。
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【スライド解説:なぜこのデータが重要か】 本スライドは、同社の売上高が特定の国や地域に偏重しておらず、 世界各地で均衡の取れたポートフォリオ を構築していることを示しています。当第1四半期の 海外売上高比率は57.1% に達しており、グローバル化学メーカーとしての強固な立ち位置を可視化しています。
地域別売上高の内訳(当期 vs 前年同期):
- 日本 : 123億9百万円 (構成比42.9%/前年同期107億20百万円、41.7%)
- 南北アメリカ : 69億47百万円 (構成比24.2%/前年同期69億25百万円、26.9%)
- アジア・オセアニア : 53億74百万円 (構成比18.8%/前年同期40億65百万円、15.8%)
- 欧州 : 40億51百万円 (構成比14.1%/前年同期40億6百万円、15.6%)
特に アジア・オセアニア地域が大幅に拡大(+13億9百万円) したことが、海外売上高の成長を大きく後押ししました。
5. 財政状態、通期業績計画、および株主還元方針
連結財政状態の推移
資産合計は前期末比68億85百万円増の 1,097億71百万円 となりました。受取手形及び売掛金(+32億10百万円)や原材料・貯蔵品(+6億18百万円)の増加に伴い流動資産が 576億86百万円 へと拡大したことが主因です。自己資本比率は 38.1% (前期末比▲1.6ポイント)となりましたが、依然として健全な財務基盤を維持しています。
通期業績計画と進捗率
2027年3月期の通期計画(売上高1,100億円、営業利益35億円、経常利益28億円、親会社株主に帰属する当期純利益26億50百万円)に対し、第1四半期時点の進捗率は 売上高26.1% 、営業利益37.3% と、計画に対して良好な進捗を見せています。なお、前提となる通期想定為替レートは 150.00円/米ドル に対し、第1四半期実績は 156.96円/米ドル となっています。
株主還元(配当方針)
配当政策においては 安定的な還元 を継続する方針であり、年間配当予想は前期と同額の 1株当たり42.00円 (中間配当21.00円、期末配当21.00円)を予定しています。
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