
M&Aキャピタルパートナーズ 2026年9月期 第3四半期決算ディープダイブ・分析レポート
StockClub
Published: Jul 30, 2026, 10:02 AM
Sentiment Analysis

1. 概要と決算ハイライト:3Q累計で過去最高業績を更新
M&Aキャピタルパートナーズ株式会社(証券コード: 6080)の2026年9月期第3四半期累計(IFRS連結)業績は、売上高・営業利益・成約件数・大型案件数の主要指標において 3Q累計として過去最高 を記録する極めて堅調な結果となりました。
連結売上高は20,641百万円(前年同期比+26.9%) 、営業利益は8,109百万円(前年同期比+39.9%) 、当期利益は6,208百万円(前年同期比+43.7%) に達し、収益性が大幅に向上しています。成約件数は連結全体で 201件(前年同期比+11.0%) 、そのうち1件あたりの手数料が1億円以上の 大型案件数は45件(前年同期比+2.3%) となりました。
以下のスライドは、本決算における主要KPIと実績の概要をまとめた決算ハイライトです。

上記の通り、トップラインの伸長だけでなく利益成長が売上成長を大幅に上回る良好な拡大構造が確認できます。また、今後の業績の先行指標となる 受託案件数が819件(単体、前年同期比+25.2%) 、前受金に相当する 契約負債が1,608百万円(連結、前年同期比+26.9%) 、そして収益基盤となる コンサルタント数が291名(連結、前年同期比+37名) といずれも過去最高水準に達しており、中長期的な案件パイプラインの潤沢さが示されています。
2. 通期業績予想の上方修正と進捗分析
第3四半期までの好調な業績進捗を受け、同社は2026年7月30日付で通期の連結業績予想の上方修正を発表しました。
修正後の通期計画では、 連結売上高が28,328百万円(前期比+26.2%) 、連結営業利益が10,891百万円(前期比+52.8%) を見込んでいます。期初計画に対する進捗率は、第3四半期累計時点で 売上高72.9% 、営業利益74.5% と極めて高い水準で着地しています。
同社の過去の業績推移と、今回の通期修正予想に対する進捗状況は以下の通りです。

この推移グラフが示すように、第4四半期に向けて潤沢な受託案件と契約負債の積み上がりを背景とした成約見込みが立っており、通期目標達成に向けて強固な足場を固めています。上方修正の主な要因としては、高単価な 大型案件の成約が順調に進み案件単価が上昇したこと が挙げられます。一方、成約件数の通期見通しは当初の298件から282件へ、コンサルタント数は320名から302名へと一部見直されましたが、1件あたりの取引規模大型化が収益を強力に牽引する構図となっています。
3. 単体事業と子会社(レコフ)のセグメント別業績動向
グループ全体の業績拡大を牽引しているのは、親会社である M&Aキャピタルパートナーズ単体 の強固な営業力です。単体実績では、 売上高19,366百万円(前年同期比+27.8%) 、営業利益7,984百万円(前年同期比+32.8%) 、成約件数191件(前年同期比+13.0%) と、3Q累計で過去最高を更新しました。
一方で、子会社である 株式会社レコフ の3Q累計実績は、 売上高653百万円(前年同期比-2.4%) 、営業利益-185百万円 (前年同期は赤字)、 成約件数10件(前年同期比-16.7%) と減収減益傾向となりました。
レコフの業績低迷の背景には、 予定していた大型案件を含む複数の期ズレ が発生したことや、新規受託案件数が想定を下回ったことが影響しています。これに伴い、レコフの通期予想は売上高853百万円、営業利益-260百万円へと下方修正されました。来期に向けた案件開発力の強化およびコンサルタントの生産性向上が今後の課題とされています。
4. 成長を支える先行指標とコンサルタントの生産性
今後の持続的成長を見極める上で重要となる先行指標は、いずれも極めて高い成長ペースを維持しています。
- 受託案件数(単体) : 過去最高の 819件 (前年同期比+25.2%)に達し、そのうち大型案件比率は 23.3% を占めています。成約と新規受託開拓を両立させる取り組みの徹底が奏功しています。
- 契約負債(連結) : 1,608百万円 (前年同期比+26.9%)と過去最高を更新。将来の成約・売上化につながる着手金や中間報酬等の蓄積が順調に行われています。
- コンサルタント人員と品質 : 連結コンサルタント数は 291名 (前年同期比+37名増)へ拡大。単体コンサルタントのうち 13.4%(31名)が公認会計士や弁護士などの士業資格保有者 で構成されており、業界トップクラスの高度なアドバイザリー体制を確立しています。
この高度な人材基盤により、 コンサルタント一人当たり売上高1億7,73万円 、一人当たり経常利益4,235万円 という、M&A仲介業界において極めて高い生産性を実現しています。
5. 競争優位性の核心:独自の「株価レーマン方式」と市場ポジション
同社の持続的な高収益性と顧客獲得力の源泉は、東証プライム上場M&A仲介企業の中で唯一導入している 「株価レーマン方式」 による透明性の高い料金体系にあります。
一般的なM&A仲介業者が採用する「移動総資産レーマン方式」(負債も含めた総資産額を基準に手数料を算出)とは異なり、同社の「株価レーマン方式」は 「株式譲渡対価(株価)」のみをベースに手数料を算出 します。また、売り手と買い手の双方に 同一の料金体系 を適用し、 着手金無料 を継続しています。
以下のスライドは、この手数料算定手法の違いと優位性を説明したものです。

スライドの計算例に示されているように、移動総資産20億円(負債15億円・株式価額5億円)の企業を譲渡する場合、他社の移動総資産方式では成功報酬が7,500万円に達するのに対し、同社の株価レーマン方式では2,500万円となり、 手数料に3倍の開き が生じます。同社の実質的な平均手数料率は 2.8% と業界最低水準に抑えられており、譲渡オーナーの手取り額を最大化させる公正なサービスが強い顧客支持を集めています。
さらに、こうした透明性の高い料金モデルと圧倒的な成約実績により、 LSEG(旧リフィニティブ)発表の2025年国内M&A市場リーグテーブルにおいて「案件数ベース3冠」を獲得 (国内案件アドバイザー上位5位、日本企業関連完了案件、日本企業関連公表案件で1位)。グローバル市場においても、Mid-Market部門で世界13位、Small-Cap部門で世界10位にランクインするなど、国内トップクラスのM&Aプロフェッショナルグループとしての立ち位置を盤石なものにしています。
6. まとめと今後の展望
M&Aキャピタルパートナーズの2026年9月期第3四半期決算は、 単体事業の強力な営業力と大型案件の獲得力 を背景に、売上・利益ともに過去最高を更新する非常に良好な進捗を示しました。
子会社レコフにおける期ズレ等の課題は見られるものの、 受託案件数(819件)および契約負債(1,608百万円)の過去最高更新 に象徴されるように、パイプラインの積み上がりは極めて順調です。業界屈指の専門性を持つコンサルタント陣の拡充(通期連結予想302名)と、顧客目線の 株価レーマン方式 による強固なブランド力をテコに、今後もM&A仲介市場におけるプレゼンスを高めていくことが期待されます。
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