
サンバイオ 2027年1月期第2四半期決算:再生医療等製品「アクーゴ®」の薬価収載・発売開始と国内外の成長ロードマップ
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公開日時: Sep 17, 2026, 06:53 PM GMT+9
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サンバイオ株式会社(東証グロース:4592)の2027年1月期第2四半期決算説明会資料に基づき、財務ハイライト、主軸製品「アクーゴ®脳内移植用注」の上市進捗、製造・供給体制の整備状況、ならびに今後のグローバル展開と適応拡大戦略について詳細に解説します。
1. 財務ハイライトと業績進捗
第2四半期連結損益計算書
2027年1月期第2四半期(中間期)の実績は以下の通りです。
- 事業収益 :— 百万円(前年同期:— 百万円)
- 研究開発費 :1,226百万円 (前年同期比 120百万円減少)
- 事業費用 :1,909百万円 (前年同期比 21百万円増加)
- 営業利益 :▲1,909百万円 (前年同期は ▲1,888百万円、21百万円の損失拡大)
- 中間純利益 :▲1,791百万円 (前年同期は ▲1,997百万円、205百万円の改善)
- 期中平均為替レート:1米ドル=159.14円(前年同期:146.96円)
主たる費用は「アクーゴ®」の製造関連費用を中心とする研究開発費であり、事業費用全体で1,909百万円を計上しました。
連結業績予想に対する進捗と差異要因
第2四半期累計の業績予想と実績の比較において、営業損失は予想の▲2,906百万円に対して ▲1,909百万円 となり、損失幅が 996百万円縮小 しました。これは、製造関連の研究開発費の一部が下半期に期ズレしたことによるものです。
なお、2027年1月期通期の連結業績予想は据え置かれており、以下の通り見込まれています。
- 事業収益 :396百万円
- 事業費用 :5,625百万円 (うち研究開発費 4,110百万円、その他 1,515百万円)
- 営業利益 :▲5,229百万円
- 経常利益 :▲5,074百万円
- 当期純利益 :▲5,133百万円
財政状態と資金流動性
第2四半期末時点の財政状態は以下の通りです。
- 現金及び預金 :12,748百万円 (前期末比 2,335百万円減)
- 流動資産 :13,380百万円 (前期末比 2,108百万円減)
- 資産合計 :13,645百万円 (前期末比 1,976百万円減)
- 負債合計 :1,920百万円 (前期末比 96百万円減)
- 純資産合計 :11,724百万円 (前期末比 1,879百万円減、自己資本比率 約85.9%)
手元資金として127億円超の現預金を維持しており、当面の事業運営および開発パイプラインの推進に必要な資金基盤を確保しています。
2. 「アクーゴ®脳内移植用注」の上市と臨床基盤
サンバイオが開発を進めてきたヒト体性幹細胞加工製品「 アクーゴ®脳内移植用注 」(一般名:バンデフィテムセル、開発コード:SB623)は、日本国内において大きなマイルストーンを達成しました。

薬価収載と販売枠組みの確立
- 効能・効果 :外傷性脳損傷(TBI)に伴う慢性期の運動麻痺の改善
- 製造販売承認取得 :2024年7月31日(条件及び期限付承認)
- 薬価基準収載 :2026年5月20日
- 薬価 :72,716,528円 (1患者あたりの投薬単位)
- 発売開始 :2026年5月21日
用法・用量としては、成人の損傷組織周辺部に生細胞約5×10^6個を専用投与機器セットを用いて定位脳手術により移植します。
国際共同第Ⅱ相臨床試験(TBI-01 / STEMTRA試験)の成績
本承認の根拠となった二重盲検比較試験において、主要評価項目である投与24週目における運動機能評価指標(FMMS)のベースラインからの変化量は、プラセボ(偽手術)群の+2.3±4.7点に対し、 SB623投与群で+8.3±10.6点 と、 統計学的に有意な改善(p=0.0401) が実証されています。
3. 国内普及体制とスマート地域医療連携の推進
高額な再生医療等製品であるアクーゴ®の普及に向け、サンバイオは医療機関との連携基盤および患者アクセスの整備を急ピッチで進めています。

導入医療機関と今期目標
- 導入準備施設(2026年9月現在) :北海道大学、東京大学、横浜市立大学、大阪大学、岡山大学の 5大学病院を含む計8施設 を中心に導入準備が進捗しています。
- 今期末(2027年1月期末)の目標 :最初の患者への 投与開始 、および 通期6例の投与見込み (通期事業収益予想396百万円の根拠)としています。
「アクーゴ®スマート地域医療連携」モデル
患者が居住地近隣から適切な治療にアクセスできるよう、3段階の連携フローを構築しています。
- 連携施設(地域窓口) :患者・医療機関への情報提供、相談・紹介の受付、MRI撮影などによる事前スクリーニング。
- 投与施設(高度医療機関) :投与適格性の判定、定位脳手術による移植の実施、安全かつ適正な投与体制の担保。
- リハビリテーション施設 :投与後のリハビリテーション実施、生活機能の維持・向上支援。
これを支援するため、患者・家族向け情報サイト「 TBIナビ 」の開設、専用コールセンター(フリーダイヤル)の設置、適格性評価システム「iRUM™neo」の導入、医療従事者向けセミナーの開催(延べ1,000人以上が参加)など、包括的な受入インフラが整備されています。
4. 安定供給に向けた製造サプライチェーンの再構築
商用化とグローバル展開を支える製造体制の強化も進展しています。
- ミナリスアドバンストセラピーズとの連携 :ミナリス米国工場の閉鎖に伴い、上流工程を国内へ移管。 日本ミナリス社横浜工場における国内一貫製造体制 の構築を推進。
- JCRファーマとの提携 :将来の需要拡大とグローバル供給を見据え、 アクーゴ®の商用製造を目指した試製造契約を締結 。
- 流通体制 :製造から患者の投与日に合わせた納品まで、医薬品卸と連携した一貫供給・物流体制を構築。
5. グローバル展開とパイプラインの適応拡大戦略
サンバイオは日本市場を「マザー拠点」と位置づけ、蓄積したオペレーションと臨床データを米国および世界主要市場へ展開する方針を掲げています。

SB623のグローバル展開進捗
- 米国(TBI) :米国FDA(食品医薬品局)と Phase 3の試験デザインについて合意済み 。来期の臨床試験開始に向けて準備 が進行中。
- 欧州・中国(TBI) :臨床試験の開始時期について検討段階。
脳血管障害への適応拡大ロードマップ
TBIで培った基盤を、より患者数の多い慢性期脳血管障害へ拡大する計画です。
- 脳梗塞(慢性期) :
- 日本: 来期にPMDA(医薬品医療機器総合機構)と試験デザイン合意を予定 し、臨床試験開始に向け準備。
- 米国:過去にPhase 2試験(約60施設163症例)を実施した実績を活かし、臨床試験開始に向けて準備中。
- 脳出血(慢性期) :
- 日本:臨床試験開始に向けてPMDAと協議予定。
- 米国・欧州・中国:臨床試験開始時期を検討中。
6. 総括と中長期の企業成長イメージ
サンバイオは、 「日本のマザー拠点化」「米国での事業展開」「脳梗塞への適応拡大」 という 成長戦略の三本柱 を掲げています。
足元では日本国内におけるアクーゴ®の初投与および8施設での稼働定着に注力しつつ、来期以降は米国TBI治験の再開や国内脳梗塞治験のデザイン合意など、パイプラインの価値最大化に向けたステップが計画されています。4年後以降には日米両国でのTBIおよび慢性期脳梗塞の普及を見据え、中長期的な飛躍を目指すロードマップが示されています。
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